「相続税の申告が遅れたら延滞税がかかるって本当?」
「延滞税の計算はどうやってすればいい?」
このような疑問や不安を抱えている人は多いです。
結論から言いますと、相続税の申告が遅れた場合は、完納するまでの間延滞税がかかります。
また、延滞した理由によっても加算税が課せられ、普通に申告した場合よりも多く税金を支払う必要があるため注意が必要です。
今回は、相続税の延滞税の計算方法について解説します。
【目次】
相続税で延滞税が課される条件
相続税は相続開始を知った日(被相続人が死亡した日)の翌日から10ヵ月以内に申告する義務があります。
つまり、その日を超えたのにも関わらず相続税の申告をしなかった時に延滞税が加算されます。
なお、相続税の課税財産があるにも関わらず申告しなかったのみならず、申告はしたけれども正確な申告では無い場合(まだ課税財産がある場合)は、修正申告するまでの期間に対して延滞税が加算されるため注意が必要です。
相続税の延滞税の計算方法
では、相続税の延滞税はどのように計算されるのでしょうか。
相続税の延滞税は以下の公式に当てはめて計算することが可能です。
【ポイント!延滞税の計算方法】
納税額×延滞利率×滞納日(滞納開始から完納するまでの日数)×365日
※完納しなければ、引き続き延滞税が加算される事に注意して下さい
また、延滞利率については以下のようになっています。
【延滞利率】※令和3年1月1日以降
納付期限 | 延滞利率 |
---|---|
納付期限から2ヵ月以内 |
いずれか低い方 |
納付期限から2ヵ月超 |
いずれか低い方 |
※延滞税特例基準割合とは、各年の前々年の9月から前年の8月までの各月における銀行の新規の短期貸付約定平均金利の合計を12で除して得た割合として各年の前年の11月30日までに財務大臣が告示する割合に、年1%の割合を加算した割合の事。
相続税の申告ミスにより延滞税に加算されるケース
相続税の申告内容にミスがあり、正確な申告に修正するまでの間の期間にも延滞税がかかります。
この延滞税は、先ほど紹介した延滞税とは別で「加算される」ものになっているので注意が必要です。
なお、この期間の延滞税は、申告のミスした内容によって加算される税額が変化します。
- 過少申告加算税
- 無申告加算税
- 重加算税
以上の3つについてそれぞれ詳しく解説していきましょう。
過少申告加算税
過少申告加算税とは、申告した税額が本来の税額より少なく申告してしまった場合に加算される延滞税です。
一般的には税務調査等で明らかになり、修正申告するケースが多いです。
過少申告加算税は以下の計算方法で計算されます。
【ポイント!過少申告加算税の計算方法】
追加の納税額×年10.0%×延滞日数÷365日
また、過少申告加算税に加えて、延滞税も追加で加算されます。
自主申告した場合
税務調査等で発覚して修正申告した場合は、過少申告加算税は課税されないため、延滞税のみの納付で大丈夫です。
もし申告内容に不安がある場合は自主申告した方が無駄に税金を支払う必要がないので、一度見直ししてみることをおすすめします。
無申告加算税
無申告加算税とは、申告すべき相続財産があるのにも関わらず申告をしなかった際に加算される税金です。
無申告加算税の税率は、自主的に申告するケースと、税務調査によって申告するケースで税率が変わってくるので注意が必要です。
【無申告加算税】
自主的に申告した場合
納税総額×5%×延滞日数÷365日
税務調査によって申告した場合
納税総額×15%×延滞日数÷365日
無申告加算税は、税務調査が入るまで申告しなかった場合は通常よりも10%多く税金が加算されるため、「本当に自分は相続税の申告が不要なのか?」と不安がある人はお近くの税理士に相談するなど対策を取った方が良いでしょう。
重加算税
重加算税とは、相続税の申告があると分かっていながらも申告しなかったケース、つまり悪意を持って財産を隠ぺいしていた場合に加算される税金です。
こちらも自主申告した場合と、税務調査で発覚した場合で納税額が変わるため注意が必要です。
【重加算税】
自主的に申告した場合
納税総額×35%×延滞日数÷365日
税務調査によって申告した場合
納税総額×40%×延滞日数÷365日
重加算税が課せられると最大で40%もの税金が加算されます。
重加算税に併せて延滞税も取られるため、相続税の申告は正確にするようにしましょう。
まとめ
- 相続税の申告期限を超えてから完納するまでの間延滞税がかかる
- 延滞した理由によって加算税も課せられ、割合も変わる
- 重加算税は最大で40%もの税金がかかる
相続税は申告することが全てではありません。正確に申告することが大切です。
もし申告内容に誤りがある場合は、納付期限が切れている場合延滞税がかかるので注意して下さい。
ただし、誤りがあると分かっていながら修正しないことの方が結果税金を多く支払う事になるので、正確な申告を心掛けるようにしましょう。
相続税の申告で不安がある人はお近くの税理士に相談してみることをおすすめします。
無料相談などもあるので、一度検討してみて下さい。