「贈与がばれる理由は何?」
「贈与がばれなければ、贈与税の申告は不要?」
このような疑問を抱えている人は少なくありません。
結論から言いますと、贈与は必ずばれます。
贈与そのものがばれなければ、贈与税の支払いをしなくていいと考える人も多いかもしれませんが、原則贈与はばれると思っていた方が良いでしょう。
実は贈与がばれる理由はいくつかあります。
今回は、贈与がなぜばれてしまうのか?ばれる理由と具体的な内容について解説します。
【目次】
贈与税の無申告がばれる理由
贈与税は、1月1日~12月31日の1年間に贈与を受けた場合、翌年の2月1日~3月15日の間に申告することが義務付けられていますが、贈与税の申告まで1年を超えるケースもあり申告を忘れてしまうこともあります。
悪質な場合は知っていながら無申告でいたりする場合もあります。
しかし、贈与税の無申告は基本的にばれると思っていた方が良いでしょう。
ではどのような場合にばれるのか、今回はいくつかケースを紹介しつつ説明していきます。
不動産の贈与
不動産はその権利関係を明確にするために「登記」を行います。
不動産の登記が変われば、その内容は登記を管轄する法務局から税務署に提供されます。
つまり、不動産の贈与は税務署に筒抜けになっていると思っていた方が良いでしょう。
これは、不動産を現物でもらっただけではなく、資金の援助を受けて不動産を購入した場合も同様にばれてしまう可能性が高いです。
実は、税務署は登記情報を基に、不動産を購入した人に「お尋ね」と呼ばれる文章を送ります。
お尋ねの文章には
- 不動産を購入した人の職業や年収
- 不動産の所在地、不動産の売主の名前、購入金額
- 購入資金の調達方法
などが記載されています。
回答は任意となっていますが、回答しないと変に疑われる可能性があり、回答内容に不審点があっても調査対象とされる可能性があることから注意が必要です。
基本的に不動産の贈与で申告が不要になるケースはほとんどないことから、確実にばれると思っていた方が良いでしょう。
現預金の贈与
現金預金の贈与は、贈与時にばれなくても相続時にばれることがよくあります。
贈与者の死亡届を市町村役場に提出すると、実は市町村役場から税務署に通知がいくことになっています。
税務署はその通知を基に、死亡した人物の過去の情報から相続税が発生するかどうか可能性を調査します。
調査の過程で現預金の入出金が発覚すれば、相続人に確認することとなります。仮にその資金の流れが仮に贈与に当たるのであれば、遡って贈与税が課税されます。
支払調書で贈与がばれる
支払調書で贈与がばれるケースもあります。
支払調書で贈与がばれるのは
- 保険金
- 貴金属の換金
- 海外送金
などが代表的なものとして挙げられます。
保険金
保険金は、保険会社が税務署に支払調書を出して内容を報告します。
支払調書が発行される基準は以下の通りです。
- 死亡保険金、満期保険金、解約返戻金が1回あたり100万円を超えるケース
- 年金給付金が年間20万円を超えるケース
- 死亡による契約者の変更があったケース
支払調書には契約者の氏名や住所が全て記載されているので、贈与税の申告をしない場合は支払調書による調査によって必ずばれてしまいます。
貴金属の換金
貴金属をもらった場合は税務署に通知はいきませんが、換金した場合は税務署に支払調書が発行されます。
基準は以下の通りです。
- 1回の取引金額が200万円を超えた場合
海外送金
勘違いしている人も多いですが、海外にいたら贈与税を支払わなくていいわけではありません。
実は、財産をあげる人が国内にいると、財産をもらう人が仮に海外にいても贈与税の支払義務が生じます。
そして海外送金の場合も支払調書が発行されます。基準は以下の通りです。
- 1回当たりの100万円を超える資金を海外送金する場合
ここで注意したいのが、留学費用などの「教育費」「生活費」などは“通常必要とされる範囲”であれば、贈与税の対象とはならないという点です。
もし、送金内容が生活に係るものであるならば、仮に税務署から問い合わせがあった場合でも問題ありません。
オークションの落札
オークションで高額の落札があった場合も、税務署の調査が入る可能性があります。
調査内容は、高額商品をどうやって購入したのか?という点です。
実は、その商品を買った原資が誰かからの贈与ではないかと疑いがかかるケースがあります。
オークションは匿名で行われることから、資金の原資や移動が分かりにくく、脱税で利用されるケースが実は多いのです。
しかし、税務署はオークションサイトの運営元に落札者に関する情報を取得出来ることから、仮に疑わしい取引がある場合としてみなされた場合はばれてしまうと思っていた方が良いでしょう。
オークションをはじめ、どんなケースであっても基本的に贈与による資金の流れはばれます。
特に大きなお金が動く場合で、ばれないで無申告でいることは不可能であると思っていた方が良いでしょう。