税務知識記事一覧

法人の決算書提出に必要な書類

法人の決算書提出に必要な書類

「初めての決算!必要書類は何?」

このような疑問を抱えている人は多いです。

結論から言いますと、法人の決算書には「決算報告書」を初めとして9つの書類を準備する必要があります。

今回は法人の決算提出に必要な書類について説明します。

法人の決算に必要な書類は何?

会社が決算をする時に必要になる書類はどのようなものがあるのでしょうか。

結論から言いますと、決算に必要な書類は以下の9つです。

  • 決算報告書
  • 総勘定元帳
  • 領収書綴り
  • 勘定科目明細
  • 法人事業概況説明書
  • 法人税申告書
  • 消費税申告書
  • 地方税申告書
  • 税務代理権限証書

それぞれについて詳しく説明していきましょう。

決算報告書

決算報告書は

  • 貸借対照表
  • 損益計算書
  • キャッシュフロー計算書
  • 株主資本等変動計算書
  • 個別注記表

の5つからなる、会社の財務体質や収益体質について報告するための書類です。

法人の1年間の売上と経費、どのくらい利益を挙げたのか、どのくらい現金が有るのか、どのくらい資金調達して、どのくらい設備投資したのか、等が分かるようになっています。

決算書については別記事で詳しく説明していますので、参考にして下さい。

総勘定元帳

総勘定元帳とは、法人の一年間の取引及び経費処理が科目ごとに記録されている帳簿のことを指しています。

総勘定元帳は勘定科目ごとに表記するため、取引日や残高等が簡単に分かるようになります。

決算書の内容が正しいかどうかを判断するために利用されるため作成が義務付けられているのです。

総勘定元帳作成前には仕訳帳を作成し、仕訳帳の内容から総勘定元帳へ転記する必要があります。

なお、総勘定元帳には以下の7項目について記載していなければいけません。

  1. 日付
  2. 借方勘定科目:資産科目(増加時)、負債科目(減少時)、費用科目
  3. 仕丁:仕訳が記載されている仕訳帳ページ数を記載
  4. 借方:借方勘定科目の金額
  5. 貸方勘定科目:負債科目(増加時)、資産科目(減少時)、売上科目
  6. 貸方:貸方勘定科目の金額
  7. 頁:総勘定元帳のページ数
日付 借方勘定科目 仕丁 借方 日付 貸方勘定科目 仕丁 貸方

なお、総勘定元帳は7年間保持することが義務付けられているので、決算報告したからといってすぐ破棄することは出来ないので注意して下さい。

領収書綴り

会社の運営で必要になった経費を損金として計上するには、原則領収書をもって計上する必要があります。

そこで決算書には日付順に経費の領収書を綴らなければいけません。

こちらも総勘定元帳と同様に7年間の保持が義務付けられているので注意が必要です。

勘定科目明細

勘定科目明細とは、貸借対照表及び損益計算書上に記載されている科目について詳しく説明した書類になっています。

参考例をそれぞれ紹介しましょう。

【貸借対照表科目】

現預金内訳:現金10万円、A銀行普通預金100万円、B銀行定期預金1,000万円
売掛金明細:A社30万円
棚卸資産:商品他50万円

【損益計算書科目】

役員報酬:600万円
地代家賃:B社200万円
雑収入:持続化給付金200万円
特別損失:固定資産売却損50万円

これらの帳簿を日々つけておかなければ決算時に、収支詳細を探すのに手間がかかりますので注意が必要です。

法人事業概況説明書

法人事業概況説明書とは

  1. 法人の事業内容
  2. 従業員数
  3. 売上と仕入の金額
  4. 経理状況
  5. 担当税理士

など、法人の事業概況を説明した書類となっています。

法人税申告書

法人税申告書は以下の3つの書類から成り立っています。

  1. 決算報告書
  2. 勘定科目明細
  3. 税務計算書類

この内3番については、別表1~始まる書類のことをさしており、繰越損失についての説明や株主の割合等を示した書類等が該当します。

消費税申告書

消費税および地方消費税の申告をする際に必要になります。

なお、消費税申告書には計算の内訳を添付する必要が有ります。

地方税申告書

地方税申告書には

  1. 法人住民税:法人都道府県税・法人都民税
  2. 法人事業税

が記載されており、各都道府県に提出し納税する必要があります。

なお、地方税は営業所がある都道府県別に納税する必要があるため、事務所や営業所が複数ある法人の場合は分割して申請する必要があります。

税務代理権限証書

担当する顧問税理士について説明した書類です。以下の内容について触れられています。

  1. 顧問税理士が税務調査に立会する旨
  2. 顧問税理士が申告書提出や問い合わせについて対応する旨

なお、税務代行権限証書は「税理士のみ」作成が許されている書類ですので、事業者が勝手に作成し提出することは出来ません。

まとめ

  • 法人決算書には「決算報告書」をはじめ9つの書類を添付する必要がある
  • それぞれルールに沿って作成する必要がある
  • 税務代理権限証書は税理士にしか作成出来ない

法人の決算書は個人事業主と比較して提出する書類が多いです。

事業者が自分で全部作成するのは相応の時間がかかるため税理士に依頼してしまう場合も多いです。

決算のみ依頼する場合、税理士報酬も比較的少なく済みますし税金計算等も全て正確に行ってくれるのでおすすめです。

一度無料相談会等を利用して検討してみてはいかがでしょうか。

経理・決算を税理士へ依頼するメリットとは?

インボイス制度関連記事

  1. 法人設立期間中の損益 ~帰属先・注意点など~
  2. 小規模事業者持続化補助金の枠の種類が増加しました
  3. キャンセル料と消費税
  4. 消費税2割特例が使える場合の簡易課税選択届の先延ばし
  5. 9月30日は土曜日 インボイスの登録申請
注目記事 最新記事
  1. 税金がなかったらどんなデメリットがある?税金は所得に関係なくサービスを受けられる唯一の制度
  2. 別表六(三十一)の誤記載に注意喚起
  3. 青色申告と白色申告、どっちで確定申告するのが良い?メリットやデメリットについて徹底解説!
  4. 生命保険料控除とは何か?適用要件や控除額について徹底解説!
  5. 学生も社会保険に加入の義務あり?
  1. 現物配当(現物分配)の税務
  2. 「休職制度」の必要性
  3. 中小企業の6割は防衛的賃上げ
  4. 中間申告の義務規定と中間申告無申告容認規定
  5. 相続登記は3年以内に!

税務知識ブログカテゴリー

PAGE TOP