サイバー攻撃で工場稼働停止等の実害も
今やパソコンやインターネットを仕事で利用するのが当たり前の世の中になりました。
そんな中、近年日本では企業を狙ったサイバー犯罪が増加しています。
警視庁は2021年のサイバー空間をめぐる脅威の情勢などについてまとめた資料を公表しました。
国内におけるランサムウェアによる被害件数は146件で、被害を受けた組織の54%は中小企業です。
2022年に入ってもトヨタ自動車の仕入先で、サーバーのシステムを暗号化しサーバー内の情報やシステムの身代金を要求する「ランサムウェア」の攻撃を受けて発注・受注システムが停止し、結果的にトヨタ自動車の部品調達が難しくなり、国内すべての工場が停止するという事例がニュースになっています。
中小企業向けサイバーセキュリティ対策
中小企業はその規模ゆえに、サイバー攻撃の予防や対策を行うための人員・情報等にリソースが割けないのが実情です。
そんな中小企業向けに、IPA(独立行政法人情報処理推進機構)は「サイバーセキュリティお助け隊サービス」をお勧めしています。
この制度はIPAが認定する、サイバー攻撃への対処として最低限必要な施策を効率的かつ安価、確実に提供する企業のサービスを「サイバーセキュリティお助け隊サービス」として認定し、マークを付与するものです。
主な施策は異常がないか監視する「見守り」、問題が発生した時の「駆けつけ」(リモート支援も含む)、サイバー攻撃で突発的に発生するコストへの「保険」です。
IT補助金では加点、今後は専門枠も
令和3年補正予算のIT導入補助金事業においては、導入するITツールとして「サイバーセキュリティお助け隊サービス」を選定していると、補助金の審査について加点が得られるようになっています。
また、経済産業省はコロナ禍における「原油価格・物価高騰等総合緊急対策」に関連する施策発表の中で、サイバーセキュリティお助け隊サービスについてはIT導入補助金の「セキュリティ対策推進枠」として独立した枠を設けることを公表しています。
この機会にサイバーセキュリティ対策について考えてみてはいかがでしょうか。