「相続税の納税資金が多額で融資を受けたい」
「納税資金の融資について知りたい」
このような疑問や不安を抱えている人は多いです。
結論から言いますと、相続税の納税資金として融資を受けることは可能です。
パッケージ商品として売り出される程ポピュラーなものですので、信用等に問題がなければ借入することは十分可能でしょう。
今回は、相続税の納税資金融資について解説していきます。
【目次】
相続税が一括で支払えない場合
相続税は多額の資産を相続するに伴って支払いが大きくなります。
不動産等換金性の低いものを多く相続した場合は、支払用の現金を用意するのは簡単ではありません。
もし相続税が一括で支払えない場合どうすれば良いのでしょうか。
一般的に行われているのは以下の4つの方法です。
- 延納
- 物納
- 相続不動産の売却
- 銀行からの借入
なお、以上の4つについては過去の記事で詳しく説明しているので参照して下さい。
参照:相続税が払えない?!そんな時に試したい4つの対処法について解説!
今回はこのうち、銀行からの借入金によって相続税を納税する方法について解説していきます。
相続税の納税資金を借入する
相続税の納税資金として融資を受けるためにはどうすれば良いのでしょうか。
結論から言いますと、相続税の納税資金として融資をすることは比較的よく行われている方法です。
そのため、まずはお近くの銀行やメインバンクに一度相談してみましょう。
借入は以下のいずれかの方法で行われます。
- 保証会社の保証が付いて受ける融資
- 相続不動産を担保にして受ける融資
- 不動産の売却に関係なく受ける融資
- 相続不動産を売却する前提で受ける融資
それぞれについて詳しく解説していきましょう。
保証会社の保証が付いて受ける融資
「ジャックス」や「オリックス」等の保証会社が保証して銀行が融資を行う「保証付き融資」で相続税の納税資金が借入出来ます。
一般的には借入金利に保証会社の保証料が包含されていますが、別途支払が必要な場合もあるため注意して下さい。
相続不動産を担保にして受ける融資
相続した不動産を担保にしてお金を借りる方法です。
不動産担保ローンであれば、比較的金利も低く、かつ保証料もかからないためトータルのコストが押さえられる可能性があります。
ただし、抵当権の設定費用(担保設定費用)に関しては、借入金額によって金額が変わってくるため注意が必要です。
登記費用は原則借入する本人が支払う必要があります。
不動産の売却に関係なく受ける融資
不動産を担保に取ることもなく、保証をつけることも無く信用で融資を受ける方法があります。不動産が絡まず融資を受けるのは
- 銀行に相続税対策融資のパッケージ商品が無い場合
- 取引が厚く、保証や担保が不要な場合
以上のようなケースです。
信用貸し(無担保無保証)の場合は銀行もリスクを負うため比較的金利は高めに設定されます。
不動産担保ローンや保証付ローンがある金融機関と比較しながら検討するようにしましょう。
相続不動産を売却する前提で受ける融資
不動産を担保には取りませんが、不動産の売却を前提に借入をする方法もあります。
この場合は、不動産の売却見込みを期限として、その期限が到来すると一括で返済する必要があります。
いわば、売却のためのつなぎ資金です。
イメージとしては相続税の延納に近いですが、延納のように必要書類を提出する手間もかかりません。
また、不動産担保ローンのように長期で借入するよりも、売却を前提に短期で借入した方が金利が抑えられます。
相続税の納税資金融資を行っていない金融機関もある
税金の支払いが滞ると差押えされることから、税金の納税資金として融資をすることを嫌う銀行もあります。
実際、法人税納税資金などの融資は行えますが、消費税納税の融資は行えない等納税資金融資には様々な規制があり、積極的に推進する金融機関はそこまで多くありません。
パッケージ商品以外の融資をしたくないという金融機関も多いです。
まずはご自身のメインバンクに「相続税の納税相談」として尋ねてみて下さい。
パッケージ商品があれば借入出来る可能性は高いですし、無くても検討してくれる可能性があります。
一番してはいけない事は、納税資金であることを偽って融資を引っ張る事です。
万が一資金使途違反となった場合は一括返済を求められたり、代位弁済となって今後最低5年間借入が出来なくなるなどペナルティを受ける可能性があります。
納税資金として借入したい場合はまず正直に話してみることが大切です。
まとめ
- 相続税の納税資金として融資を受けることは可能
- 「保証付き」「不動産担保付き」「信用貸し」「つなぎ資金」等の方法で借入出来る
- 納税資金融資を取り扱いしていない場合もある
納税資金を借入したい人は、まずお近くの金融機関に相談してみましょう。
正直に話すことで、金融機関も前向きに対応してくれる可能性があります。
なお、融資以外にも「延納」「物納」等の方法があり、いずれの方法が最善であるかは税理士などの専門家に判断を仰ぐ事をおすすめします。
無料相談等もありますので、一度検討してみてはいかがでしょうか。