「生命保険料控除って何?」
「適用要件や控除額について知りたい!」
このような疑問や不安を抱えている人は少なくありません。
結論から言いますと、生命保険料控除とは、生命保険や医療保険などを支払っている人が受けられる所得控除のことです。
日本人の約9割に上る人が生命保険を利用していると言われています。そのため生命保険料控除は多くの人が利用できる可能性が高い所得控除です。
控除申請も難しくないことから、生命保険に契約し保険料支払いをしている人は、ぜひ申請するようにして下さい。
そこで今回は「生命保険料控除とは何か?適用要件や控除額について徹底解説!」をテーマに説明していきます。
ぜひ最後までご覧ください。
【目次】
生命保険料控除とは
生命保険料控除とは「所得控除」の一種であり、支払った生命保険料に応じて一定の金額が保険契約者の所得から控除される制度のことです。
生命保険料控除を適用することで所得税の支払いが減ることとなります。
年末調整で支払しすぎた所得税が戻ってきたことがある人も多いでしょう。
ほとんどの場合は生命保険料控除によって戻っていることが多いです。身近な所得控除であることが分かります。
尚、生命保険料控除には「新制度」と「旧制度」があり、申請枠が違ってきます。
違いについては以下の表を参照してみて下さい。
【新制度と旧制度の控除の種類】
新制度 2012(平成24)年 1月1日以後の契約 |
旧制度 2011(平成23)年 12月31日以前の契約 |
|
---|---|---|
控除の種類 | 一般生命保険料控除 介護医療保険料控除 個人年金保険料控除 |
一般生命保険料控除 個人年金保険料控除 |
生命保険料控除の対象
では、生命保険料控除の対象となる保険契約にはどのようなものがあるか一緒に確認していきましょう。
一般の生命保険料控除・介護医療保険料控除
一般の生命保険料控除や介護医療保険料控除に関して言えば、保険金受取人が、契約者や配偶者、その他の親族(6親等以内の血族と、3親等以内の姻族)である保険の保険が対処うとなります。
個人年金保険料控除
個人年金保険料控除は以下の全ての条件を満たし、個人年金保険料税制適格特約を付けた場合に対象とすることができます。
- 年金受取人が契約者またはその配偶者のいずれかであること。
- 年金受取人は被保険者と同一人であること。
- 保険料払込期間が10年以上であること(一時払は対象外)。
- 年金の種類が確定年金や有期年金の場合、年金受取開始が60歳以降で、かつ年金受取期間が10年以上であること。
尚、個人年金保険で「個人年金保険料税制適格特約」を付加していない場合や、変額個人年金保険は、一般生命保険料控除の対象となりますので注意が必要です。
生命保険料控除の控除額
生命保険料控除の控除額は、その年の1月1日からその年の12月31日までに払い込んだ保険料を基に計算されます。
尚、税制適格特約の付加された個人年金保険以外は、一般的にその年に支払われた配当金を差し引いた金額になります。
生命保険料控除(新制度)
生命保険料控除は新制度により控除額が減額されたが、個人年金保険料控除が新たにできたことによりトータルで見たら控除額は上がっています。
【生命保険料控除(新制度)】
所得税 | 住民税 | |||
---|---|---|---|---|
区分 | 年間払込保険料額 | 控除される金額 | 年間払込保険料額 | 控除される金額 |
一般生命保険料 ・ 介護医療保険料 ・ 個人年金保険料 (税制適格特約付加) |
20,000円以下 | 払込保険料全額 | 12,000円以下 | 払込保険料全額 |
20,000円超 40,000円以下 |
(払込保険料×1/2) +10,000円 |
12,000円超 32,000円以下 |
(払込保険料×1/2) +6,000円 |
|
40,000円超 80,000円以下 |
(払込保険料×1/4) +20,000円 |
32,000円超 56,000円以下 |
(払込保険料×1/4) +14,000円 |
|
80,000円超 | 一律40,000円 | 56,000円超 | 一律28,000円 |
生命保険料控除(旧制度)
【生命保険料控除(旧制度)】
所得税 | 住民税 | |||
---|---|---|---|---|
区分 | 年間払込保険料額 | 控除される金額 | 年間払込保険料額 | 控除される金額 |
一般生命保険料 ・ 個人年金保険料 (税制適格特約付加) |
25,000円以下 | 払込保険料全額 | 15,000円以下 | 払込保険料全額 |
25,000円超 50,000円以下 |
(払込保険料×1/2) +12,500円 |
15,000円超 40,000円以下 |
(払込保険料×1/2) +7,500円 |
|
50,000円超 100,000円以下 |
(払込保険料×1/4) +25,000円 |
40,000円超 70,000円以下 |
(払込保険料×1/4) +17,500円 |
|
100,000円超 | 一律50,000円 | 70,000円超 | 一律35,000円 |
生命保険料控除の手続き
生命保険料控除を受けるためには
- 年末調整
- 確定申告
いずれかの手続きにより申請することとなります。
年末調整
年末調整は「会社員」の方全員が行うひととなる手続きのことですが、年末調整において生命保険料控除証明書を添付することで、年末調整で控除を行うことができます。
尚、給与所得者であっても合計所得が2,000万円を超えている会社で年末調整が出来ませんので注意しておきます。
確定申告
自営業者やフリーランスは会社で年末調整を行うことができませんので、自ら確定申告する必要があります。
確定申告時において生命保険料控除証明書に記載されている金額を確定申告に記入するだけです。