【目次】
令和4年12月16日(金)、自由民主党ホームページで、自由民主党・公明党による「令和5年度税制改正大綱」が公表されました。
令和5年度与党税制改正大綱が12月16日、取りまとめられました。来年度税制改正大綱では成長と分配の好循環を実現するため、個人投資家の優遇制度「NISA」の抜本的な拡充・恒久化を行うほか、スタートアップ・エコシステムの抜本的強化に向けた具体的な方策が盛り込まれています。
NISAは若年期から高齢期に至るまで、長期・積み立て・分散投資による継続的な資産形成を行えるよう、非課税保有期間を無期限化。新たに「成長投資枠」を創設し、年間投資水準を現行の計120万円から3倍となる360万円に拡大します。生涯にわたる非課税限度額も現行の800万円から1800万円に拡大。「貯蓄から投資へ」の流れを強力に推進します。
スタートアップ支援については、保有株式の譲渡益を元手に創業者が創業した場合や、エンジェル投資家がプレシード・シード期のスタートアップに再投資した際、株式譲渡益に課税しない制度を創設。その上限額は米国を上回る20億円とすることが盛り込まれました。
防衛力強化にかかわる財源確保のための税制措置については、法人税に税率4~4.5%の新たな付加税を課し、中小法人に配慮する観点から、課税標準となる法人税額から500万円を控除することとしました。年間所得2400万円以下の中小法人は課税対象から除外され、約96%の中小企業は対象外となります。
また、所得税に新たに税率1%の付加税を課し、復興特別所得税の税率を1%引き下げます。復興財源から防衛財源に流用されることはなく、復興財源については、「引き続き、責任を持って確実に確保する」と大綱に盛り込まれました。たばこ税についても国産葉たばこ農家への影響に十分配慮しつつ、予見可能性を確保した上で、1本当たり3円の引き上げを段階的に実施します。いずれの措置も、令和6年以降の適切な時期に開始することも盛り込まれ、来年の税制措置は行われないことが明確になっています。
公表された「令和5年度税制改正大綱」は、137ページ(表紙・目次等を含む)の冊子で、その内容(目次)は、以下のとおりです。
- 第一 令和5年度税制改正の基本的考え方等
- 第二 令和5年度税制改正の具体的内容
- 一 個人所得課税
- 二 資産課税
- 三 法人課税
- 四 消費課税
- 五 国際課税
- 六 納税環境整備
- 七 関税
- 第三 検討事項
【付記】各対象会計年度の国際最低課税額に対する法人税(仮称)の創設等