「事業承継補助金を利用したいけれど流れについて教えてほしい」
このような不安を抱えている人は少なくありません。
結論から言いますと、事業承継補助金を受ける際にはいくつか手続きがあり、それらの流れをしっかり抑える必要があります。
面倒に思われがちですが、しっかり理解すれば申請まで問題なく行えます。
この記事で事業承継補助金の流れについて説明していきますので、確認しておきましょう。
【目次】
事業承継補助金申請の流れ
事業承継補助金を受けるための申請の流れについて説明します。
補助金は以下の流れで進んでいきます。
- 事前準備
- 事業承継補助金の申請
- 事業承継補助金の採択
- 事業承継補助金の交付決定
- 事業承継補助金の受領
それぞれについて詳しく説明していきます。
事前準備
事業承継補助金の申請には事前準備をどれだけ出来るかが重要になります。
<補助金の内容確認>
公募要領をしっかり読むのはもちろんのこと、提出用の資料のテンプレートを見ておく事や、必要な記載内容についても把握しておくことが重要です。
<認定支援機関の確認>
また、本補助金は認定経営革新等支援機関へ相談し、支援機関と共に申請書を作成することが望ましいです。
認定支援期間は金融機関や税理士事務所等が該当します。
中小企業庁のホームページに認定経営革新等支援機関の一覧がありますので、参考にしてみて下さい。
尚、認定経営革新等支援機関一覧はEXCELシートとなっており、中小企業庁ホームページにて都度追加されている事から、古い情報を確認することが無いようにして下さい。
<GビズIDのアカウント確認>
本補助金は電子申請により行います。
電子申請をするためには事前にGビズIDのアカウントを取得しておく必要があります。
アカウントの取得は以下のホームページより可能ですので、事前に確認しておきましょう。
事業承継補助金の申請
認定経営確等支援機関と共に申請書の作成が終わったら、公募期限内に電子申請により申請を行ってください。
尚、必要書類等の添付漏れや、書類不備が発生した場合は審査が行われない可能性がありますので、申請前にしっかり内容を確認しておくようにしましょう。
事業承継補助金の採択
事務局で審査が行われ、採択結果が通知されます。
採択結果は採択の諾否に関わらず事務局より通知が届くようになっています。通知は申請マイページに届きますので結果を待ちましょう。
尚、採択された場合、決定通知の他に中小企業庁のホームページや事業承継補助金のサイト上で、事業者名と共に公表されることとなります。
事業承継補助金の交付決定
採択決定後、補助金の受領が確定することとなります。
ここで注意すべき点は補助金が実際に受け取れるのは補助事業が完了した後、つまり本補助金を利用して行いたい取り組みが完了した後になります。つまり、本補助金は後払いということになります。
必要な費用は補助金受領前に支払う必要があり、事務局へ支払明細の送付が必要となります。
また、補助金を受けるためには、採択決定後速やかに補助事業を開始し、完了後30日を超えない範囲で事務局へ実績報告を通知する必要があります。
先だって必要経費の支払が始まってしまうため、銀行等の金融機関を認定経営革新等支援機関として利用した場合、その金融機関から繋ぎ融資を借りるような手続きをするのが良いでしょう。
事業承継補助金の受領
補助金の交付手続きが完了してから2ヵ月~3ヵ月後を目安に、事業承継補助金の事務局より補助金の交付がされます。
尚、本補助金は、補助金の交付決定後5年間、事業化状況報告書等の報告を行うことが義務付けされています。
補助金を貰って終了という事にはなりませんので、報告書等漏れの無いように申告をするようにしましょう。
事業承継補助金申請の注意点
事業承継補助金を申請する際には以下の点に注意するようにしましょう。
- 事業承継補助金の加点ポイントについて
- 申請要件について
- 事業の発展や新規取り組みについて
- 審査条件について
- 補助金の後払いについて
<加点ポイント>
実は事業承継補助金には申請の際に加点ポイントとなる項目があります。
- 債権放棄等の抜本的な金融支援を含む事業再生計画を策定している
- 「中小企業の会計に関する基本要領」または「中小企業の会計に関する指針」の適用を受けている
- 交付申請時に経営力向上計画の認定を受けている
- 地域経済への貢献(料内容から貢献度を計測)
以上に該当する場合、審査の際の加点項目として扱われます。
<申請要件>
事業承継補助金事務局が定める申請要件に合致しているかは事前に確認しておきましょう。
申請要件については、別記事で詳しく解説しています。
<事業の発展や新規取り組み>
本補助金は事業の発展や新規取り組みに資するもので無くてはなりません。
これらの事業を行い、事業の実績報告を行うことで補助金が交付されるという点に注意しましょう。
これらに該当しない経費は補助対象外としてみなされます。
<審査条件>
審査では以下の点に妥当性があるか判断されます。
- 商品、サービスのプロセスが明確かどうか
- 事業全体の収益性に妥当性があるかどうか
- 事業全体の収益性に信頼性があるかどうか
- 事業実施のスケジュールに妥当性があるかどうか
<後払い>
本補助金は後払いですので、事前に補助実施にかかる費用の原資は確保しておきましょう。
認定経営革新等支援機関からの融資をはじめ、自己資金対応等、妥当性のある計画を練る必要があります。
まとめ
- 補助金申請前に公募要領や認定支援機関を確認しておく
- 補助金は後払いのため事業完了後に交付される
- 補助金申請の際には加点ポイントを押さえておく
補助金申請を検討されている人は、税理士事務所か金融機関にまず相談してみて下さい。
その上で、自社が該当するのか、申請書をどうやってく作るべきかを検討する必要があります。
事業承継補助金は最大で1,200万円まで補助されることから、事業承継補して新たな取り組み等検討されている人は、一度本補助金についても検討してみてはいかがでしょうか。