「キャッシュフロー計算書って何?」
「資金調達にキャッシュフロー計算書の作成が必要ってホント?」
このような疑問や不安を抱えている人は少なくありません。
結論から言いますと、キャッシュフロー計算書は資金調達する上で、正確な資金使途や必要金額を把握するために必要な書類になります。
尚、キャッシュフロー計算書は、作成が義務付けられている訳ではないので、今まで作ったことないという企業も多いです。
しかし、キャッシュフロー計算書の重要性をしっかり理解すれば、今後作っておいた方が良いことが分かると思います。
今回は資金使途とキャッシュフロー計算書の関係性について紹介します。
【目次】
キャッシュフロー計算書とは何か
キャッシュフロー計算書は、実際の資金の動きを表したもので、簡単に言えば「会社にどれだけ現金があるか」を示した書類になります。
キャッシュフロー計算書の作成は上場企業のみ義務付けられていますが、中小企業であっても創業当初から作っておくことが望ましいです。
貸借対照表や損益計算書では実際の資金の流れを把握することが出来ません。
実は、会社運営では「利益が出ているか?」よりも「現金があるか?」の方がとても重要になります。
なぜなら、会社は現金が無くなった時に会社は倒産するためです。
キャッシュフロー計算書を作っていない人は、顧問税理士契約をするなど、今後事業拡大を図る観点からも対策しておいた方が良いでしょう。
キャッシュフロー計算書が必要な理由
キャッシュフロー計算書が必要な理由は、実際の現金の流れを簡単に把握できるためです。
損益計算書では、売上から原価と経費を差し引いて利益を出しますが、利益が出ているからといって現金が生まれているとは限りません。
具体的な例で説明していきましょう。
<損益計算書 例>
売上(内売掛金100万円含む) | 1,000万円 |
---|---|
売上原価(減価償却費無) | 500万円 |
販売管理費(減価償却費無) | 400万円 |
利益 | 100万円 |
※金融機関借入金返済 月10万円
以上の会社では、利益が100万円出ていますので、決算上では黒字で決算しています。
しかし、金融機関借入金返済が月10万円あることで、年間120万円現金が出ていくことになることも分かります。
そうなれば、100万円の利益では金融機関の借入金を返済出来ません。つまり「黒字倒産」の可能性が出てきます。
また、売上1,000万円の中にも売掛金が100万円含まれているのが分かりますが、売掛金はまだ手元に現金がない状態ですので、売掛金100万円が入金になるまで資金が無い状態になる懸念もあります。
売掛債権が発生していても金融機関の借入や、仕入れした代金などは先に支払わなければいけません。
つまり決算上は黒字になっていても実際の現金の動きは全く別の動きをしていることが分かります。
実際の現金の流れが分かるキャッシュフロー計算書を作成しておくことが重要なのです。
企業が倒産するのは「赤字」の時ではなく「現金が無くなる時」であることをしっかり理解しなければいけません。
資金調達にはキャッシュフロー計算書が有効
キャッシュフロー計算書を作成していれば、実際にどこで現金がショートするのかが分かるため、資金調達しなければならない時期が分かります。
また、金融機関も資金使途が明確化するため、資金支援しやすいという実態もあります。
売掛金の回収サイト変更や売掛先の増加などに対する運転資金等であれば、キャッシュフロー計算書は融資要請に根拠を持たせる書類になるでしょう。
実際に金融機関に資金支援を依頼しに行った場合、キャッシュフロー計算書を作成していなければ資金繰り表の作成を求められるケースが多いです。
遅かれ早かれキャッシュフローについては説明しなければいけないため、書類は事前に作成しておく方が良いでしょう。
キャッシュフロー計算書は税理士に依頼する
キャッシュフロー計算書は会計知識が無ければ作成することは困難を極めます。
そこでキャッシュフロー計算書を作りたいという人は、税理士と顧問契約することをおすすめします。
税理士であれば、金融機関に提出しても問題ないキャッシュフロー計算書を作成してくれます。
経営者にとっても正しいキャッシュフローを理解するのは事業運営上とても重要ですので、一度税理士に相談してみて下さい。
尚、税理士と顧問契約することで、金融機関に同行して資金調達支援まで行ってくれる場合が多いです。
どうしても資金調達が必要になる場合は、早めに税理士に相談してしまうのも手段の一つです。
まとめ
- キャッシュフロー計算書は実際の資金の流れを示した書類
- 会社が倒産するのは「赤字」の時ではなく「現金が無くなった時」
- 正確なキャッシュフローを知るには税理士に相談する
会社の命とも言える「現金」。
その命がどのくらいあるかを示したのがキャッシュフロー計算書なのに、中小企業では作成している企業の方が少ないです。
今後の投資計画や、運転資金の必要性などを理解する上でも重要な書類となりますので、もし今後事業を拡大していこうと考えている人は、この機会に一度税理士に相談してみて下さい。