「経営力向上計画を策定するとどんな支援を受けられる?」
「経営力向上計画の策定は誰か支援してくれる?」
このような不安や疑問を抱えている人は少なくありません。
結論から言いますと、経営力向上計画を認定されると設備の一括償却が可能になるなど税制面で優遇を受けることが出来ます。
また、税制面以外でも法的支援・金融支援を受けることも出来ます。
設備投資を検討しているのであれば、経営力向上計画が策定出来るか確認してみると良いでしょう。
今回は経営力向上計画の概要について説明します。
【目次】
経営力向上計画とは
経営力向上計画というものを聞いたことがある人は多く無いでしょう。
経営力向上計画とは簡単に言いますと、中小企業経営強化法の認定を受けた「経営力向上計画」を作成し、認定された場合は、一定の設備を指定事業として導入した場合は、即時償却・税額控除を適用できるという制度です。
簡単に言えば、「経営力向上計画という計画書を作って、それに基づいて設備投資をすることで節税の対象とします」と言った具合です。
今後設備投資を考えているという人は、一度この経営力向上計画について調べておくと良いでしょう。該当になれば設備投資によって税金を大きく節税することが出来るかもしれません。
経営力向上計画の概要
経営力向上計画は人材育成やコスト管理等のマネジメントの向上、設備投資等によって自社の経営力を向上させるために実施する計画のことで、認定を受けた事業者は税制や金融の面で支援を受けられます。
尚、計画申請においては、経営革新等支援期間のサポートを受けることが可能です。
それでは経営力向上計画の概要について詳しく説明していきます。
経営力向上計画の対象者
経営力向上計画の対象者は、中小企業、個人事業主もしくは社会福祉法人等になります。
【経営力向上計画の対象者】
対象者 |
|
|
---|---|---|
条件 |
|
|
経営力向上計画の認定を受けるためには以上の対象者に合致している必要があります。
※大企業の子会社は条件に当てはまっても対象になりません。
申請に記載する内容
経営力向上計画のでは以下の内容を記載する必要があります。
- 企業の概要
- 現状認識
- 経営力向上計画の目標及び経営力向上による経営の向上の程度を示す指標
- 経営力向上の内容
- 事業承継等の時期及び内容(事業承継する場合)
計画策定支援
経営力向上計画の策定には、認定経営革新等支援機関からの支援を受けることが出来ます。
【認定経営革新等支援機関】
- 商工会議所
- 商工会
- 中央会
- 士業(中小企業診断士・税理士等)
- 地域金融機関
計画実行のための支援措置
経営力向上計画を実行するために必要になる支援措置を受けることが出来ます。
- 税制措置
経営力向上計画に基づき取得した一定の設備や不動産に対して、帆人勢や不動産取得税等の特例措置を受けることが出来る
- 金融支援
政策金融機関の融資、民間金融機関の融資に対する信用保証、債務保証等の資金調達に関する支援を受けることが出来ます。
- 法的支援
業法上の許認可の承継の特例、組合の発起人数に関する特例、事業譲渡の際の免責的債務引受に関する特例措置を受けることが出来ます。
経営力向上計画の実行までの流れ
経営力向上計画の実行までの流れは以下の通りです。
1.制度の利用・検討・事前確認・準備
【税制措置を受けたい場合】
- 適用対象者要件の確認が必要
- 設備に対して税制優遇を受けるためには工業会の証明書や経済局の確認が必要
- 不動産にかかる登録免許税等の軽減については、軽減の対象となる事業承継の条件や手続きについて確認が必要
【法的支援を受けたい場合】
- 承認が認められる許認可の種類や条件、その他必要な手続きについて確認が必要
【金融支援を受けたい売位】
- 適用対象者要件の確認が必要
- 金融支援を受けるためには事前に関係金融機関に相談しておく
2.経営力向上計画の策定
経営力向上計画の策定を行ってください。策定には以下の3つを確認しておくようにしましょう。
- 日本標準産業分類で該当する事業分野を確認する
- 事業分野に対応する事業分野別指針を確認
- 事業分野別指針を踏まえ、経営力向上計画を策定する
3.経営力向上計画の申請・認定
策定した経営力向上計画を電子申請にて申請し、認定を受けます。認定者は各事業分野の主務大臣になります。
認定を受けた場合は、主務大臣から計画認定書と計画申請書の写しが交付されます。
4.経営力向上計画の開始・取組の実行
税制措置・法的支援・金融支援を受け、経営力向上のための取組を実行して下さい
まとめ
- 経営力向上計画が認定されると税制優遇・法的支援・金融支援を受けられる
- 税制優遇では設備の一括償却等が利用できる
- 経営力向上計画の策定には税理士などの支援を受けられる
計画の策定を全部自分でやるのは困難を極めることから、基本的に税理士や金融機関の支援を受けるようにして下さい。
特に最新の設備導入を検討しているケースでは経営力向上計画の策定によって大きな税制メリットを受けることが可能です。
設備導入する前に、まずは顧問税理士もしくはメインバンクの担当者を一度相談することをおすすめします。