「決算が近い!税理士に依頼するとどんなメリットがある?」
「決算書の作成だけ税理士に依頼して良い?」
このような疑問を抱えている人は多いです。
結論から言いますと、決算書の作成のみ税理士に依頼することは可能です。
決算書の作成を税理士に依頼すると多くのメリットを受けることが出来ます。
しかし、逆にデメリットもいくつか存在しますので、それでも問題が無いかしっかり確認することが大切です。
今回は、決算書の作成を税理士に依頼するメリット・デメリットを紹介します。
【目次】
決算書の作成のみを税理士に任せるメリットは?
現在顧問税理士がいないという人も、税金計算が面倒な決算だけは税理士に依頼しているという場合があります。
では、決算書の作成のみを税理士に任せるとどのようなメリットがあるのでしょうか。
結論から言いますと以下のようなメリットがあります。
- 税理士報酬が比較的安く済む
- 決算書に税理士の署名が入る
- 定期的なやり取りが無い
それぞれについて詳しく説明してきましょう。
税理士報酬が比較的安く済む
顧問税理士契約を結ぶと、毎月税務相談や、会計についてアドバイスをもらえる反面、毎月料金を支払う必要があるため、税理士報酬が高くなってしまいます。
そこで、普段の会計処理は自分で行い決算のみ税理士に頼むことで比較的税理士報酬を抑えることが出来ます。
決算書に税理士の名前が入る
税理士が決算処理を行う場合、決算書には税理士の名前が入ることになります。
そのため、決算書は一度会計のプロである税理士が確認したという証明になり、税務署も誰もチェックせず事業者が自分で作成した決算書を出してくるよりも内容について信頼します。
定期的なやり取りが無い
顧問税理士契約を結ばなければ、定期的なやり取りがなくなります。
例えば、業務が忙しく普段税理士と面談する時間も取れないような人は、定期的なやり取りで税務相談やコンサル相談を受けられる顧問契約するメリットを感じられない可能性があります。
このようなケースの場合は特に、決算時のみ税理士に依頼する方が金銭面的にも良いでしょう。
ただし、注意してほしいのが決算に関する仕訳や帳簿上に不明点があると連絡が来るので、対応しなければいけないという点です。
仮に、連絡が来ているのにも関わらず連絡を無視したりしていると、決算処理を終えることが出来なくなりますし、最悪の場合は契約が破棄される可能性もあります。
必ず連絡は返すようにしましょう。
決算書の作成のみを税理士に任せるデメリットは?
逆に決算書の作成のみ税理士に任せた時には、どのようなデメリットがあるのでしょうか。
- 節税対策の効果は薄い
- 納税額が把握しにくい
- その他のコンサルサービスは受けられない
それぞれ確認していきましょう。
節税対策の効果は薄い
顧問税理士の最大のメリットの一つである税務相談。
特に節税に関する相談は経営者に取って知っておきたいことの一つです。
しかし、決算書の作成のみ税理士に依頼する場合は、節税対策が十分に出来ないことが多いです。
なぜなら、決算書の作成のみ依頼する場合、基本的に帳簿の数字を決算書に転記していくのみの作業となるからです。
節税は事業年度を通じて徐々に行っていくものであり、期末にまとめて十分な節税を行うことは出来ないと考えていた方が良いでしょう。
いずれにせよ、効果的な節税をしていきたいのであれば、税理士と顧問契約を結んでおいた方が間違い有りません。
納税額が把握しにくい
納税額は決算書が出来上がるまで把握することが出来ません。
しかし、顧問契約を結んで普段から帳簿を付けているのであれば、試算表(月別の簡易決算)を作ることになるので、おおよその納税額を把握することが出来ます。
特に、税金支払いを少しでも押さえたい人は、まずおおよその納税額を把握することが重要になります。
そこから節税対策をしていかなければ確実な節税効果は得られないからです。
なお、決算書の作成のみ依頼すると試算表の作成が行われないため、納税額を把握することが基本出来ません。
その他のコンサルサービスは受けられない
税理士は会計処理や税務相談だけ行う訳ではありません。
他にも
- 事業承継相談
- 融資を受けるためのアドバイス
- M&A相談
など
多岐に渡るコンサル業務を行っています。
特に銀行から融資を受ける際に、様々なアドバイスをしてくれる税理士も多いです。
銀行から融資を受けたいけれど、どうすればいいか分からないという人は、税理士に相談してみるのも手段の一つです。
まとめ
- 決算書作成のみ税理士に依頼することで税理士報酬を抑えられる
- 決算書作成のみ税理士に依頼すると節税対策等が十分に出来ない
- 税理士は税務相談だけではなく事業承継やコンサル業務も行ってくれる
事業規模もそこまで大きくなく、決算もある程度自分で出来るという人は、決算書の作成のみ税理士に頼む方が良いでしょう。
しかし、決算書作成だけではなく、会計面からサポートしてくれる人が欲しいと感じている事業者は、税理士と顧問契約を結ぶことをおすすめします。一度お近くの税理士事務所に相談してみてはいかがでしょうか。