「銀行預金の利息部分が解約した時減っていたのはなぜ?」
「銀行預金には税金がかかるって本当?」
このような不安や疑問を抱えている人は多いです。
結論から言いますと、銀行預金の利息部分に関しては利益としてみなされることから所得として課税対象となります。
それでは、どの程度利息として引かれているか、非課税制度は無いのか、疑問に思う人もいるでしょう。
そこで今回は、銀行預金の利息と税金について解説していきます。
【目次】
銀行に預金したお金には税金がかかる?
給与振込や公共料金の支払等で銀行預金を利用している人は多いです。
現在でこそ銀行預金に利息が全く付かなくなってしまいましたが、実は銀行預金には税金がかかっていることをご存じでしょうか。
銀行預金で生じた利息は例え少額であったとしても「利子所得」という所得として税金が引かれます。
【ポイント!】
銀行預金で生じた利息は「利子所得」として所得税の課税対象になる
利子所得の所得税額
利子所得は原則として、その支払いを受ける際、利子所得の金額に一律20.315%(所得税+復興特別所得税+住民税)が課税されます。
この課税は源泉徴収される(支払時に勝手に引かれる)ことから、個人で確定申告し納税する必要がありません。
では、1,000万円を定期預金して、定期預金の利息が年間1%で1年間保有していた場合の利息と税金額を計算してみましょう。
〇1,000万円×1%=10万円 利息額10万円
〇10万円×20.315%=20,315円 税金額20,315円
◎10万円-20,315円=79,685円 受取利息79,685円
税金を控除した後、受け取れる金額は79,685円になります。
現在でこそ銀行利息が少ない時代なので、あまりインパクトが無いかもしれませんが、発生した利益に対して20.315%の税金がかかるということはしっかり理解しておいた方が良いでしょう。
銀行に預金したお金に税金がかからない方法
実は、銀行預金の利息に税金がかからない制度が存在します。
- 少額投資非課税制度(マル優)
- 財形貯蓄
これらの制度を利用すれば、銀行預金の利息部分に対して税金がかかりません。
それぞれ詳しく説明していきます。
少額投資非課税制度(マル優)
利子所得の非課税制度は、少額貯蓄非課税制度(マル優)と呼ばれ、一定の要件に当てはまる人が利用できます。
少額貯蓄非課税制度が利用できる人は以下の条件に当てはまる場合です。
- 障碍者
(身体障碍手帳を交付されている人、障害基礎年金の支給を受けている人、療育手帳の交付を受けている人 など) - 寡婦等
(児童扶養手当を支給されている人、遺族基礎年金の受給者である被保険者の妻、寡婦年金の受給者 など)
これらの条件に当てはまる人は
- 非課税貯蓄申告書
- 非課税貯蓄申込書
に記入をし
- 年金証書
- 身体障碍者手帳
等の確認書類を銀行に持参し手続きすることで、非課税制度の適用を受けることが出来ます。
また、非課税の範囲は
- 銀行預金
- 郵便貯金
に関して元本の一人最大350万円の部分まで適用になります。
なお、マル優とは制度が違いますが他に「マル特」という制度があります。
マル特は
- 国債
- 地方債
以上の利付債の利息が非課税になる制度で、マル優と同様に一人最大元本の350万円までの利息が非課税になります。
財形貯蓄
財形貯蓄とは、55歳未満の会社員が給与天引きで定期に預け入れる勤労者財産形成貯蓄の内
- 財形年金貯蓄
- 財形住宅貯蓄
以上の貯蓄に限り、一人最大元本550万円までの利息が非課税になります。
なお、保険型の財形年金貯蓄に関しては、一人元本385万円までが非課税となります。
非課税枠が違うので注意が必要です。
また、保険型の財形年金に関しては本来一時所得として課税されますが、年金貯蓄の場合は例外的に利子所得として課税されます。
そのため、この掛け金に関しては生命保険料控除の対象にはならないという事も併せて覚えて起きましょう。
銀行預金よりもお得に資産を増やすには
銀行預金は利息もほとんど付きませんし、利子所得として税金が差し引かれています。
つまり資産を増やすには向いていない商品です。
そこで、他に国が用意している非課税制度の利用を検討すると良いでしょう。
代表的なのが
- 一般NISA
- つみたてNISA
- IDeCo
などです。
NISAは、投資信託など利益に対してかかる税金を一定の金額まで非課税になる制度です。
かわってIDeCoは、掛け金が全額所得控除になり、かつ運用で出た利益も全額非課税になる制度です。
一般の銀行預金では資産を増やすことが難しいため、最近は投資に興味を持ち始めた人が増えていますが、投資を検討しているのであれば非課税制度の利用も併せて検討して下さい。
まとめ
- 銀行預金の利息部分は利子所得として20.315%が課税(源泉徴収)される
- マル優制度や財形貯蓄制度を利用すれば利子所得が非課税になる
- 資産形成はNISAやIDeCoなどの非課税制度を利用する
銀行預金の利息には利子所得が課税されます。
20.315%という税率が高く感じるかどうかは人それぞれですが、せっかくもらえるお金ですから税金は少なく抑えたいものです。
国が用意した非課税制度を利用できるのであれば、積極的な利用を検討することをおすすめします。
今一度、税金がどれだけかかるのかを分析し、今後の資産形成について考え直してみてはいかがでしょう。