「お金配りで当選した!でも税金ってかかるの?」
このような疑問や不安を抱えている人は少なくありません。
結論から言いますと、お金配りで当選した場合は「贈与税」や「一時所得」の課税対象となります。
しかし、課税対象となっても実際に支払う必要があるかどうかは別問題ですので、課税分がいくらになるのかは計算する必要があります。
前澤友作社長(株式会社スタートトゥデイ)のお金配りをはじめ、近年SNS上で盛り上がりを見せているお金配りですが、そこに関わってくる税金について把握することも重要です。
【目次】
お金配りで手に入れたお金に税金はかかる?
お金配りで手に入れたお金は「誰からもらったものか」の違いについて、課税される所得区分が変わってきます。
- 個人が個人へプレゼントする
- 企業が個人へプレゼントする
- 報酬として個人へ渡す
以上の3つのパターンについて解説していきましょう。
個人が個人へプレゼントする
個人が個人へお金を配る場合は、個人間の「贈与税」として扱われます。前澤友作社長のお金配りはここに該当します。
贈与税は「暦年贈与制度」を利用できますので、前澤友作社長の「1人100万円差し上げます」企画のお金配りは全額所得控除されることから、税金支払いは0円になります。
【暦年贈与制度】
毎年1月1日から12月31日までの1年間の贈与額が110万円以下であった場合に、贈与税がかからない制度
尚、暦年贈与制度は贈与を受ける側の話ですので、前澤友作社長以外からもお金配りに当選したり、親族からお金をもらい受けたりした場合などで合計110万円を超える場合は、超えた分に関して贈与税が課税されるため注意が必要です。
- 暦年贈与制度の贈与税額の計算
1年間で贈与を受けた総額-110万円=課税所得
贈与税の課税所得は以下の表のとおり課税されます。
【一般贈与財産用】
110万円控除後の価格 | 税率 | 控除額 |
---|---|---|
200万円以下 | 10% | - |
300万円以下 | 15% | 10万円 |
400万円以下 | 20% | 25万円 |
600万円以下 | 30% | 65万円 |
1,000万円以下 | 40% | 125万円 |
1,500万円以下 | 45% | 175万円 |
3,000万円以下 | 50% | 250万円 |
3,000万円超 | 55% | 400万円 |
尚、贈与税には一般贈与財産用以外に特例贈与財産用と呼ばれる直系尊属からの贈与のみに適用できる税率が優遇されたものもあります。具体的には税理士に相談することをおすすめします。
企業が個人へプレゼントする
企業が広告効果を兼ねて個人にお金を配る場合は、一時所得として計算されます。
一時所得の具体的な例は
- 懸賞や福引の賞金品
- 競馬や競輪の払い戻し金
- 生命保険の一時金
- 法人から贈与された金品
- 遺失物取得者や埋蔵物発見者の受ける報労金等
等が挙げられます。
一時所得は以下のような考えに基づいて区分されます。
【一時所得】
一時所得とは、営利を目的とする継続的行為から生じた所得以外の所得で、労務や役務の対価としての性質や資産の譲渡による対価としての性質を有しない一時の所得
※引用 国税庁
尚、一時所得の課税所得は受け取った金額から50万円の特別控除を控除することで求められます。
- 一時所得の計算方法
一時所得金額-50万円(特別控除)=課税所得
課税所得から以下の表に基づき税金額を計算することになります。尚、一時所得は総合課税されるため、一時所得以外に所得(給与所得や事業所得など)がある場合は課税額が変わることに注意して下さい。
【所得税額計算表】
課税所得金額 | 所得税率 | 控除額 |
---|---|---|
195万円未満 | 5% | 0円 |
195万円超 330万円未満 | 10% | 97,500円 |
330万円超 695万円未満 | 20% | 427,000円 |
695万円超 990万円未満 | 23% | 636,000円 |
900万円超 1,800万円未満 | 33% | 1,536,000円 |
1,800万円超 4,000万円未満 | 40% | 2,796,000円 |
4,000万円超 | 45% | 4,796,000円 |
報酬として個人へ渡す
副業や何かの報酬(講演料・原稿料・ネットオークション売上など)を受け取った場合は、雑所得として課税されます。
【雑所得】
雑所得とは、利子所得、配当所得、不動産所得、事業所得、給与所得、退職所得、山林所得、譲渡所得及び一時所得のいずれにも当たらない所得をいい、例えば、公的年金等、非営業用貸金の利子、副業に係る所得(原稿料やシェアリングエコノミーに係る所得など)が該当する
※引用 国税庁
雑所得として課税される金額においては、総収入額から収入を得るのにかかった経費を差し引いた金額が課税対象となります。
- 雑所得の計算方法
雑所得金額-必要経費(※)=課税所得
(※)必要経費は、講演を開催するのにかかった事務所代などが当たる
尚、雑所得も一時所得と同様に総合課税制度の対象です。給与所得や事業所得がある場合は計算方法が複雑になるので注意が必要です。不安のある人は税理士に相談するようにしましょう。
まとめ
- 個人から個人へのお金配りは「贈与税」の対象
- 企業から個人へのお金配りは「一時所得」の対象
- 報酬の対価として受け取ったお金は「雑所得」の対象
お金を受け取った時の状況に応じて課税区分が変わってきます。
それぞれの課税区分により税金の計算方法が大きく変わってきます。
同じ100万円受け取った場合でも、贈与税であれば非課税でも一時所得や雑所得では税金がかかる点にも注目しなければいけません。
税金の計算に不安のある人は、一度お近くの税理士に相談するのが良いでしょう。無料相談会などを利用して尋ねてみることをおすすめします。