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【確定申告】小規模企業共済等掛金控除とは何?どのくらい節税効果があるか知りたい!

【確定申告】小規模企業共済等掛金控除とは何?どのくらい節税効果があるか知りたい!

「小規模企業共済等掛金控除とは何?」
「小規模企業共済等掛金控除でどの程度節税効果があるのか知りたい!」

このような不安や疑問を抱えている人は少なくありません。

結論から言いますと、小規模企業共済等掛金控除とは会社員から自営業者まで幅広く利用できる所得控除制度です。

掛金の全額が控除になるという性質上、小規模企業共済等掛金控除について知らないことで大きな損をしてしまうかもしれません。そうならないように一緒に確認していきましょう!

そこで今回は、小規模企業共済等掛金控除とは何かという点について、節税効果についても触れながら解説していきます。

確定申告における小規模企業共済等掛金控除とは

小規模企業共済等掛金控除とは、対象となる共済制度の掛金を支払った場合に、その支払った全額が所得から控除される制度のことです。

小規模企業共済等掛金控除の対象

小規模企業共済等掛金控除の対象となるのは以下に該当するものです。

  • 小規模企業共済法に基づく中小企業基盤整備機構との共済契約における掛金
  • 確定拠出年金法に基づく個人型年金加入者掛金
  • 確定拠出年金法に基づく企業型年金加入者掛金
  • 自治体の心身障害者扶養共済制度の掛金

それぞれ確認していきましょう。

小規模企業共済法に基づく中小企業基盤整備機構との共済契約における掛金

一般的に「小規模企業共済」と呼ばれる、個人事業主や小規模事業者の役員を対象とした退職金共済です。

掛金は月額1,000円から最大70,000円まで500円単位で掛けることが出来ます。

納付方法は年払い、半月払い、月払いから選択することが可能で、その全額が小規模企業共済等掛金控除の対象となります。

確定拠出年金法に基づく個人型年金加入者掛金

一般的に「iDeCo」と呼ばれる、個人事業主、会社員、会社役員、公務員など幅広く加入可能な個人型確定拠出年金です。

掛金は月額5,000円から最大68,000円までで、1,000円単位で掛けることが出来ます。

尚、掛金は第1号被保険者~第3号被保険者でそれぞれ違うため注意が必要です。

第1号被保険者 第2号被保険者 第3号被保険者
自営業者 会社に企業年金が無い 企業型DCに加入している DBと企業型DCに加入している DBのみに加入している 公務員等 専業主婦(夫)
月額
68,000円
月額
23,000円
月額
30,000円
月額
12,000円
月額
12,000円
月額
12,000円
月額
23,000円

確定拠出年金法に基づく企業型年金加入者掛金

一般的に「企業型DC」と呼ばれています。iDeCoが個人で掛ける確定拠出型年金だとすれば、企業型DCは企業で掛金を拠出する確定拠出年金です。

掛金は企業で拠出しますが、運用は従業員が行います。尚、企業型DCでも従業員が拠出する分の掛金があれば、その分は全額小規模企業共済等掛金控除の対象となり所得税の減税が受けられます。

自治体の心身障害者扶養共済制度の掛金

一般的に「しょうがい共済」と呼ばれているもので、障害がある方を育てている保護者が毎月掛け金を納めるもので、保護者が亡くなった時などに、障害のある方に対し、一定額の年金を一生涯支給する制度です。

しょうがい共済は、その賭け金の全額が小規模企業共済等掛金控除の対象となり、保護者の所得税から控除されます。

尚、しょうがい共済について詳しく知りたい人は、厚生労働省が掲載している「障害者不要共済制度(しょうがい共済)」について下記を参照して下さい。

小規模企業共済等掛金控除の計算

生命保険料控除と違い計算方法等は無く、掛金を全額所得税から控除することが可能です。

ただし、確定申告する際には、掛金を拠出した証明が必要になるため注意が必要です。

小規模企業共済等掛金控除を受けるための手続き

小規模企業共済等掛金控除を受けるためには以下の手続きが必要です。

  • 年末調整の書類「給与所得者の保険料控除申告書」に記入し、控除証明書を添付
  • 確定申告書の「小規模企業共済等掛金控除」欄へ記入し、控除証明書を添付(第一表⑭および第二表)

※e-Taxで申請する場合は、証明書の添付は不要

小規模企業共済等掛金控除の節税効果

それでは実際に小規模企業共済等掛金控除の節税効果がどの程度あるのか計算してみましょう。

今回はiDeCoを例に説明します。

課税所得金額 所得税+住民税 掛金額
月1,0万円
(年間12万円)
月2.3万円
(年間27.6万円)
月6.8万円
(年間81.6万円)
195万円以下 15% 約1.8万円 約4.1万円 約12.2万円
195万円超
330万円以下
20% 約2,4万円 約5.5万円 約16.3万円
330万円超
695万円以下
30% 約3.6万円 約8.2万円 約24.4万円
695万円超
900万円以下
33% 約3.9万円 約9.1万円 約26.9万円
900万円超
1,800万円以下
43% 約5.1万円 約11.8万円 約35.0万円
1,800万円超
4,000万円以下
50% 約6.0万円 約13.8万円 約40.8万円
4,000万円超 55% 約6.6万円 約15.1万円 約44.8万円

例えば年収が330万円超から695万円以下の人は、月間23,000円掛けることによって約91,000円所得税及び住民税の負担軽減効果があります。

つまり、実質18万5,000円の掛金で27万6,000円積み立てていることになり、小規模企業共済等掛金控除の節税効果がとても高いことが分かります。

会社員であっても小規模企業共済等掛金控除の節税効果を受けることが出来るため、将来の年金を積み立てるという観点からも検討に値する制度であると言えるのではないでしょうか。

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