「資金調達のメリットとデメリットについて知りたい」
「資金調達の方法ごとにメリットやデメリットが違うってホント?」
このような疑問や不安を抱えている人は少なくありません。
結論から言いますと、資金調達は、どのような資金調達するかによってメリットとデメリットが大きく変わってきます。
資金調達の方法は自社の成長サイクルや状況に応じて変化しますので、税理士なので専門家に相談しながら検討するようにして下さい。
今回は、資金調達のメリットとデメリットについて紹介していきます。
【目次】
資金調達のメリット・デメリット
資金調達する上で重要なのは、どんなメリットやデメリットがあるのかをしっかり把握しておくことです。
資金調達には「デッドファイナンス」「エクイティファイナンス」「アセットファイナンス」の3つあることはご存じだと思いますが、それぞれの方法にメリットやデメリットがあります。
自社の状況に応じた資金調達方法を選択することが重要になります。
デッドファイナンスのメリット・デメリット
デッドファイナンスの代表的な例は、金融機関借入です。金融機関からの融資金によって資金調達する方法で、手軽かつシンプルに資金調達が可能です。
他にも
- 私募債
- 新株予約権付社債
- 公的融資
- ビジネスローン
なども代表的な方法として挙げられます。
デッドファイナンスのメリット
デッドファイナンスのメリットは、「借入によって大きな投資効果を得られる」ことでしょう。
例えば、以下のような例を参考にしてみましょう。
○Aさんは300万円と800万円の機械のどちらかを購入予定
○Aさんの自己資金は300万円
<投資効果>
○300万円の機械は月10万円利益を出せる
○800万円の機械は月40万円利益を出せる
Aさんは、自己資金が300万円あるので、安い方の機械は買えます。
しかし投資効果を考えると800万円の方が事業的には有利になることを分かっているので、Aさんは銀行から500万円の融資を受け800万円の機械を買うことにしました。
300万円の機械が月10万円の利益を上げれば、投資効果でイニシャルコストをペイできるのは30ヵ月です。
しかし、800万円の機械が月40万円の利益を出せば、イニシャルコストを20ヶ月でペイ出来ます。
その他の条件を考慮しないとしたら、必然的にどっちの機械を購入した方が良いか分かりますね。
このように、自己資金で設備投資することも出来ますが、銀行から借入することで、更に利益が大きくなることから、元の資本金に対して利益率が向上するため「レバレッジ効果」と呼ばれることもあります。
デメリット
デッドファイナンスは負債を増やすことになるので、返済義務が生じます。
投資効果により返済財源が発生すれば良いですが、そもそも資金繰りを圧迫している場合は借入金返済によって会社が倒産することもあり得ます。
特にスタートアップ企業などは資金繰りが厳しいケースも多いので、金融機関借入などのデッドファイナンスは注意して検討しなければなりません。
エクイティファイナンスのメリット・デメリット
エクイティファイナンスは、負債を増やす資金調達であるデッドファイナンスではなく、資本を直接増やす資金調達方法です。
エクイティファイナンスには
- エンジェル投資家
- ベンチャーキャピタル
- 新株予約権
- クラウドファンディング
等が挙げられます。
エクイティファイナンスのメリット
エクイティファイナンスは資本を直接増強し資金調達する方法ですので、デッドファイナンスと違い返済義務や利子の支払義務がありません。
また、資金使途も定まっていないため、基本的に自由に資金を運用出来ます。
ベンチャーキャピタルやエンジェル投資家から投資を受けられれば事業性を評価したものとみなされるため、事業の信頼度も高まり、更に事業拡大が行いやすくなります。
エクイティファイナンスのデメリット
株式を発行することで、資本と増やすことが出来る一方、企業の合併や買収が起きた際にはリスクを生じる場合はあります。
株主を増やすことは経営に関与する人を増やすという事です。
もし経営者としてふさわしくないとみなされた場合は、経営権をはく奪される可能性もあるため注意が必要です。
また、株主と経営方針が食い違うこともありますし、調整がつかず経営が上手くいかなくなるケースもあります。
株主を増やすという意味をしっかり理解してエクイティファイナンスを行う必要があります。
アセットファイナンスのメリット・デメリット
アセットファイナンスとは自社の資産を売却して資金調達する方法です。
代表的な例として
- ファクタリング
- リースバック
等が挙げられます。
アセットファイナンスのメリット
現金化までのコストが少なく、手早く現金化が可能なのがアセットファイナンスの最大のメリットです。
金融機関や投資家と関係を持たないため、自分の意志で資金調達することが出来ます。
アセットファイナンスのデメリット
そもそも現金化出来る資産が無ければ資金調達は不可能です。
また、アセットファイナンスで売却する資産に価値がない場合は思うような資金調達が出来ない場合も多いです。
まとめ
- デッドファイナンスは返済が必要な資金調達
- エクイティファイナンスは経営に関与される資金調達
- アセットファイナンスは売却資産が無ければ不可能
それぞれメリットとデメリットがあることを理解できたと思います。
まずは自社の状況をしっかり見定めて、どの方法で資金調達した方が良いのかを判断しなければいけません。
顧問税理士に相談するか、お近くの税理士事務所に一度相談されることをおすすめします。
まずは自社の資金繰りについてしっかり把握することから初めてみましょう。