「節税するためにはどのような方法がある?」
「税理士に頼めばどんなものも経費になる?」
このような不安や疑問を抱えている人は多いです。
結論から言いますと、税理士に頼めば全部が経費になるわけではなりません。節税をすすめない税理士がいるのも事実です。
しかし、自分の判断で必要経費に算入してしまうと間違った節税で「脱税」として扱われてしまう場合もあります。
今回は、節税と税理士の関係性について紹介します。
【目次】
「節税」とは何か?
そもそも節税とは何を指しているのでしょうか。
「節税とは、法律(税法)に則った形で、支払う税金を軽減しようとする行為」のことを指しています。
つまり、事業運営上必要な経費を計上し、課税所得を圧縮することを節税と言います。
【ポイント!】
課税される所得は
売上−必要経費=課税所得
と計算されますが、この必要経費を法律の範囲内で経常することが節税です。
しかし、必要経費の対象となると思って経費計上したものが、実は対象とならない(認められない)ケースも普通にあり、「これは必要経費になるのかならないのか?」という線引きが微妙な場合は結構多いです。
もし認められない経費を計上して、課税所得を圧縮していた場合、悪質なケースだと重加算税が課せられたり、悪質でなくても修正申告して延滞税が課せられる可能性があり、慎重に対応しなければなりません。
税理士は「節税」をすすめる?
税理士は「節税」するためには契約をすべきと思われがちですが、実は節税をすすめない税理士も存在します。
なぜなら、税理士の仕事は、「適正申告」「適正納税」ですので、積極的な節税は税理士業務の二の次となっているためです。
しかし、節税できるものをせずに多くの税金を支払い続けるのは事業継続上悪影響と言わざるを得ません。
キャッシュフロー安定のためにも、税金納付は法律の範囲内で削減できるならしておくに越したことはありません。
節税を税理士に依頼する基準
それでは、節税を意識した時にどのような税理士に頼むのが良いのでしょうか。
実は、税理士の中にも節税について知識があまりない人がいるのも事実です。そこで以下の基準で税理士に依頼するのが良いでしょう。
- 知識や実績があるか
- 業界知識はあるか
- 税務調査で対応可能か
- 最新情報の更新がは出来るか
- 節税ありきではないか
それぞれ詳しく説明していきましょう。
知識や実績があるか
税理士と一言で言っても、知識や実績は人それぞれです。
持っている知識やスキルは見掛け倒しで、ふたを開けてみると全く税金対策の支援をしてくれない(もしくは出来ない)場合も多いです。
税理士試験は日本の中でも難関資格ですが、試験科目は選択性のため税法の中でも得手不得手があります。
そのため、税理士を選ぶ基準として知識や実績があるのかどうかを第一の基準としてください。
様々な顧客を対応してきた長い実績のある税理士事務所を選ぶ、周りの経営者の口コミを聞く等も一つの基準となります。
業界知識があるか
実は税理士選びで大きな指標となるのが「自社業界に知識があるか」という点です。
小売業には小売業が強い税理士、建築業には建築業に強い税理士などそれぞれに得意分野があります。
また業界ごとに経費計上の基準も違い、独自の課税・非課税制度が合ったり、独特な商習慣などもあるため、業界知識があるかどうかは税理士選びには重要な指標です。
税務調査で対応が可能か
税務調査の際に、対応してくれる税理士がどうかも税理士を選ぶ基準になります。
税務調査でしっかり戦ってくれる税理士でなければ、せっかく節税しても、かえって重加算税や延滞税がかかるだけになってしまいます。
税務調査には税理士が立ち会うことが認められていますので、立ち合いをしてくれるかどうかも選ぶ基準としては重要です。
最新情報の更新が出来るか
税法や税制は日々変化しています。最新情報への更新を怠らない税理士でなければ、間違った税法に基づいて申告してしまう可能性もあります。
間違った申告は修正申告、悪意がある場合はペナルティも課せられますので注意が必要です。
節税ありきではないか
「節税ありきの税理士の方が良いのでは?」
と思う人も多いでしょう。
ですが、なんでも節税ありきではかえってデメリットを受ける可能性もあります。
やろうと思えば節税で会社を赤字にすることも可能です。
しかし、毎期赤字計上していれば体外的な信用は下がりますし、銀行もお金を貸してくれなくなります。
税金は支払わなくていいかもしれませんが、会社の将来を考えるのなら本末転倒と言わざるを得ません。
しっかり会社のことを考えてアドバイスしてくれる税理士を選ぶようにしましょう。
まとめ
- 税理士の仕事は「適正申告」「適正納税」
- 必要経費の判断は会計のプロである税理士に依頼する方が確実
- 税制をしっかり把握し業界独自の最新情報などを更新している税理士を選ぶ
節税は会計のプロである税理士でも判断が難しい場合があります。独自の判断で経費計上するのは危険な場合が多いです。
税理士に依頼する場合は、業界の知識をしっかり持っており信頼できる人に依頼するようにしましょう。
誤った節税はペナルティを受ける可能性があるので注意が必要です。