【目次】
所得控除の名称と各内容
令和4年4月1日時点での所得控除は以下の15種類となっています。
- 雑損控除
- 医療費控除
- 社会保険料控除
- 小規模企業共済等掛金控除
- 生命保険料控除
- 地震保険料控除
- 寄附金控除
- 障害者控除
- 寡婦控除
- ひとり親控除
- 勤労学生控除
- 配偶者控除
- 配偶者特別控除
- 扶養控除
- 基礎控除
それぞれ順番に解説していきましょう。
雑損控除
雑損控除とは、「災害」「盗難」「横領」など、日常的に起こってしまった様々な損害に対して適用される控除です。
「災害」とは、台風や落雷などの自然災害や、火災や爆発などの人的被害、盗難や従業員による横領被害なども控除対象となります。
医療費控除
医療費控除は、医療費が一定金額を超えた場合に適用できる所得控除です。
自らの医療費の他、扶養する家族の医療費を支払った場合も控除の対象となります。
尚、医療費控除は治療に要した費用にのみ対象となるため、日常生活における健康増進のためのサプリなどは対象外です。
ただし、病院へ通う交通費などは対象となります。
社会保険料控除
社会保険料を支払った場合、支払った全額が所得控除の対象となります。
社会保険とは「国民年金」や「国民健康保険」などが対象です。
尚、子供の社会保険料を親が支払った場合、親の所得控除として申請できます。
小規模企業共済等掛金控除
小規模企業共済等掛金控除とは、小規模企業やフリーランスの人などが、自らの年金や退職金を自ら積み立てるために作られた制度です。
小規模企業共済やiDeCoなど自助努力による年金形成に支払った金額が、全額所得税から控除されます。
生命保険料控除
生命保険料控除は「介護医療保険料」「生命保険料」「個人年金保険料」を支払った場合に適用される控除の事です。
控除の計算方法は旧契約(平成23年12月31日以前に締結)と新契約で変わりますが、控除金額は最大で12万円となっています。
地震保険料控除
地震保険料を支払った場合適用される所得控除です。控除金額は最大で5万円となっています。
尚、火災保険に控除は原則適用されませんので注意してください。
寄附金控除
ふるさと納税をはじめとした地方公共団体への寄付や、公益法人や公益財団法人などに支払った寄付金のうち、一定額が所得税から控除されます。
障害者控除
障害者を扶養している場合に受けられる所得控除です。障害者控除は、障害者の区分によって控除金額が異なりますが、最大で75万円分控除することができます。
寡婦控除
寡婦控除は「配偶者と離婚・死別」している場合に適用される所得控除です。
一度も結婚していないひとり親は寡婦控除を適用することができないため注意が必要です。
ひとり親控除
寡婦控除の問題点であった「未婚のひとり親」への不公平を撤廃するために、令和2年に施行された新しい所得控除です。
ひとり親控除は、男親女親などの性別を問いません。
原則として控除を受ける年の12月31日時点で、婚姻していないで、以下の3つの要件を全て満たす場合に適用されます。
- 婚姻関係と同様の事情にあると認められる人が居ないこと
- 生計を一にする子どもが居ること
- 合計所得金額が500万円以下であること
要件にすべて当てはまった場合、一律35万円の所得控除が受けられます。
勤労学生控除
高校生や大学生でアルバイトしている人は勤労学生控除の適用を受けられます。
勤労学生控除を受けるためには
- 所定の学校に通っていること
- 合計所得額が75万円以下で、給与所得以外の所得が10万円以下であること
- 給与所得などの所得があること
が要件となります。
勤労学生控除を受ける場合、給与所得控除や基礎控除と合わせると年間130万円まで非課税で収入を得られます。
配偶者控除
配偶者控除とは、年間48万円以下の所得の配偶者がいる場合に適用できます。
以下の5つの要件が当てはまる人は申請するようにしてください。
- 納税者本人の合計所得金額が1,000万円以下
- 民法の規定による配偶者であること(内縁関係の人は該当しない)
- 納税者と生計を一にしていること
- 配偶者の年間合計所得金額が48万円以下であること(給与のみの場合は給与収入が103万円以下)
- 青色申告者の事業専従者、その年を通じて一度も給与の支払いを受けていないこと、または白色申告者の事業専従者でないこと
配偶者特別控除
配偶者の年収が48万円超133万円以下の場合に適用できる所得控除です。
適用要件は配偶者控除とほとんど同じですが、適用するための所得金額が重ならないため併せて申請することはできません。
扶養控除
扶養控除とは、扶養する家族がいる場合に利用できる所得控除です。
所得控除の最大金額は63万円で、扶養親族の区分や年齢によって変化します。
基礎控除
基礎控除は年間所得合計額が2,500万円以下の場合、要件なく全員が受けられる控除の事です。
尚、控除金額は所得によって変化します。
合計所得金額 | 控除額 |
---|---|
2,400万円以下 | 48万円 |
2,400万円超2,450万円以下 | 32万円 |
2,450万円超2,500万円以下 | 16万円 |
2,500万円超 | 0円 |