「フリーランスに顧問税理士は必要?」
「フリーランスが顧問税理士に依頼するタイミングは?」
このような不安や疑問を抱えている人は少なくありません。
結論から言いますと、フリーランスであっても顧問税理士に会計を依頼することは出来ますし、正確な申告のためにもおすすめです。
フリーランスの人の中には売上も少ないし自分で出来るから必要ないと考えている人が多いのは事実です。
しかし、今はまだいいかもしれませんが、今後事業が大きくなっていくと、会計処理も複雑になってくるため顧問税理士は必要だと感じるタイミングが必ず来ます。
そこで今回は、フリーランスに顧問税理士は必要かどうかと、依頼するタイミングについて徹底的に解説しますので、ぜひ最後までご覧ください。
【目次】
フリーランスに顧問税理士は必要?
フリーランスの人に顧問税理士は必要なのでしょうか。
実はフリーランスの人が顧問税理士を付けている割合は、全体のわずか8.7%というアンケート結果が出ています。
なぜフリーランスの人が顧問税理士を付けないかと言うと、61%にも及ぶフリーランスの人が「税理士に頼む必要が無いから」と答えています。
フリーランスの場合は、法人と違って稼ぎも多くなく、経費の計算等も複雑ではないことが多い他、自分自身で確定申告や控除について勉強している人も多く、出来るだけ税理士報酬等の経費を削減したいという人も多いことが、調査結果から良く分かります。
尚、フリーランスで顧問税理士を付けている人に対して、顧問税理士に満足しているかどうか調査した結果、「非常に満足している」「満足している」「普通」と答えた人の割合が73.7%にも上り、顧問税理士を付けた場合はほとんどの人が満足もしくは問題ないと思っていることが分かりました。
調査内容を総合的に判断すると、フリーランスの人自身では顧問税理士は必ずしも必要なわけではないことが分かりますが、多くの人が顧問税理士を付けた場合に満足しており、実際に顧問税理士に依頼した方が良いのかどうかを判断することが最も大切であることが分かります。
フリーランスが顧問税理士に依頼するタイミングは?
フリーランスの人が顧問税理士に依頼するタイミングはいつでしょうか。
顧問税理士に業務を依頼すると、税理士報酬がかかります。
フリーランスは売上が大きくないことが多いため、極力経費はかけたくないという人も多いでしょう。
しかし、事業で手がいっぱいになったら無理せず税理士を探した方が良いでしょう。
フリーランスが顧問税理士に依頼した方が良いタイミングは以下の通りです。
- 売上が1,000万円を超えた
- 課税所得が600万円を超えた
- 銀行から融資を受けたい
- 法人化したい
それぞれについて詳しく解説していきましょう。
売上が1,000万円を超えた
顧問税理士に依頼するタイミングとしてよく言われるのが、売上が1,000万円を超えた場合です。
理由は、売上が1,000万円を超えると消費税の課税事業者になるためです。
消費税の納付義務が発生するほか、消費税の計算方法は複雑で素人が自分一人でやろうとするのはなかなか大変です。
事業に専念する時間が削られる他、頑張って作った申告書に誤りがあって後々指摘されるなんてことも少なくありません。
売上が1,000万円を超えた場合は、税理士に依頼することを検討しておきましょう。
課税所得が695万円を超えた
日本の所得税制度は「累進課税制度」を取っており、所得税が大きくなるにつれ税率の増加幅が大きくなります。
課税所得695万円は税率が20%から23%に変わる境目であり、ここらへんからはしっかり節税について考えておく必要があります。
顧問税理士に依頼することで、大幅な節税対策が可能ですので、税理士を付けるタイミングとして課税所得695万円を参考にしてみて下さい。
銀行から融資を受けたい
新しいことを初めて事業を拡大したい場合、自己資金が十分でない場合は融資を受けることも検討しなければいけません。
銀行から融資を受ける際には、白色申告の場合は「収支内訳書」、青色申告の場合は「損益計算書」から「貸借対照表」までの4頁の提出が求められます。
もし銀行から融資を受けたい場合は、これらの書類を税理士に作成してもらうことで信頼性が上がります。
確定申告書には税理士が記名捺印する欄がありますので、フリーランスとしては確定申告書の正確性を証明する一つの手段として利用できます。
法人化したい
売上が上がってきて、社会的信用を得たい、将来もっと拡大したい、社会保険の加入や消費税免税等のメリットを受けたいと考え、法人化を検討している人もいるでしょう。
しかし、法人化する際には今まで以上に決算をしっかり行わなければいけないため、自分一人で全てやるのは困難です。
法人化するタイミングで税理士に依頼することを検討されることをおすすめします。