登記簿に「換地」や「保留地」と記載される宅地は、土地区画整理事業の実施によって新しく整備された土地です。
一般の土地と同様に用途地域の指定等に従って建物を建築できます。
換地処分で土地の利用価値は高くなる
土地区画整理事業は地権者、地権者の作る組合や地方自治体などの公共団体が施行者となります。
地権者は自身の土地を施行者に提供し、代わりに区画整理された新たな土地を取得します(この土地を換地と言います)。
提供された土地の一部は、新たに道路や公園などの公共施設となり、また売却して事業資金に充当されます(この土地を保留地と言います)。
換地処分後の土地の面積は、従前より小さくなります(これを減歩といいます)が、土地は整形され住環境が改善されますので土地の利用価値は事業を実施する前より高くなります。
換地と保留地の評価
土地区画整理事業が施行される土地の評価は、造成工事の進行状況によって変わります。
仮換地が指定される場合は、仮換地に接する道路の路線価等によって評価します。
仮換地の造成工事が施工中で工事完了まで1年を超えることが見込まれるときは、仮換地の造成工事が完了したものとして評価した価額の95%相当額で評価します。
ただし、仮換地に障害となる物があるなど特別の事情で使用収益を開始できる日が別に定められ使用収益を開始できないとき、仮換地の造成工事が行われていないときは、従前の宅地の価額で評価します。
換地処分が完了すると、換地や保留地として登記簿に登記されます。
換地も保留地も一般の土地と同様に路線価等により評価します。
路線価には換地処分によって利用価値の高まった部分が反映されています。
用途地域や土地の境界を確認する
土地区画整理事業が完了すると、登記簿の表題部には、その土地が換地処分された土地である旨と換地処分の日付が記載されます。
土地区画整理事業の施行区域は、市区町村のWEBで公開されています。
事業の詳細は市区町村の都市計画課で確認できます。
用途地域の指定等による建築制限の内容を確認し、施行区域の換地図と公図、測量図をもとに、宅地の形状と隣地との境界標の位置を確認します。
実際の宅地の形状や利用状況、境界標の位置については、現地を実査して確認しましょう。