税金基礎知識ブログ

産業雇用安定助成金の創設について

産業雇用安定助成金の創設について

「従業員シェア」による雇用維持を

コロナ禍においてこれまでと同じ人件費を抱えきれなくなった企業が、人手不足の企業に従業員を出向させる動きがあります。

航空業界からコールセンター業界へ、あるいは飲食業界から小売業界への出向など話題になっていますが、この「従業員シェア」を支援するための助成金が新設されました。

支援の対象となるのは、新型コロナウィルス感染症の影響により事業活動の一時的な縮小を余儀なくされた事業主で、在籍型出向により労働者の雇用を維持する場合となります。
主な要件としては、

  • 出向期間終了後は元の企業に戻って働くことを前提としていること
  • 出向元と出向先が親子関係にないなど、独立性のある関係であること
  • 出向先で別の人を離職させるなど、玉突き出向を行っていないこと
  • 出向者は雇用保険被保険者であること

などがあります。

受給額と申請手続き

受給額は、賃金、教育訓練および労務管理に関する調整経費などの一部であり、以下の条件で計算されます。

  • 出向元が解雇などを行っていない場合
    中小企業9/10、中小企業以外3/4
  • 出向元が解雇などを行っている場合
    中小企業4/5、中小企業以外2/3

12,000円/日を上限(出向元・出向先の合計)とし、出向初期経費も別途10万円/1人が助成されます。

対象期間は、令和3年1月1日以降、申請先は都道府県労働局やハローワークです。

出向の人材マッチングについては、(公財)産業雇用安定センターのほか、各自治体で取り組んでいる場合もあります。

詳細は、「産業雇用安定助成金ガイドブック」で確認してみましょう。

まずは雇用維持の優先度が高いと思われますが、これまでとまったく異なる業界への出向は、従業員への大きな負担となる可能性もあります。

教育訓練などのサポートやストレス軽減の施策について、出向先と出向元の連携が期待されます。

注目記事 最新記事
  1. 国税の信託型ストックオプションへの見解と税制適格ストックオプションの株価算定ルール
  2. 学生も社会保険に加入の義務あり?
  3. 決算で減価償却費を利用した利益調整を行う方法
  4. 中古住宅取得や増改築で贈与税が非課税になる方法
  5. 法人税・所得税の税務調査統計
  1. フリーランスの取引に関する新しい法律が2024年11月施行しています
  2. 定額減税の年末調整処理
  3. スポットバイトの課税・申告・社会保険(労働者の観点から)
  4. スポットバイトの課税と労働管理等(雇用会社側の観点から)
  5. 年の中途に退職した人の年末調整
税務知識ブログカテゴリー
PAGE TOP