民間保険の必要性
我々人間は、ごく普通の日常生活を送るうえでも、いろいろな危険にさらされることがあります。
交通事故や頭上から物が落ちてくるなど、本人が注意をしていても避けられない事故も少なくありません。
このように本人の注意不注意にかかわらず、いつ、何が起こることがわからないことを一般的に「リスクがある」と言います。
我々人間が、普通の生活を送るだけでも、そこには様々なリスクがあります。
では、そのリスクとどのように向き合い、どのように備えればよいのでしょうか。
いつ、何が起きるかわからないのがリスクであるのなら、我々はリスクを完全に避けることはできません。
であれば、次に考えるべきは、実際、不幸にもリスクが現実化した際に被った損失をどのように補填するのか、準備をしておくことです。
お金に不自由のない大金持ちであれば自らの貯えで補填することもできるでしょうが、大半の人々はそんなことはできません。
そこで、一つの解決方法になるのが保険です。実際の事故(保険事故)が起きた際に、保険料を支払っていた保険から保険金が支払われることにより、被った損失を補填することができます。
生命保険と損害保険の違い
保険事故が起きた場合に保険金が支払われる仕組みには、生命保険と損害保険がありますが、両者の違いを簡単に挙げると次のような特徴があります。
まずは、人の生死に関わる保険が生命保険(第一分野)であり、一方、偶然の事故によって生じる損失を補填することを目的とするのが、火災保険や自動車保険などの損害保険(第二分野)です。
ちなみに医療保険については、生命保険及び損害保険いずれにも含まれ第三分野とも呼ばれます。
また、生命保険は、例えば「誰かが亡くなったら3,000万円を支払う」などとする、定額給付が原則です。
これに対し、損害保険は「家が全焼したら上限3,000万円、半焼の場合には上限1,500万円を支払う」などとする実損(実額)補填が原則となります。
これは、被害のレベルによって修理代の金額に大きな差が出ることから、実際に損をした修理代部分を補填する方が、合理的かつ実態に即すという考え方から生じています。