「個人事業主だけど売上が上がってきたから法人化したい」
「法人化する時は顧問税理士契約をした方が良い?」
このような疑問や不安を抱えている人は多いです。
結論から言いますと、法人化の際に顧問税理士契約を結ぶのはタイミング的に良いです。
法人化には様々な手続きが必要な上、法人になれば個人事業時代にはいらなかった手続きが増えるため、自分でやるのは大変だからです。
今回は個人事業主が法人化した際に顧問税理士契約を結ぶ必要があるかどうかについて解説します。
【目次】
個人事業主の法人化の際に顧問税理士を付けた方が良い理由
個人事業主の人が法人成しようと考えている場合は、顧問税理士契約を併せて検討してみてはいかがでしょう。
法人となれば、今まで個人事業主として行っていた会計処理とは大きく変わってきますし、手続きも複雑になってきます。
また、法人成に伴う手続きも顧問税理士であればサポートしてくれるので検討する価値があるでしょう。
その他にも個人事業主が顧問税理士契約をした方が良い理由として以下が挙げられます。
- 法人設立届・青色申告の承認書の提出漏れを防ぐ
- 役員報酬を計算できる
- 源泉徴収を依頼できる
- 社会保険加入手続きを依頼できる
- 個人と法人の区別ができる
それぞれ詳しく説明していきましょう。
法人設立届・青色申告の承認書の提出漏れを防ぐ
法人設立の際には法人設立届を税務署に提出する必要があります。
また、併せて青色申告の承認書も提出するようにしましょう。
青色申告の承認書が無ければ白色申告で申告することとなりますが、白色申告では赤字分を繰り越しすることが出来なくなります。
法人化の初年度は赤字になることが多いので、その分を来期に繰り越し出来れば税金対策となります。
青色申告は白色申告と比べて特典が多いので承認書は確実に提出しておくようにしましょう。
役員報酬を計算できる
個人事業主の場合は売上から必要経費を差し引いた分が自分の所得となりますが、法人の場合は利益全てが代表者の所得になるわけではありません。
あらかじめ役員報酬(経費)として計上しておく必要があります。
また役員報酬は原則期中での変更が出来ないので、ある程度決算見込みから逆算して役員報酬を決める必要があります。
なお、役員報酬は法人成した時から3ヵ月以内に決める必要があります。
法人化の煩雑さから顧問税理士に依頼しておく方が確実で安心です。
源泉徴収を依頼できる
従業員の給料は会社で源泉徴収する義務がありますが、法人化したばかりの会社だと源泉徴収が良く分からず出来ていないケースもあります。
天引きした所得税を翌月の10月までに税務署に納付する義務がありますが、法人化したばかりの会社だと失念するケースが散見されます。
万が一源泉所得税を納付し忘れたら、不納加算税という罰金がかかりますので注意が必要です。
社会保険加入手続きを依頼できる
法人化すると、仮に役職員が社長一人であったとしても社会保険は強制加入となりますが、法人化したばかりの会社だと社会保険加入手続きを失念するケースも多いです。
万が一加入手続きを失念していたとしても、社会保険料は本来加入している時点から遡って徴収されるため、まとめて社会保険料を支払う必要があるなど資金を圧迫する可能性もあります。
顧問税理士に任せておけば当初から手続きを依頼できるので安心です。
個人と法人の区別ができる
個人から法人へ移行した際に、経費や請求書の名義が入組んで管理が出来なくなるケースがあります。
原則法人化した場合は、その後個人名義で切ってしまった領収書は経費として認められませんが、事業で利用していると分かれば経費算入できる場合もあります。
例えば個人の通帳で落ちている事業経費を法人通帳に全部まだ移行できていない場合はどうでしょう。
どこまで経費として算入できるか微妙なものは顧問税理士に相談しておく方が間違いも起こらず安心できます。
また、個人から法人化する場合は、1月~法人化までの期間の所得については個人事業主として確定申告する必要があります。
決算手続きは複雑で面倒なケースも多いので顧問税理士への依頼を検討してみてはいかがでしょうか。
まとめ
- 個人事業主が法人化した際には顧問税理士契約を検討する
- 法人化する際に青色申告の承認書の提出は忘れない
- 源泉徴収や社会保険手続きは税理士に依頼する
顧問税理士がいなくても手続きは可能ですが、銀行通帳の発行や引き落とし口座の変更、取引先への挨拶等代表者でなければ出来ない手続きが大変な上、源泉徴収や社会保険の手続きまで行うのは大変です。
また、手続きを間違いが起こると加算してペナルティを科せられる可能性もあるため、確実に法人化を行うためにも顧問税理士契約を検討してみてはいかがでしょうか。
今後事業を大きくしていく上でも顧問税理士によるアドバイスは重要となります。