税金基礎知識ブログ

令和3年度税制改正大綱 法人課税(中小企業税制)編

令和3年度税制改正大綱 法人課税(中小企業税制)編

令和3年度の中小企業向けの税制改正は、事業再編による生産性向上を後押しするものになっています。

中小企業税制の延長・統合

次の中小企業税制が2年延長されます。

①中小企業者等の法人税の軽減税率
②中小企業投資促進税制等

②の投資促進税制では、「商業・サービス業・農林水産業活性化税制」の対象業種を「中小企業投資促進税制」に統合します。

所得拡大促進税制の見直し(令和3年度~)

雇用者全体の給与等支給額に着目した要件に簡素化した上で、2年延長します。

〈適用要件:中小企業向け〉

改正前 改正後
  1. 雇用者給与等支給額が前期より増加
  2. 継続雇用者給与等支給額が前期比1.5%増
雇用者給与等支給額が前期比1.5%増
(賃上げがなくても人員増で給与の支給が1.5%増になればよい)

また、上乗せ控除も、継続雇用者から雇用者の給与等支給額で判定されるようになります(適用要件等の判定が容易になります)。

中小M&A税制(経営資源集約化)

中小企業者のM&A実施後の簿外債務の発覚や未払賃金支払いの訴え等、買手企業の投資リスクに備えるため、準備金制度(課税の繰延べ)を創設されます。

要件 認定を受けた経営力向上計画に基づき中小企業がM&Aを実施
積立 投資額の70%以下の金額を損金算入(中小企業事業再編投資損失準備金)
取崩 5年据置後、5年間で均等取崩し
※簿外負債発覚時にも取崩

研究開発税制(中小企業向け)の見直し

研究開発投資を促進するため、控除率が見直されます(令和3年度~)。

〈改正後の試験研究費(中小)の税額控除〉

控除率の算式
>9.4% 12%+(A-9.4%)×0.35
(上限:17%)
≦9.4% 12%

A:増減試験研究費割合

インボイス制度関連記事

  1. 今年の改正税法 インボイス事業者即時登録
  2. コンビニの適格請求書登録番号は店舗ごとに違う可能性大
  3. 小規模事業者持続化補助金の枠の種類が増加しました
  4. 制度開始目前のインボイス登録
  5. インボイス業者扱いの消費者・農林漁民
注目記事 最新記事
  1. 交際費と社内飲食費
  2. 国税の信託型ストックオプションへの見解と税制適格ストックオプションの株価算定ルール
  3. 社会保険の「年収130万円の壁」注意点や例外
  4. 別表六(三十一)の誤記載に注意喚起
  5. 税務調査における追徴課税の平均額はいくら?こんなケースには注意する!
  1. 従業員に住所変更があった場合の社会保険と税金の手続き
  2. 離婚後同居で扶養継続の場合の社会保険・税金
  3. 埋蔵文化財包蔵地の評価
  4. 離婚と税金
    離婚と税金

    2024.09.11

  5. 改正入管法成立 育成就労制度とは

税務知識ブログカテゴリー

PAGE TOP