「決算書の内容について知りたい!」
「決算書にはどんな書類がついているの?」
このような不安や疑問を抱えている人は多いです。
結論から言いますと、決算書には「貸借対照表」を初めとした5つの書類から成り立っています。
それぞれ内容が違うので、これから決算を作ろうと考えている人や、他社の決算を読んでみたいと考えている人は何が説明されているのか把握しておくことが大切です。
今回は、法人の決算書に書かれている内容について説明します。
【目次】
法人の決算書はどんな内容?
会社が決算をする時に必要な決算書にはどのような書類が必要になるのでしょうか。
結論から言いますと、決算書に必要な書類は以下の5つです。
- 貸借対照表
- 損益計算書
- キャッシュフロー計算書
- 株主資本等変動計算書
- 個別注記表
それぞれについて詳しく説明していきましょう。
貸借対照表
貸借対照表とは、決算日における会社の資産と負債、純資産の割合を把握するための書類です。
左側に資産、右側に負債と純資産を起票し、左右で合計金額が合うように純資産を調整します。
資産が多い場合は純資産がプラスになり、負債が多い場合純資産がマイナスなります。
貸借対照表における資産欄は「会社がどのようにお金を使っているか」、負債・純資産欄は「会社がどこからお金を調達したか」と考えます。
その中でも負債は「他人資本(銀行借入など)」で純資産は「自己資本(資本金や利益余剰金)」となります。
純資産がマイナスの場合は、負債(他人資本)が資産を超えている状態を指し(一般的に債務超過と呼ばれる)経営状態が悪いこと表しています。
逆に純資産がプラスの場合は資産が負債よりも多い資産超過の場合は、経営状態が良いことを指しています。
貸借対照表は、決算期末の一点だけを表しているので、1年間を通じた収入と支出の内容を把握するには次に紹介する損益計算書で起票することになります。
損益計算書
損益計算書は会社の期首から期末までの収入と支出を表し、法人の収益状態を明らかにする書類となっています。
損益計算書では、一番上に「売上」を示し、そこから「売上原価」「販売管理費」を引いていき「雑収入」「雑損失」「特別利益」「特別損失」を計算した後「税引前当期利益」が算出されます。
なお、法人税は課税所得(益金-損金)に応じて法人税率がかけられ、金額が確定します。
【損益計算書内訳】
科目 | 内容 |
---|---|
売上 | 一年間の事業売上 |
売上原価 | 必要になった原価(仕入など) |
売上総利益 | ※売上-売上原価=売上総利益 |
販売管理費 | 必要になった経費(人件費、地代家賃、光熱費など) |
営業利益 | ※売上総利益-販売管理費=営業利益 |
雑収入 | 本業以外の収入(給付金など) |
雑損失 | 本業以外の支出(借入利息など) |
経常利益 | ※営業利益+雑収入-雑損失=経常利益 |
特別利益 | 固定資産売却利益など |
特別損失 | 固定資産売却損失など |
税引前当期利益 | ※経常利益+特別利益-特別損失=税引前当期利益 |
法人税 | 税引前当期利益や業種に応じて決定 |
当期利益 | ※税引前当期利益-法人税=当期利益 |
損益計算書を表記することで、会社がどこにお金を使っているのか、どこを増やしどこを減らせば利益が増えるのかを把握することが出来ます。
キャッシュフロー計算書
実は貸借対照表や損益計算書では会社の財務体質や収益体質について分かりますが、実際の現金の動きを把握することが出来ません。そこで作成するのがキャッシュフロー計算書です。
キャッシュフロー計算書では一年間のお金の流れを表しており、簡単に言えばどこでお金を調達してどこでお金を使っているのかを把握する書類です。
なお、キャッシュフローのキャッシュとは「現金」勘定だけを表すのでは無く、普通預金や3ヵ月以内に換金が可能な定期預金等、流動性の高い資産全般を指しています。
損益計算書上では「黒字」貸借対照表上では「資産超過」であっても、換金性の低い設備に投資しすぎて現金が手元に無ければ、支払能力は著しく悪くなります。
黒字倒産という言葉が有るように、キャッシュがいくら有るのかは会社にとって最も重要です。
キャッシュフロー計算書を作成することで、換金した時にどの程度現金が生まれるのか把握することが出来るのす。
なおキャッシュフロー計算書には以下の3つがあります。
- 営業活動によるキャッシュフロー:本業でどれだけキャッシュを運だか
- 投資活動によるキャッシュフロー:どれだけ投資したか
- 財務活動によるキャッシュフロー:借金の返済は行っているか
これらの違いを把握することで、更に会社の財務体質について把握できるようになります。
株主資本等変動計算書
株主資本等変動計算書とは、貸借対照表上の「純資産」割合の変化を示した書類です。
一般的には前期末の純資産から、本年の純資産の変動を計算し、今期末の純資産について計算する書類になっています。
なお、変動に関する理由(新株発行や余剰金の配当など)も示す必要があります。
また、損益計算書上の当期利益の数字は会計上直接純資産の増減要因となるため、株主資本等変動計算書にも当期利益を起票する必要があります。
個別注記表
個別注記表とは、会計に関わる重要事項や、貸借対照表や損益計算書に関わる補足説明等を示した書類になっています。
記載される代表例としては減価償却累計額や会計処理の方法などが挙げられます。
なお、個別注記表は株式非公開の会社(中小零細企業など)は作成が義務付けられていないため、作成していない場合もあります。
まとめ
- 決算では「貸借対照表」をはじめいくつかの書類を作成する
- 損益計算書では一年間の収入と支出が把握できる
- キャッシュフロー計算書では現金をはじめ3ヵ月以内に換金可能な資産について把握出来る
決算を自分で行う場合は、それぞれの書類についてしっかり把握しておくようにしましょう。
もし、これらの書類を確実に作る自信が無い場合は、会計のプロである税理士に決算書作成を依頼するようにしましょう。
決算書の作成のみ依頼することも出来ますし、顧問契約よりも安く依頼出来るのでおすすめです。