「給与の他に収入を得ているけど確定申告は必要?」
「雑所得について詳しく知りたい」
このような疑問や不安を抱えている人は少なくありません。
結論から言いますと、何かしらの「収入」を得ている人は、確定申告しなければならない可能性があることを認識しておく必要があります。
特に「副業」や「FX」「仮想通貨」「ネットオークション」などが手軽に出来るようになった現代では、収入を得ているのにも関わらず確定申告をしないで脱税を指摘されるケースも増えてきています。
自分が確定申告しなければならないのか判断出来なければ、知らないうちに延滞税や無申告加算税が科されるような大きな損をしてしまう可能性があります。そうならないように、一緒に確認していきましょう!
今回は、雑所得と確定申告の関係性について解説していきますので、ぜひ最後までご覧ください。
確定申告と所得について
まずは、確定申告で申告しなければいけない「所得」とは何かについて説明していきましょう。所得には所得税法で定められている9個の所得があります。
- 給与所得
- 退職所得
- 事業所得
- 不動産所得
- 譲渡所得
- 山林所得
- 配当所得
- 利子所得
- 一時所得
1月1日~同年12月31日までの間に以上に該当する所得を得た場合、原則確定申告しなければなりません。
自分が得た所得がどの所得に該当するのかを判断することが大切です。
雑所得とは
所得税法に定められた9個の所得ですが、この9個の所得いずれにも当てはまらない場合があります。
例えば、給与所得を得ているサラリーマンが仮想通貨で得た所得があった場合、給与所得には算入されませんので、上のいずれにも当てはまらないことになります。
このケースのように、9個の所得にいずれも当てはまらない場合は、10個目の所得である「雑所得」で計上されることになります。
尚、雑所得は「公的年金」と「公的年金以外」に区別され、先ほどの例を挙げれば公的年金以外の雑所得として扱われます。
雑所得に該当する例
<公的年金等に係る雑所得>
- 公的年金(厚生年金/国民年金/企業年金)
<業務に係る雑所得>
- 仮想通貨
- アフィリエイト収入
- メルカリやヤフオク等の収入
- 印税
- 講演料
- FX取引等による所得
- 為替取引による差益 など
以上のような所得が雑所得として計上されます。
例えば、給与所得を得ている中、仮想通貨による利益やアフィリエイトによる利益を得ている場合は業務に係る雑所得として計上されます。
ただし、給与所得を得ておらず、アフィリエイト収入を継続的に事業として行っている場合は「事業所得」として計上されます。
自分の所得が事業所得になるのか雑所得になるのかによって、税金の計算方法が変わります。不安な人は税理士に相談するようにしましょう。
雑所得と確定申告
給与所得者が副業で収入を得ている場合は、雑所得として確定申告が必要になります。
ただし、例外として以下の2つの条件に全て該当する場合は確定申告が不要になります。
- 給与収入以外の所得の合計が20万円以下の場合
- 本業で年末調整している場合
尚、所得というのは得た利益のことであり、必要経費を控除して計算しなければいけません。
例えば、20万円の商品を売るために10万円仕入や運送費等の経費が生じている場合
総収入20万円―必要経費10万円=10万円(所得)
となり、確定申告が不要になります。
雑所得が20万円以下で確認申告が必要なケース
逆に雑所得が20万円以下にも関わらず確定申告が必要なケースも存在します。
- 給与所得者で2つ以上の会社から給与を得ている場合
- 年収が2,000万円を超えている場合
- 医療費控除を適用したい場合
- 年末調整を受けていない場合(給与所得を受けていない場合)
- 同族会社の役員や家族の場合
- 同族会社から貸付金の利子や資産の賃貸料を受け取っている場合
特に注意したいのが、年末調整を受けていない場合です。
正社員でなくてもアルバイトやパートであれば会社が年末調整をしてくれるため確定申告不要ですが、フリーランスとして雇用契約を結んでいない場合は、仮に1つの会社からしか収入を得ていない場合でも確定申告が必要になります。
自分が会社と「雇用契約」を結んでいるのが「委託契約」を結んでいるのかがポイントとなります。
委託契約の場合、会社は年末調整する義務が無いため、自分で確定申告しなければなりません。
雑所得と経費
雑所得の計算する時に、どこまで経費として認められるのかも重要なポイントとなります。
必要経費とは「売上を立てるために必要になった費用」になります。具体的な例を挙げると以下のようなものが該当します。
- ネットオークションで商品を売った場合
⇒「商品の仕入代金」「オークションの使用料」「送料」「インターネット通信料」など
- Webライター
⇒「事務所の家賃等」「インターネット通信料」「購入したPC代」など
- 講演料
⇒「移動費」「書籍代」など
尚、利益を計算する際の必要経費は適当に計算することは出来ず、経費にする場合は領収書や支払った証拠書類の保管が義務となります。
証拠書類がなかった場合は経費として認めることは出来ないため注意が必要です。
雑所得の確定申告に必要な書類
雑所得の確定申告する際には以下の書類を準備しておきましょう。
- 確定申告書
- 源泉徴収票
- 控除を受けるための必要書類
分からないことがあれば、管轄の税務署に問い合わせすれば確定申告の方方法について教えてくれます。
事業を大きくしていくにつれ、申告する所得も大きくなってきた場合は、税金対策を視野に入れ税理士などの専門家に依頼するのも手段の一つでしょう。