雇用調整助成金特例措置終了予定
新型コロナウイルス感染症に係る雇用調整助成金の特例措置として、令和 3 年 2 月末まで日額上限額の引き上げ等が行われていますが、3 月以降段階的に縮小し、5~6 月にリーマンショック時並みの特例とする方針が 12 月 8 日に総合経済対策で表明されています。
そして令和 3 年 1 月末及び 3 月末時点の感染状況や雇用情勢が大きく悪化している場合、感染が拡大している地域、特に業況が厳しい企業について特例を設ける等、柔軟に対応するとされています。
3 月以降はどのようになる?
雇用調整助成金の特例措置がなくなるとどのようになるでしょうか? リーマンショック時の主な特例措置を参考に出しますと次のようになっていました。
- 助成率:中小企業 4/5、大企業 2/3(コロナ特例措置では雇用を維持している場合、中小企業 10/10、大企業 3/4)
- 生産指標要件:最近 3 か月の生産量等が直前 3 か月又は前年同期と比べて原則5%以上減少(コロナ特例措置では 1 か月 5%以上減少)
- 対象被保険者:雇用保険被保険者 6 か月未満の者も助成(コロナ特例では緊急雇用安定助成金により被保険者でない労働者も助成)
- 支給限度日数:3 年 300 日(コロナ特例措置では令和 2 年 4 月 1 日から令和 3 年2 月末までの期間+1 年 100 日、3 年 150日)
在籍型出向による雇用維持支援にシフト
今後は産業雇用安定助成金(仮称)を創設し出向元と出向先の双方を支援、出向元には雇用調整助成金、出向先には労働移動支援助成金による受け入れ企業への支援の方向になるでしょう。
また、人手不足企業にはコロナ禍による離職者等で就業経験のない職業に就くことを希望する求職者を一定期間試行雇用する事業主に対する賃金助成制度(トライアル雇用助成金)を創設、紹介予定派遣を通じた正社員化(キャリアアップ助成金)の促進なども予定されています。
雇用調整助成金の特例措置を使っている企業は期間延長が終了したときの変更の対応を検討する必要があるでしょう。