税務ノウハウ記事一覧

未成年者控除を活用して相続税負担を軽減する 成年年齢の引き下げで未成年者控除はどうなる?

未成年者控除を活用して相続税負担を軽減する

「相続人に未成年者がいるけど、未成年者控除は利用できる?」
「未成年者控除ってそもそも何?」

このような不安や疑問を抱えている人は少なくありません。

結論から言いますと、未成年者控除とは相続人に未成年の人がいれば受けられる控除枠のことです。

未成年者控除は原則全ての未成年者が対象となる使いやすい控除枠です。

計算方法をしっかり理解して相続税をどのくらい減らせられるか参考にしてみて下さい。

相続税の未成年者控除とは

相続人が未成年の場合、未成年者控除を利用して相続税額を減らすことが出来ます。

【未成年者控除】

(20歳-相続した年齢)×10万円

つまり、15歳の人が財産を相続した場合は(20歳-15歳)×10万円=50万円が、相続税から控除することが可能です。

未成年者控除がある理由

未成年であっても相続財産を得た場合は相続税を支払う必要があります。

しかし、未成年であれば、自分でお金を稼ぐことが難しいという問題がある他、一般的に教育費や養育費が成年よりも必要となることからも、それを考慮して、年齢が低ければ低い程相続財産から控除できるようになっています。

尚、未成年者の納税額よりも控除額の方が大きくなってしまい、控除しきれない場合は扶養義務者である他の相続人の税額からも控除出来ます。

これも未成年者控除が制定された理由と同じで、年齢が低い未成年者程生活負担が重いことから相続税軽減措置が行われています。

相続税の未成年者控除の対象者

未成年者控除を受けるためには以下の3つの要件を“全て”満たしている必要があります。

  • 財産の取得時に日本国内に住所があること
  • 財産の取得時に20歳未満であること
  • 財産を取得した人が法定相続人であること

日本に住んでいる20歳未満の法定相続人が対象です。

以上の条件に当てはまるのであれば、乳幼児であっても未成年者控除を利用することが出来ます。

例えば、乳幼児(0歳)の場合であれば、満額の200万円を控除出来るため相続税を大幅に減らすことが出来ます。

尚、相続発生時に母親のおなかにいる胎児であっても、無事生まれることが出来れば相続人としての資格を得るため、未成年者控除の対象となります。

未成年者控除の計算方法

先ほど紹介した通り、未成年者控除の計算式は(20歳-相続時の年齢)×10万円で計算出来ます。

相続時の年齢ですが、これは「満年齢」で計算します。例えば、相続が発生した時点で15歳と8か月であっても、15歳としてカウントします。

実際に計算すると(20歳-15歳)×10万円=50万円となり、50万円分が控除額となります。

<具体的な計算例>

  • 被相続人:父
  • 相続人:母(50歳)、長男(16歳)
  • 未成年控除前の相続税額:母100万円、長男30万円

①長男の未成年者控除額
(20歳-16歳)×10万円=40万円
②長男の相続税額
未成年者控除40万円-相続税額30万円=10万円(控除しきれなかった分)
※長男の相続税負担は0円
③母の相続税額
100万円-10万円=90万円
※長男で控除しきれなかった分を母の相続税額から控除

民法改正による未成年者年齢の引き下げと未成年者控除への影響

未成年者の年齢が民法改正により2022年4月1日から18歳未満に引き下げられます。

民法改正に伴って、未成年者控除の基準年齢が20歳から18歳へ引き下げられることから納税者にとって不利な改正となります。

<改正後の未成年者控除>

(18歳-相続時の年齢)×10万円

婚姻した未成年は対象となる?

民法上では婚姻した未成年は成年として扱われ、親の同意なしにローンの契約が出来るなど、法律行為が出来る大人としてみなされます。

しかし、相続税法上では20歳未満の者は未成年としてみなされる点に注意が必要です。

先ほど紹介した通り、未成年者控除は未成年の負担を減らすことを目的として作られたものであるため、婚姻関係の有無にかかわらず20歳未満かどうかで、未成年者控除の対象になるかどうかが変わります。

相続に不安がある人は税理士に相談する

未成年者控除等の控除を活用することで、相続税負担を大幅に下げられる可能性があります。

専門家である税理士に相談することで、税負担を軽減できる控除枠を利用できる可能性があります。

控除枠は知らなければ適用出来ませんので、少しでも税負担を軽減したい人は、相続が発生した時点で一度税理士に相談してみるのがいいかもしれません。

相続は何かと面倒な手続きも多く、期限までに申請しないといけないなどの制約もあります。

正確な申告が出来なければ税務調査で追徴課税を受ける可能性もありますので、不安のある人は無料相談会等を活用しつつ税理士を訪ねてみると良いでしょう。

まとめ

  • 未成年者控除では(20-相続時年齢)×10万円分を相続税額から控除出来る
  • 控除しきれなかった分は、扶養義務者である他の相続人の税額からも控除出来る
  • 2022年の民法改正で未成年は18歳未満となる

未成年者控除は未成年の相続人がいる場合は原則全員が受けられます。

控除しきれない分は扶養義務者から差し引くことが出来る等メリットも大きいので、使える人は活用するようにして下さい。

控除の利用で不安がある人は、専門家である税理士に一度相談されることをおすすめします。

PAGE TOP