「会社を設立したいけどどうやって作ればいい?」
「会社設立の流れについて知りたい!」
このような不安や疑問を抱えている人は少なくありません。
結論から言いますと、会社設立手続きは、流れをしっかり把握しておくことで“誰でも”行うことが可能です。
新しく事業を始めたいと考えている人は、今回紹介する会社設立の流れをぜひ参考にしてみて下さい。
【目次】
会社設立の手続きの流れ
会社設立の手続きは、以下の流れで進んでいきます。
- 基本事項を決定する
- 定款を作成する
- 資本金を払い込む
- 登記書類を作成する
- 登記申請を行う
それぞれについて確認していきます。
基本事項を決定する
会社設立には以下の4つの基本事項を決定しておく必要があります。
- 商号決定
- 印鑑作成
- 役員報酬額決定
- 資本金決定
<商号決定>
商号とは簡単にいうと会社名のことです。
商号は基本的にどんなものでも問題ありませんが、「同一住所に同一の商号が存在する場合は登記出来ない」という決まりがありますので、事前に管轄の法務局で類似している商号が無いか確認しておくと良いでしょう。
また、各種法律に基づき、以下のようなケースも禁止されています。
- 銀行でないのに「銀行」の称号を用いる。
- 弁護士が在籍していないのに「法律事務所」の称号を用いる
- 実績のある有名企業の会社名を用いる
尚、商号はブランディングに大きく関わってくることから、例えば商品やサービス名が先行して有名になった場合は、その名前と同様の商号にするケースも考えられます。
<印鑑作成>
法務局に登記手続き申請を行う場合に、会社の代表印を押印する必要があるため、事前に印鑑を作成する必要があります。
印鑑は簡単に作ることも出来ますが、きちんとした印鑑屋で造る場合は作成に時間がかかる場合がありますので注意が必要です。
<役員報酬額決定>
役員報酬は毎月変更することが出来ず、申請時に役員報酬額を決定する必要があります。
創業時はそこまで大きな売上が挙げられないケースも多いですが、役員報酬は決めた額を受け取る必要があることから、大幅な赤字になることも多いです。創業当初にある程度予想を立てた役員報酬額を決定する必要があります。
<資本金決定>
会社を設立する場合には、少なくとも1円以上の資本金を設定する必要があります。
ビジネスモデルがBtoBの場合、対企業向けの信用度を図る指標として資本金額が参考にされることが多いため、一定程度資本金は積んでおく方が望ましいです。
しかし対消費者向けビジネスモデルであれば、企業規模までチェックすることはほとんどないため資本金を積む重要度は下がります。
定款を作成する
事前準備が完了したらいよいよ会社の根幹となる「定款」を作成します。
定款では必ず記載すべき事項として「絶対的記載事項」があります。絶対的記載事項は以下の6項目です。
- 事業目的
- 商号
- 所在地
- 出資財産価格又はその最低額
- 発起人の氏名又は名称及び住所
- 発行可能株式数
事業目的では「会社が何の事業をするのか」という点について事前に決定しておく必要があります。
また、現在は行わない事業についても、将来的に行う可能性が高い事業については事前に記載しておく方が望ましいです。
未記載事項の事業は行うことが出来ません。もし未記載の場合は事業の目的を変更する必要がありますので注意が必要です。
資本金を払い込む
資本金は1円以上の払い込みが必要となりますが、資本金額1円と言うのは現実的ではありません。
一般的な目安としては100万円~1,000万円程度と言われていますが、資本金が1,000万円を超えると会社設立時から消費税の課税対象企業となるため注意が必要です。(一般的に設立初年度は消費税が免除となります。)
登記書類を作成する
会社設立登記するための登記書類を作成します。
登記には以下に記載する書類が必要になるため事前に準備しておきましょう。
- 登記申請書
- 登記事項等記載した別紙
- 印鑑届書
- 定款
- 発起人の決定書
- 就任承諾書
- 選定書
- 設立時代表取締役就任承諾書
- 印鑑証明書
- 本人確認証明書
- 出資の払込みを証する証明書
- 資本金額の計上に関する証明書
尚、印鑑証明書以外は全ての書類をA4サイズに統一する必要があります。揃ったら左上をホチキス留めして完了となります。
登記申請を行う
資本金払込後2週間以内に法務局へ「代表取締役」が登記申請して下さい。
法務局は会社所在地の管轄法務局への申請が必要です。
※登記申請は郵送でも可能
尚、登記申請時には以下の点に注意が必要です。
- 収入印紙(株式会社の場合の登録免許税は15万円)が必要な点
- 登記申請提出日が会社設立日になる点
もし会社設立日にこだわりがある場合は、郵送ではなくご自身で持参される方が確実です。
まとめ
- 会社設立は「基本事項」の決定が重要
- 会社設立は「定款作成」「資本金払込」が必須
- 事業目的は将来行う事業についても記載しておくことが望ましい
会社設立は手続きの流れを理解することで誰でも行うことが可能です。
ただし、スムーズに会社設立したい場合は、面倒な手続きを避けたいという人は、会社設立登記まで代行できる司法書士に依頼するのが良いでしょう。
尚、税理士であっても会社設立サポートが可能ですし、会社設立後の節税や事業運営においてもサポートを必要とするケースであれば、税理士に依頼するのも手段の一つです。