税務知識記事一覧

外国為替相場の著しい変動あり15%ルールとは

外国為替相場の著しい変動あり15%ルールとは

24年ぶりの円安水準を更新

円安が進んでいます。

令和4年9月7日の東京外国為替市場では、1ドル144円台まで値下がりし、1998年以来の円安水準となりました。

世界の中央銀行が相次いで金融引き締め策を打ち出す中、現在でも金融緩和を続ける日本が際立つ形となり、円売りの材料となっています。

海外の動静や政府・日銀の判断に注目が集まっています。

輸出産業では追い風・輸入産業には逆風

外貨建取引の売上・仕入は取引時の為替相場で円換算されるため、為替レートの変動は、企業の損益計算書に直接のインパクトを与えます。

円安の場合には、国内で生産し、海外に販売する「売上=外需・仕入=内製」のタイプの会社に有利に働くことになります。

売上・仕入のどちらにも外貨建取引がある場合には、売上の円安効果と仕入の円安効果の現われ方により、会社の利益への影響は複雑となります。

外貨建資産等の期末換算方法(法人税)

また、法人税法では、期末に有する外貨建資産・負債の円換算は、「発生時レート(HR)」又は「期末時レート(CR)」で行いますが、長期保有の資産の法定換算法は、発生時レート(HR)のものが多くなります(期末の換算損益は生じません)。

区分(長期) 選択可能 法定
外貨預金 HR・CR HR
外貨建債権債務 HR・CR HR
外貨建有価証券
 売買目的
 満期保有目的
 その他
 
CR
HR・CR
HR
 
CR
HR
HR

著しい変動があった場合(15%ルール)

ただし、発生時レートが適用される外貨建資産・負債であっても、期末に為替レートが著しく変動した場合(おおむね15%以上)には、その通貨の種類を同じくする外貨建資産等のすべてについて、期末に外貨建取引を行ったものとみなして、期末時の為替レートで帳簿価額の付け替えを行うことができます(結果的にCR換算と同じ)。

今年のような状況の場合、この「15%ルール」を検討する会社も多いと思いますが、同一通貨の場合、「ドル資産だけCR」「ドル負債だけCR」という「つまみ食い」はできません。

その点ご注意ください。

インボイス制度関連記事

  1. インボイス制度 事業者登録が遅れたら?
  2. 通勤手当の税と社会保険
  3. 免税事業者からの課税仕入れに係る控除対象外消費税額
  4. インボイス制度の2割特例
  5. インボイス制度 基本的な緩和措置等のまとめ
注目記事 最新記事
  1. 5年? 7年? 10年? 帳簿・領収書等の保存期間
  2. 社会保険の「年収130万円の壁」注意点や例外
  3. 勤労学生控除とは何か?学生であれば全員適用できるわけではない!?
  4. 在庫が決算に与える影響とは?粉飾決算は在庫がポイント!
  5. 国税の信託型ストックオプションへの見解と税制適格ストックオプションの株価算定ルール
  1. 中小企業の6割は防衛的賃上げ
  2. 中間申告の義務規定と中間申告無申告容認規定
  3. 相続登記は3年以内に!
  4. ダイレクト納付の新しい手続き「自動ダイレクト」4月開始
  5. 就業時間外の顧客対応

税務知識ブログカテゴリー

PAGE TOP