「個人事業主が今すぐするべき節税って何?」
このような疑問を抱えている人は少なくありません。
結論から言いますと、個人事業主にしかできない節税方法というものが存在し、上手く利用することでお金を減らさず節税することが可能です。
そこで今回は、個人事業主が今すぐするべき節税について徹底的に紹介しますので、ぜひ最後までご覧ください。
【目次】
個人事業主の節税方法一覧
個人事業主の人が活用すべき節税の方法は以下の10個です。
- 青色申告
- 事業必要経費
- 家事按分
- 租税公課
- 少額減価償却
- 生命保険料控除
- 小規模企業共済
- 倒産防止共済
- iDeCo
- ふるさと納税
それぞれについて詳しく説明していきましょう。
青色申告
個人事業主は会社員と違い源泉徴収や年末調整されないため、確定申告しなければいけません。
確定申告には「白色申告」と「青色申告」がありますが、青色申告を選択した場合は大きな2つの特典を受けることが出来ます。
<青色申告特別控除>
青色申告を選択した場合最大65万円の特別控除を受けることが出来ます。
特別控除とは、お金を掛けずに所得を直接減らすことが出来る制度のことで、有効な節税手段です。
白色申告の場合は特別控除枠が「10万円」のみですので、効率的に節税したい場合は、青色申告を受けるようにしましょう。
<専従者給与>
また、青色申告を選択した場合、家族従業員に支払った給与を、その給与が適正な水準であれば全て経費として落とすことが出来ます。
日本の所得税は累進課税制度ですので、所得が増えるごとに税率が大幅に上がります。
世帯主一人の収入で世帯を賄うのではなく、配偶者や親族に所得を分けることで、実質世帯年収を変えずに所得税を減らすことが出来ます。
白色申告の場合の専従者給与は、配偶者が86万円、その他親族が50万円と決まっているため、大きな違いと言えるでしょう。
ただし、青色申告するには事前に税務署の承認が必要になります。
適用を受けるためには確実に承認を受けられるように注意して下さい。
事業必要経費
事業に利用した必要経費は所得から控除することが出来ます。
その事業を遂行する上で必要な経費は、例えば「文房具」「取引先との飲食代」「交通費」等も必要経費として算入することが出来ます。
家事按分
自宅を事務所として利用している場合、事務所として利用している分は光熱費や家賃を経費として落とすことが出来ます。
その場合は、事業に供している部分を計算し、自用と按分して計算することとなります。
例えば部屋の一室(約20%)を利用して事業を行っているWEBライターであれば、家賃の20%や、電気代の内20%等を経費として計上出来ます。
尚、自宅ではなく事務所を別で借りてもっぱら事業に供している場合は、その家賃や光熱費は全額経費として計上出来ます。
租税公課
実は消費税や固定資産税は経費として計上することが出来ます。
ただし、税金の中でも経費として計上出来るものと出来ないものがあるので、以下の表を参考に確認しておきましょう。
税金の種類 | 勘定科目 | |
---|---|---|
経費になる税金 |
|
租税公課 |
経費にならない税金 |
|
経費算入不可(※) |
(※)事業用の口座や現金から納める場合には「事業主貸」
少額減価償却
青色申告を選択していれば、30万円未満の固定資産については、一度に必要経費として計上できる特別優遇措置を受けることが出来ます。
生命保険料控除
生命保険料を支払っている場合、生命保険料控除の適用を受けることが出来ます。これは、会社員の人と同様です。
生命保険料控除には
- 一般の生命保険料控除(生命保険)
- 介護保険料控除(医療保険)
- 個人年金保険料控除(個人年金)
の3つの控除枠を利用することが可能で、それぞれ4万円以内、最大12万円まで所得税から控除出来ます。
小規模企業共済
小規模企業共済とは、個人事業主や小企業の会社役員の人が加入できる退職金制度です。
掛金が全額所得税から控除することが出来るため、経費で将来の年金や退職金を積み立てることが可能です。
倒産防止共済
倒産防止共済とはセーフティ共済とも呼ばれ、売掛先の倒産等に備えるためにお金を積み立てておける制度です。
倒産防止共済で積み立てた金額は全額所得税から控除になりますので、経費で事業用の資産を積み立てることが可能です。
iDeCo
iDeCoとは個人型の確定拠出年金のことです。iDeCoには3つの節税メリットがあり
- 掛け金が全額所得税から控除される
- 運用益は全額非課税で受け取れる
- 年金受取時は退職金控除や個人年金等控除の対象となる
と節税しながら資産をため、受け取ることが可能です。
会社員の人でも加入出来ますが、個人事業主の人にとっても節税手段として有効です。
尚、会社員の人は最大月額23,000円までしか積立られませんが、個人事業主の人は最大月額68,000円まで拠出することが出来ます。
ふるさと納税
ふるさと納税とは全国の市町村に寄付することで利用できる控除枠です。
ふるさと納税すると、納税額の約3割に相当する返礼品を受け取れるだけではなく、寄付金金額から2,000円を差し引いた金額が全額所得税や住民税から控除されます。
将来に支払うべきだった税金を先払いしつつ、地方の特産品を受け取れるメリットがあるので、最後の最後にまだ節税できるという人は12月中にふるさと納税することも検討してみてはいかがでしょうか。