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大企業向け賃上げ促進税制のマルチステークホルダー経営宣言とは

大企業向け賃上げ促進税制のマルチステークホルダー経営宣言とは

令和4年度税制改正の賃上げ促進税制

継続雇用者の給与総額を一定割合以上増加させた企業に対して、雇用者全体の給与総額の対前年度増加額の最大30%(中小企業については最大40%)を税額控除できる賃上げ促進税制ですが、一定規模以上の大企業に対しては「マルチステークホルダーに配慮した経営への取り組みを宣言していること」が要件になりました。

資本金10億円以上かつ、従業員数1,000人以上の大企業が賃上げ促進税制を利用したい場合は自社のウェブサイトに宣言内容を公表したことを経済産業大臣に届け出なければなりません。

マルチステークホルダー経営宣言とは

「マルチステークホルダー(・プロセス)」とは、従業員や取引先、消費者や関係会社等、企業活動をするうえで影響を受ける利害関係者である「ステークホルダー」が持続可能な発展を目指して協働して課題解決にあたる合意形成などの意思疎通を図ることを言います。

マルチステークホルダー経営宣言を要件にしたということは、「取引先等への配慮もしながらこの賃上げ促進税制を利用してください」、言い換えれば「意思決定の社会的正当性の確保もしてください」ということなのでしょう。

日本に古くからあったCSR的概念

近年、CSR(企業の社会的責任)やSDGs(持続可能な開発目標)や、今回取り上げたマルチステークホルダー経営宣言等、企業経営が社会的責任についてどういった影響をもたらし、どのように反映させてゆくのかを明文化する動きが強くなっています。

旧来、日本には近江商人の経営哲学である「三方よし」、「売り手によし、買い手によし、世間によしであればよい商売といえる」という概念があります。

これを詳細に詰めてゆくのがマルチステークホルダー等の、最近流行の明文化と考えても差し支えないでしょう。

商いと社会には切っても切れない縁があり、どんな規模や業種の企業でも、ステークホルダーと協働している面があるはずです。

自社の企業活動を、ステークホルダーへの影響等の視点から見てみると、何か発見があるかもしれません。

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