「相続税額が大きくて一括で支払いが出来ない」
「現金は全然無いのに、不動産の相続が多すぎ相続税の支払いが困難」
このような疑問や不安を抱えている人は多いです。
結論から言いますと、相続税の支払いが困難な人でも今回紹介する4つの方法を利用することで相続税の一括納付を回避出来る可能性があります。
今回は、相続税が払えない時に試したい4つの対処法について解説します。
相続税が支払えない場合の対処法
相続税が支払えない場合は以下の4つの方法によって納付が可能です。
- 延納
- 物納
- 銀行借入
- 不動産の売却
それぞれについて詳しく解説していきましょう。
延納
相続税額が10万円超え、かつ現金による一括払いが困難な場合には相続税を延納することが認められます。
延納するためには
- 現金による一括納付
- 申告期限までに「延納申請書」及び「担保提供関係書類」を提出
が条件となっています。
例えば、相続財産が不動産など換金性の低いものを相続する場合は、引き継いだ資産は大きく多額の相続税を納付する義務が生じるにも関わらず、現金が用意出来ないという事もあり得ます。
このような場合は、土地や家屋を担保にして税金の支払いを伸ばすことが出来る可能性があります。これが延納です。
なお、これらの書類は期限までに提出しなければ延納措置を受けることが出来ませんが、提出書類の内「担保提供関係書類」に関しては、「担保提供関係書類提出期限延長届出書」という書類を提出することで、提出期限を伸ばすことも出来ます。
延納の注意事項
延納制度を利用する際には、利子税と呼ばれる税金を支払う必要があるため注意が必要です。
なお、利子税の割合は毎年1月1日に更改されます。
物納
物納とは、相続財産のうち不動産を相続税の納付に充てる手続きを言います。
簡単に言えば、現金の代わりに不動産を渡すことで税金の支払いとする手続きです。
物納には条件があるため、誰しも行えるわけではありません。
しかし、現金による支払が困難である場合にはよく利用される手段ですので、不動産を多く相続した人は覚えておくようにしましょう。
なお、物納を利用するための条件は以下のようになっています。
- 預金などのお金で相続税の支払いが困難という証明
- 申告期限までに「物納申請書」及び「物納手続関係書類」を提出
が条件となっています。
物納を検討している人は、不動産を売却することも併せて検討しておきましょう。
売却代金で税金支払いをした方が資産を手元に残しておけるケースもあります。物納を検討する場合は売却も併せて慎重に行うようにしましょう。
銀行借入
金融機関から資金を借入して相続税の支払いに充てる方法も存在します。
具体的には以下のようなケースです。
- 相続した不動産を将来売却する事を条件に借入する
- 相続した不動産の売却とは関係無く納税資金として借入する
不動産の売却資金で納税すると考えていても、実際納税期限までに不動産が売れなければ現金は手に入りませんので、納税することが出来ません。
そこで、不動産が売却された際に一括返済することを条件に納税資金を銀行から借入する方法です。
なお、不動産の売却の有無はいずれにしても、納税資金として貸付を行う事を嫌がる銀行も多いので、融資の相談の際には相続税の納税資金として借入が出来るのか一度相談してみることをおすすめします。
納税資金としてでは無く、「個人ローン」「多目的ローン」「フリーローン」等で融資を組む事となった場合、借入金利は高くなるケースが多いので、金利や利息については慎重に検討するようにしましょう。
不動産の売却
不動産を売却して現金化する方法も納税の手段の1つです。
不動産の売却は物納よりも有利な場合が多いです。
なぜなら、相続税の財産価格は一般的に市場価格より低く設定されているからです。
つまり、市場価格で取引される不動産売買で売却出来れば、手元に残る資金をより多くできるのです。
しかし、不動産を売って儲けが出た場合は別途譲渡所得税の納付が必要になりますので注意して下さい。
一般的には譲渡所得税が物納による納税額より大きくなることはありませんので安心して下さい。
不動産の売却で一番問題になるのが「不動産が売れなかった時」の対応です。
安く買いたたかれては意味が無いので、不動産の売却を検討している人は、信頼出来る不動産会社に依頼するようにしましょう。
まとめ
- 相続税が払えない時には「延納」「物納」「借入」「売却」を検討
- 一般的に物納よりも不動産売却の方がメリットが大きい
- 納税資金の借入を認めていない金融機関もあるので注意
相続税の支払いで困ったら今回紹介したいずれかの方法を検討してみて下さい。
何よりも問題なのは相続税の支払いが出来ないからと申告をしないことです。
申告をしなければバレた時に最大40%の加算税が課せられるなどペナルティが大きいので絶対にやめましょう。
もし、相続で悩んでいるという人がいれば、お近くの税理士に相談することをおすすめします。
相続税は複雑なので税理士などの専門家を利用する事も検討しましょう。
無料相談等も行っていますのでお気軽に相談してみてはいかがでしょうか。