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勤労学生控除とは何か?学生であれば全員適用できるわけではない!?

勤労学生控除とは何か?学生であれば全員適用できるわけではない!?

「勤労学生控除とは何か?」
「学生であれば誰でも受けられるって本当?」
「自分が適用されるか確認したい!」

このような不安や疑問を持っている人は少なくありません。

結論から言いますと、勤労学生控除は大学生や高校生などでアルバイトしている人が受けられる所得控除の事です。

もし今ご自身が学生で、アルバイトなどを行っている場合は、勤労学生控除を適用することで所得税の減額が望めます。

そこで今回は「勤労学生控除とは何か?学生であれば全員適用できるわけではない!?」をテーマに徹底解説していきます。

今学生の人や、子供が学生で働いているという人はぜひ最後までご覧ください。

勤労学生控除とは

勤労学生控除とは、要件を満たした勤労学生が受けられる所得控除のことです。

実は、アルバイトをすると大学生であっても高校生であっても所得税が科せられてしまいます。

学生であるのにも関わらずアルバイトを行っているケースの中には、経済的な理由で行っている場合が多いです。

そのため、「学生」が一定の条件を満たした場合に関しては、所得控除の制度が設けられており、非課税で収入を得ることができます。

尚、勤労学生控除によって、課税対象となる所得金額から最大27万円を控除することができます。

勤労学生控除の要件

勤労学生控除にはいくつか要件があり、それらを全て満たしている必要があります。

  • 所定の学校に通っていること
  • 所得金額が一定以下であること

それぞれ詳しく確認していきましょう。

所定の学校に通っていること

勤労学生控除を受けるためには、所定の学校に通っている必要があります。

  • 学校教育法第1条に規定する学校の学生または生徒
  • 国や地方公共団体または学校法人等の設置した専修学校または各種学校の生徒
  • 職業訓練法人の行う認定職業訓練を受ける人で、一定の条件を満たしている人

勤労学生控除を適用するためには、通っている学校がどこかということが重要になります。

自分が以上に記載したいずれかの学校に通っているのか判断ができない場合は、学校の窓口に問い合わせして確認するようにして下さい。

所得金額が一定以下であること

勤労学生控除を受けるためには、学生自身の所得が一定金額以下である必要があります。

  • 学生本人のアルバイトなど勤労による所得であること
  • 合計所得金額が75万円以下(2020年から65万円→75万円))であること
    ※実際の収入は130万円以下。ここから給与所得控除額55万円を差し引いた金額。
  • 不動産所得など、給与所得(アルバイト代)以外の所得が10万円以下であること

合計所得が75万円以下である必要がある他、勤労以外の所得(不動産所得など)は10万円以下である必要がありますので注意して下さい。

扶養学生の税金が課税されないのは130万円まで

実は、学生であれば年収130万円以下(所得が65万円以下)であれば、全額非課税で収入を得ることが出来ます。

それは、学生のアルバイトでも「給与所得控除」や「基礎控除」などを適用することが出来るためです。

【給与所得控除】

給与等の収入金額
(給与所得の源泉徴収票の支払金額)
給与所得控除額
1,625,000円まで 550,000円
1,625,001円から 1,800,000円まで 収入金額×40%-100,000円
1,800,001円から 3,600,000円まで 収入金額×30%+80,000円
3,600,001円から 6,600,000円まで 収入金額×20%+440,000円
6,600,001円から 8,500,000円まで 収入金額×10%+1,100,000円
8,500,001円以上 1,950,000円(上限)

※給与所得控除は最低でも55万円受けられる。

【基礎控除】

納税者本人の合計所得金額 控除額
2,400万円以下 48万円
2,400万円超2,450万円以下 32万円
2,450万円超2,500万円以下 16万円
2,500万円超 0円

※勤労学生の基礎控除は48万円

以上より、給与所得控除55万円、基礎控除48万円、勤労学生控除27万円を足すと130万円になることから、勤労学生は130万円以下であれば非課税で収入を得られることとなります。

給与所得控除55万円+基礎控除48万円+勤労学生控除27万円=130万円(非課税上限)

所得増加と扶養控除

勤労学生に関しては130万円まで所得税がかかりませんが、扶養している家族は税金が増える可能性があります。

なぜなら、勤労学生を養っている親が「扶養控除」を受けるためには、扶養している人の収入が103万円以下でなければならないためです。

勤労学生は130万円まで非課税ではありますが、103万円を超えた時点で扶養控除が適用できなくなるため、親の税金が増えることになり、注意が必要です。

勤労学生控除の手続き方法

勤労学生控除を受けるためには

  • 年末調整
  • 確定申告

いずれかの方法で受けることができます。

給与所得を得ている場合は年末調整の際に、「扶養控除等(移動)申告書」に勤労学生控除に関する事項を記載し勤務先に提出することで勤労学生控除の適用をうけられます。

確定申告をする場合に関しては、確定申告書に勤労学生控除に関する事項を記載し、在学している学校の証明書を添付することで適用をうけることができます。

確定申告で分からないことがあれば、直接所管の税務署に確認して申請すると良いでしょう。

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