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タンス預金はバレる?相続税申告でタンス預金を隠し通すことは出来るのか?

タンス預金はバレる?相続税申告でタンス預金を隠し通すことは出来るのか?

「タンス預金はバレる?」
「相続税申告でタンス預金を申告しないことは可能?」

このような疑問や不安を抱えている人は少なくありません。

まず、タンス預金とは、銀行口座に入れていない、自宅で保管しているお金のことです。

銀行口座に入金されていないため、タンス預金の存在については税務署が把握することが難しく、このような第三者が知りえない預金について相続税の申告をしないで租税を免れようとする人がいます。

申告しないまま時間が経過すれば、相続税の時効により租税を回避することが出来ます。

しかし、実際相続税申告でタンス預金はバレるのでしょうか。

そこで今回は、皆さんの疑問や不安を解決すべくタンス預金と相続税申告について解説していきます。

ぜひ最後までご覧ください。

相続税申告でタンス預金はバレるのか?

相続税申告でタンス預金はバレるのでしょうか。

結論から言うと、バレる可能性が高いです。その上、時効を援用して逃げ切ることは難しいでしょう。

詳しく解説していきます。

相続税の時効

まず、相続税の時効について説明します。

相続税の申告・納税に関しては「善意なら5年、悪意なら7年」で時効が完成します。

善意とは恣意的ではないという意味で、悪意は恣意的に脱税をしようとしている場合です。

例えば以下のような例が悪意の代表的な例です。

  1. わざと申告しなかった
  2. 申告しないといけないことは知っていたが、申告期限が過ぎていた
  3. 相続財産を隠した など

ここで注意したいのが、2番のように一見「申告期限を忘れていただけ」という場合であっても悪意であると判断されるケースがあるという事です。

税金は「忘れていた」では済まされないという事ですね。

尚、時効の起算日は「相続税の申告期限」となっています。

つまり、相続開始を知った日の翌日から数えて10ヵ月目となります。

悪意を持って時効を完成させようとする場合は、7年10ヵ月必要となるので、時効成立は決して簡単なことではないことが分かります。

時効で逃げ切るのはまず不可能

税務署はある程度、被相続人の資産を把握することが出来ます。

特に不動産などの財産を持っている人であれば、固定資産明細や、過去の確定申告から、おおよその資産額は簡単に分かってしまいます。

また、市町村役場に死亡届を提出した場合は管轄の税務署に死亡の通知が行くことになっているので、税務署に被相続人の死亡がバレないことはまずありえません。

税務署は疑わしい相続人に対して、「相続税についてのお尋ね」という文章を送付します。お尋ねが届くということからも、ある程度税務署には把握されていると考えていた方が良いでしょう。

タンス預金がバレる理由

税務署にタンス預金がバレる理由は「実地調査」が行われるためです。

実地調査とは直接相続人と面談することで、通帳や印鑑などが調べられます。

預金通帳に関しては過去10年分遡って調べられます。

預金通帳から払い出された預金が、振込など資金の移動先が分かっていれば問題ないですが、現金で払いだされ、資金の流れが把握できないお金は、タンス預金を疑われる可能性が高いです。

特に一括で多額の現金を引き出している場合は脱税を疑われやすくなります。

また、少額であっても何年にも亘って現金を引き出している場合も同様に疑われるため注意が必要です。

現金の引き出しに関しては、税務署からの質問に合理的な説明をしなければいけません。

資金使途を答えることが出来なければタンス預金を疑われてしまいます。

タンス預金を申告しなかった場合

タンス預金を申告しなかった場合で、脱税がバレると重いペナルティーが科せられます。

  • 無申告加算税
  • 過少申告加算税
  • 延滞税
  • 重加算税

それぞれについて詳しく説明していきましょう。

無申告加算税

無申告加算税は「申告期限までに確定申告しなった場合」に加算される税金です。

無申告加算税の税率は、納付すべき税額のうち50万円までは15%で、50万円超の部分については20%と決まっています。

無申告加算税は税務調査で指摘される前に自主的に納付すれば軽減されます。

過少申告加算税

過少申告加算税は「申告した納税額が実際の納税額よりも少ない場合」に加算される税金です。

過少申告加算税の税率は納付すべき税額のうち50万円までは10%で、50万円超の部分については15%と決まっています。

延滞税

延滞税は、申告期限までに納付されない時に加算されます。こちらは、納付すべき本税に税率を乗じて加算されます。

  • 納期限の翌日から2か月以内の部分…年2.5%
  • 納期限の翌日から2か月を超えた部分…年8.8%

重加算税

租税を逃れようと悪意を持って申告をしなかった場合や、脱税を目的に過少に申告した場合などは更に重い重加算税が科せられます。

  • 過少申告した場合…35%
  • 無申告の場合…40%

また、悪意を持った脱税は、刑事罰に処される可能性もあるため絶対にやめましょう。

タンス預金もしっかり申告する

タンス預金をすることに関しては問題ありませんが、税務署にバレないだろうと思って相続税を無申告のままでいるのはやめましょう。

バレた時のリスクが大きく、加算税を考えると真面目に申告した方が安く済みます。

7年も不安になりながら時効を待つくらいならば、まじめに申告しておくことをお勧めします。

タンス預金について少しでも不安がある人は、税金のプロである税理士に一度相談してみるのが良いでしょう。

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