「事業を始めたけどそろそろ1回目の決算が来る」
「決算って何すればいいの?」
このような疑問や不安を抱えている人は多いです。
結論から言いますと、決算は「事業を一年間やった成績表」と同じです。
一年間の収支と利益や、一年間でどのくらい資産・負債に変動があったかを報告する作業になります。
それでは具体的に決算の内容と、決算方法について解説していきましょう。
【目次】
決算とは何か
事業を行うと、個人事業主であっても法人であっても一年に一回必ず決算をする必要があります。
一般的に法人は「決算書」と呼ばれるものを、個人事業主は「確定申告書」と呼ばれるものを作成します(厳密に言えば、二つとも決算書であることには変わりませんが、個人事業主の場合は決算書のことを確定申告書と言い換えることが多いです。)
では、決算とはどのような意味で、どのような手続きをすることなのでしょうか。
決算とは、1年間の収入と収支を計算して、どのくらい利益や損失が出たのかを発表する手続きを言います。
そして、事業で出た利益に関して、事業税や法人税を申告するのが決算の主ば役割になります。
また、決算することで1年間の事業内容がどうだったかを総括出来るので、事業主や法人にとって非常に大切な手続きと言えるのです。
決算月はいつ?
決算には「決算月」と呼ばれる月があり、その月の末日までを一年間の事業期として計算します。
例えば、7月決算の会社の場合は期末が7月末日となりますので、その会社の事業期は「8月1日~翌7月31日」ということになります。
5月決算の会社であれば「6月1日~翌5月31日」
9月決算の会社であれば「10月1日~翌9月30日」
といった具合です。
なお、決算月は「法人の場合」自分で勝手に決めることが出来ますが、「個人事業主」の場合は12月が決算月で確定しているので注意が必要です。
【決算月】
決算月 | |
---|---|
法人 | 任意の月 |
個人事業主 | 12月(1月1日~12月31日) |
決算書の内容
決算書には
- 決算報告書
- 勘定科目内訳明細書
- 減価償却の内訳
- 確定申告書
等を作成し添付する必要があります。
決算報告書
- 貸借対照表(期末現在の資産、負債、純資産の内訳)
- 損益計算書(期首から期末の収入、支出、利益の内訳)
- 販売管理費の内訳(支出に占める経費の内訳 ※人件費、水道光熱費 など)
- 製造原価報告書(商品を製造するために要した原価の内訳 ※仕入、人件費 など)
- 株主資本等変動計算書(株主資本が黒字や赤字に連動して変動した内訳)
- 個別注記表(記帳の方法や減価償却累計額の記載 等)
勘定科目内訳明細書
- 流動資産の明細(預金、売掛金、棚卸資産 など)
- 流動負債の明細(買掛金、支払手形 一年以内に返済する借入金 など)
- 固定負債の明細(長期借入金 長期未払金 など)
- その他投資資産(有価証券 出資金 など)
なお、固定資産(建物や車両など)に関する明細は勘定科目内訳明細書には記載せず、貸借対照表に「建物〇〇円」「車両運搬具△△円」等と表記します。
減価償却の内訳
- 有形固定資産の減価償却明細(建物、車両運搬具等の減価明細)
確定申告書
- 税金の計算書類
大まかな内容ですが、それぞれの書類に記載しなければならない内容を紹介しました。
これらの書類を全て作成して、決算書を税務署に提出する必要があります。
万が一決算書の内容に相違があったりすると修正申告をする必要があり、注意が必要です。
決算書の提出期限
決算書は、決算月から2ヵ月後が納付期限となっています。
- 1月31日決算の場合は3月中
- 7月31日決算の場合は10月中
- 11月30日決算の場合は、翌2月中
といった具合です。
ただし、個人事業主の場合は12月31日決算で、2月16日~3月15日の間が申告期限となっているので注意して下さい。
決算書の作成は税理士へ相談!
決算は自分でも出来ますが、事業が大きくなって報告内容が膨大になる場合は、お近くの税理士に委託した方が間違いのない決算が出来ます。
また、税理士であれば適正な節税方法等も教えてくれますので適正申告、適正納税の手助けにもなります。
もちろん税務調査時には立会をしてくれるので、納税について心配することなく、事業に専念することが出来ます。
もし個人でやられる方は、決算作成ソフトを導入したり、管轄の税務署に決算の方法を確認するようにしましょう。
まとめ
- 決算は1年の総括。法人も個人も必ず行う
- 法人の決算月は自由に決められる。ただし個人事業主の場合は12月が決算月
- 決算書の提出期限は決算月から2ヵ月後。ただし個人事業主の場合は2月16日~3月15日の間に申告
初めての決算は分からないことだらけです。
しかし、決算は毎日つけている帳簿の総括でもあります。
会社の一年間の結果である他、経営者であれば「何が儲かって」「何が損失で」「何が無駄な経費か」知るいい機会にもなります。
まずは、自分でも決算出来るくらい、会社の財務内容について知っていることが大切です。
ただし、事業が大きくなり決算を行う余裕がないという人や、大まかな財務内容は把握しているという人は顧問税理士をつける方が手間もかからず良いでしょう。
まだ税理士を付けていない人は、一度顧問税理士を検討してみてはいかがでしょうか。