税金基礎知識ブログ

従業員の配偶者に対する健診費用の会社負担

従業員の配偶者に対する健診費用の会社負担

従業員に対する健康診断は会社の義務

労働安全衛生法66条により、「事業者は、労働者に対し医師による健康診断を行わなければならず、労働者は、事業者が行う健康診断を受けなければならない」とされています。

こうした健康診断の受診費用は、通常必要と認められる範囲を超えるものを除き、会社の福利厚生費として扱われます。

なお、労働者ではない役員は、厳密に言うと労働安全衛生法の対象者ではありません。

しかしながら、健康管理義務がないわけではありませんので、法律上での義務がなくても健康診断を受診してもらうことで、実務上のリスクを下げることができるため、同様に会社の福利厚生費となります。

ただし、受診費用の負担対象者が役員や特定の地位にある者だけとされている場合には、その者に対しての給与として課税されます。

この場合には、経済的利益に係る給与として源泉徴収を行う必要が生じます。

さらに、役員の場合、定期同額給与に該当しない給与(賞与)として法人税の課税対象として扱われることにもなります。

役員・使用人の配偶者の健診費用会社負担

会社が役員または使用人の配偶者分の健診費用を負担している場合には、その役員または使用人の給与(経済的利益の供与)として扱われます。

課税扱いとなる理由は、会社は、法律上、配偶者の健康診断の実施義務を負っているわけではないためです。

また、一部大企業では配偶者分も会社負担となっているところもあるようですが、まだまだ社会一般的に行われているとは認められていないため、経済的利益の供与=給与扱いとなります。

給与扱いとなるわけですから、それに係る所得税の源泉徴収を忘れないようにしなければなりません。

健診費用の消費税での課税仕入れ不課税

会社の福利厚生費として扱われる健診費用は、自由診療に該当するため、消費税が課税されています。消費税の計算においては課税仕入れとして扱います。

一方、給与扱いとなる健診負担分(配偶者や特定の地位にある者だけへの負担)にも、消費税は課されています。

しかしながら勘定科目上は給与扱いですので、消費税の計算においては給与=不課税となります。

領収書に消費税額の記載があるからと言って、課税仕入れとして扱わないように注意が必要です。

インボイス制度関連記事

  1. 9月30日は土曜日 インボイスの登録申請
  2. コンビニの適格請求書登録番号は店舗ごとに違う可能性大
  3. 働き方が多様になりましたフリーランスと今後の税務
  4. インボイス不登録免税業者との取引での損失額
  5. フリーランスのインボイス対応
注目記事 最新記事
  1. 国税の信託型ストックオプションへの見解と税制適格ストックオプションの株価算定ルール
  2. 社会保険の「年収130万円の壁」注意点や例外
  3. 会社を廃業・清算する場合税金の支払はどうなる?法人税や消費税の支払いが必要!
  4. 大企業向け賃上げ促進税制のマルチステークホルダー経営宣言とは
  5. M&Aにおける失敗事例について
  1. 従業員に住所変更があった場合の社会保険と税金の手続き
  2. 離婚後同居で扶養継続の場合の社会保険・税金
  3. 埋蔵文化財包蔵地の評価
  4. 離婚と税金
    離婚と税金

    2024.09.11

  5. 改正入管法成立 育成就労制度とは

税務知識ブログカテゴリー

PAGE TOP