税金基礎知識ブログ

贈与税はいくらからかかる?税率や計算方法について紹介

贈与税はいくらからかかる?税率や計算方法について紹介

「贈与したいけどいくらから税金がかかる?」
「贈与税の計算方法が知りたい!」

このような疑問や不安を抱えている人は多いです。

結論から言いますと、贈与税は数式に当てはめれば誰でも行うことが出来ます。

しかし、贈与税には特例があったり、非課税制度があったりして、全てのケースを一辺倒で計算することは不可能です。

複雑なケースは、税理士などの税務のプロに依頼する方が間違いのない贈与が出来ます。

今回は、贈与税がいくらからかかるのか?について解説します。

贈与税はいくらからかかる?

現金や資産を贈与された時、どの程度贈与税がかかるのか、そもそもいくらから課税されるのか不安に思う人もいるでしょう。

結論から言いますと、年間合計額が110万円を超えなければ贈与税は申告の必要がありません。つまり非課税です。

しかし、110万円を超える場合は課税されますので、贈与税の確定申告をする必要があります。

贈与を受けた場合は、「年間で110万円を超えるかどうか」を一つのボーダーラインと考えておくと良いでしょう。

暦年贈与は年間110万円を超える場合に課税される

暦年贈与という言葉を初めて聞いた人もいるでしょう。

暦年贈与とは、1年間に受けた贈与財産の合計を元に税額を計算する方法です。

暦年贈与には110万円の基礎控除があります。

1年間の贈与金額-110万円(基礎控除)=課税所得

となるため、110万円までは非課税、超えた分は税金がかかるのです。

なお、贈与税は贈与した人ではなく、贈与によって利益を得た人(受けた側)に申告義務があるので、受け取る際には贈与財産金額の合計を把握しておくようにしましょう。

相続時精算課税で贈与する方法もある

相続時精算課税とは、相続発生時に課税所得として加える代わりに、生前贈与であっても年間2,500万円まで非課税にする制度のことです。

1年間の贈与金額-2,500万円=課税所得

相続時精算課税では多額の現金や不動産など金額が大きくなる財産を贈与する際に利用されます。

なお、2,500万円を超える部分については一律で20%の税率が課税されます。

相続時精算課税制度を利用するには以下の条件に当てはまる必要があるので注意しましょう。

  • 贈与する人の年齢:60歳以上(贈与する年の1月1日時点の年齢)
  • 贈与を受ける人の年齢:20歳以上(贈与を受ける年の1月1日時点の年齢)
  • 贈与をする人と受ける人の関係:親子または祖父母と孫の関係

また、贈与は暦年贈与か相続時精算課税のどちらかを選択しなければならないため、相続時精算課税を選択すると年間110万円の基礎控除がなくなります。

暦年贈与する場合の贈与税の計算方法

暦年贈与で贈与する場合は

  • 特例贈与財産用の特例税率
  • 一般贈与財産用の一般税率

の二つの方法がありますが、それぞれ税率が異なります。

それぞれについて詳しく確認しておきましょう。

特例税率

特例税理は、子供や孫が直径尊属である親や祖父母から贈与を受けた場合に適用されます。
(ただし、贈与を受ける側の年齢が、贈与を受ける年の1月1日時点で20歳以上であることが条件)

なお、特例税率は一般税率よりも低めに設定されているのが特徴です。

【特例税率】

基礎控除後の課税価格 控除額 税率
200万円以下 10%
400万円以下 10万円 15%
600万円以下 30万円 20%
1,000万円以下 90万円 30%
1,500万円以下 190万円 40%
3,000万円以下 265万円 45%
4,500万円以下 415万円 50%
4,500万円超 640万円 55%

一般税率

一般税率は、特別贈与財産以外の贈与財産について課税されます。

具体的な例として挙げられるのが

  • 夫婦間の贈与
  • 兄弟間の贈与
  • 親や祖父母から未成年の子供もしくは孫に対する贈与

税率は以下のようになっています。

【一般税率】

基礎控除後の課税価格 控除額 税率
200万円以下 10%
300万円以下 10万円 15%
400万円以下 25万円 20%
600万円以下 65万円 30%
1,000万円以下 125万円 40%
1,500万円以下 175万円 45%
3,000万円以下 250万円 50%
3,000万円超 400万円 55%

贈与税の計算方法

暦年贈与の贈与税は以下の計算式に当てはめることで計算が出来ます。

贈与額-基礎控除×税率-控除額=贈与税額

例えば、特例贈与財産で600万円の贈与があった場合はどうなるでしょう。

600万円-110万円=490万円
490万円×20%-30万円=68万円
つまり、贈与税の税額は68万円となります。

贈与税は非課税や減額できる制度がある

贈与税には場合によって非課税制度や減額制度の特例を利用することが出来ます。代表的な例は以下の通りです。

  • 教育資金の一括贈与:子供一人当たり1,500万円まで非課税
  • 子育資金:子供一人当たり1,000万円まで
  • 結婚資金:300万円まで
  • 住宅取得等資金:条件により3,000万円まで
  • 夫婦間の居住用不動産贈与:最大2,110万円まで(基礎控除含む)

贈与税対策で困ったら税理士に相談

贈与税の計算や、効果的な贈与対策は税理士などのプロに任せることをおすすめします。

特に不動産や有価証券など、価値の判断が難しいもに関しては自分で申告すると間違ってしまう可能性も高いです。

贈与税がいくらかかるのかを具体的に計算してから、暦年贈与や特例の利用を検討した方が良いでしょう。

無料相談なども行っている税理士もいるのでお気軽に相談してみてはいかがでしょうか。

まとめ

  • 暦年贈与には110万円の基礎控除がある
  • 相続時精算課税制度を利用すれば2,500万円まで非課税となる
  • 相続税は、基礎控除を引いた金額に税率をかけて贈与税控除して計算される

贈与を検討している人は、まず基礎控除110万円以内であれば非課税で贈与が出来ます。

しかし、110万円を超える場合や、様々な制度を利用するのであれば税務の専門家である税理士に相談して確実な贈与を行うことをおすすめします。

特に現金以外の財産を贈与する場合など計算が複雑になるケースは自分で申告すると間違う場合も多く、最悪の場合税務署に追徴課税されることもあるので、あらかじめ税理士に相談しておくのが良いでしょう。

贈与税の申告を税理士に依頼するメリットとは?

注目記事 最新記事
  1. 大企業向け賃上げ促進税制のマルチステークホルダー経営宣言とは
  2. 法人の決算書提出に必要な書類
  3. 税務調査における追徴課税の平均額はいくら?こんなケースには注意する!
  4. 決算において減価償却しないことは認められている?
  5. 産後パパ育休と育児休業分割取得
  1. 年の中途に退職した人の年末調整
  2. 保険料控除証明書の到着は必要な保険か否かを見直す好機です
  3. 採用と健康状態の調査
  4. 見落としがちな「逆パワハラ」
  5. 不法就労助長とリスク

税務知識ブログカテゴリー

PAGE TOP