「贈与税でペナルティが加算される条件は?」
「ペナルティってどんなものがあるの?」
このような疑問や不安を抱えている人は多いです。
結論から言いますと、贈与税の申告を間違ったり、税金の納付が遅れたりするとそれぞれ税金が加算されます。
正しい申告をしていれば問題ありませんが、個人的に贈与を行う場合、ペナルティが課せられる可能性もあるので注意が必要です。
今回は、贈与税のペナルティについて解説していきます。
【目次】
贈与税に課せられるペナルティ4つ
贈与税には
- 延滞税
- 無申告加算税
- 過少申告加算税
- 重加算税
の4つのペナルティが課せられる可能性があります。
それぞれ詳しく説明していきましょう。
延滞税
延滞税とは、申告の期限を1日でも過ぎると課せられる税金のことです。納付期限を過ぎていくと日々加算されていきます。
延滞税には加算される税率が決まっており、割合は以下のようになっています。
【延滞税】
納付期限から2ヵ月以内 | 7.3%と「特例基準割合+1%」のいずれか低い割合 (2020年は2.6%) |
---|---|
納付期限から2ヵ月超 | 14.6%と「特例基準割合+7.3%」のいずれか低い割合 (2020年は8.9%) |
納付期限が2ヵ月以内か、超えるかで税率が大きく変わってくるため注意が必要です。
なお、特別基準割合とは、前々年の10月~前年の9月までの各月における銀行の新規短期貸出約定利率の平均を合計した数字から12を割った割合のことを指しています。
※単純に延滞税も一定にするのではなく、市場の金利動向に連動しています。
2020年現在の特別基準割合は1.6%となっているので、納付期限2ヵ月以内は2.6%、2ヵ月を超えると8,9%となります。
無申告加算税
無申告加算税とは、納付する課税所得があるのにも関わらず申告書を申告期限までに提出しなかった場合に課されます。
もちろん無申告加算税は「申告が必要だとは知らなかった」で免除されるものではありません。
贈与を受けるという事は「税金がかかる可能性がある」という事を認識しておく必要があります。
無申告加算税は、延滞税のように期間によって税金割合が変わるのではなく、税務調査の事前通知がされる前と後で割合が変わります。
また、事前通知がされた後も「更生の予知」の前後でも割合が変わります。
【無申告加算税】
期間 | 加算される税額 |
---|---|
事前通知前 | 5% |
事前通知後~更生の予知前 | 10%~15% |
更生の予知後 | 15%~20% |
事前通知の前までの期間
税務調査の事前通知前に、自主的に申告すれば無申告加算税は5%です。
事前通知後から更生の予知前まで
税務調査の事前通知がされた後でも更生の予知前に申告すると、50万円までは10%、50万円を超える場合は15%の税率が課されます。
【更生の予知前】
納付すべき税額 | 割合 |
---|---|
50万円以内 | 10% |
50万円超 | 15% |
更生の予知後
更生の予知がなされた後は、納付すべき税額の内50万円までは15%、50万円を超える部分に関しては20%の税率が課せられます。
【更生の予知後】
納付すべき税額 | 割合 |
---|---|
50万円以内 | 15% |
50万円超 | 20% |
過少申告加算税
期限までに申告書を提出し、納税もしている場合であっても、申告の内容が間違っていることで税金が過少納付されているケースでは加算税がかかります。
過少申告加算税は無申告加算税と同じで、申告するまでの期間で税率が変わってきます。
なお、こちらも「計算が間違っていた」で免除されるものではありません。
間違っていたことで税金が加算されるという認識を持ち、正しい申告を心掛けましょう。
事前通知の前までの期間
税務調査の事前通知前に、自主的に申告すれば過少申告加算税はかかりません。
事前通知後から更生の予知前まで
税務調査の事前通知がされた後でも更生の予知前に申告すると、50万円までは5%、50万円を超える場合は10%の税率が課されます。
【更生の予知前】
納付すべき税額 | 割合 |
---|---|
50万円以内 | 5% |
50万円超 | 10% |
更生の予知後
更生の予知がなされた後は、納付すべき税額の内50万円までは10%、50万円を超える部分に関しては15%の税率が課せられます。
【更生の予知後】
納付すべき税額 | 割合 |
---|---|
50万円以内 | 10% |
50万円超 | 15% |
重加算税
重加算税とは
- 仮装隠蔽し申告を行わなかった場合
- 仮装に基づいて過少申告を行った場合
に加算されるペナルティです。
所謂脱税に当たるペナルティで、他の加算税に比べで税率の割合が大きいのが特徴です。
重加算税は以下の割合で税金が加算されます。
【重加算税の税率】
加算される項目 | 税率 |
---|---|
意図的に無申告した場合 | 無申告加算税に代わり40% |
意図的に過少申告した場合 | 過少申告加算税に代わり35% |
なお、極めて悪質であり、金額が高額である場合は刑事罰が科せられることもあります。
ペナルティは贈与税だけじゃない
以上紹介した4つのペナルティは贈与税の場合だけではなく、相続税や所得税の場合でも加算されます。
しかし、贈与は金額が高額になる場合が多く、特に住宅や高額な株式などを贈与する場合には、ほとんどのケースで贈与税が発生するので注意が必要です。
「個人間の贈与でわざわざ税務署が目を付けるとは思えない」
と考える人もいますが、税務調査はいつ来るかは誰にも分かりません。
バレなければ大丈夫という考えではなく、正しい申告が必要という認識を、贈与する側もされる側も持っていなければいけません。
もし正しい申告に不安がある人は、お近くの税理士への相談を検討してみて下さい。
まとめ
- 贈与税には「延滞税」「無申告加算税」「過少申告加算税」「重加算税」の4つのペナルティがある
- 「知らなかった」「計算が間違っていた」で加算税が免除されることはない
- 不安がある人は税理士に相談する
加算税が課せられると、贈与税の他に追加で支払う必要がある他、税率も高めに設定されることからも一層の注意が必要です。
正しい申告に不安がある場合は、税理士に相談してみてはいかがでしょうか。
無料相談を行っている税理士事務所もありますので、一度問い合わせすることをおすすめします。