「iDeCoのメリットは分かったけどデメリットはあるの?」
このような不安や疑問を抱えている人は少なくありません。
結論から言いますと、iDeCoにはいくつかデメリットがあります。
デメリットとメリットについてしっかり把握してから加入を検討することが大切です。
今回はiDeCoのデメリットについて詳しく説明していきます。
【目次】
iDeCoのデメリット7つ
iDeCoには「掛金全額控除」「運用益非課税」「受取時の税制優遇」という3つの税制メリットがあるが、実はデメリットも存在します。
iDeCoに加入を検討する際には、iDeCoのデメリットについてもしっかり理解を深めておかなければ、「こんなハズじゃ無かった」と後悔する可能性もあるため注意が必要です。
iDeCoの具体的なデメリットは以下の7つです。
- 原則60歳迄解約できない
- 投資の上限額が決まっている
- 元本割れリスクがある
- 金融機関を自分で選ぶ
- 手数料がかかる
- 加入制限がある
- 受取方法によっては税金がかかる
それぞれについて詳しく説明していきましょう。
原則60歳迄解約できない
iDeCoは加入すると原則60歳まで解約が出来ません。
なぜならiDeCoは老後のための資金形成として作られた制度だからです。
定期預金は原則即日、投資信託であっても1週間程度あれば資金化することが可能ですが、iDeCoは原則資金化は出来ません。
iDeCoを脱退し一時金を受ける事も特例として可能ではありますが、国民年金保険料の納付を免除されている等一定の条件が無ければなりません。
会社員や自営業者として仕事をしている内は原則解約できませんし、無職であっても扶養に入っている場合は解約できません。
つまり、長期的な資金形成商品ですので、生活費を使ってiDeCoを利用するのはリスクがあることを認識する必要があります。
投資の上限額が決まっている
iDeCoは掛け金が全額控除になるなどメリットが大きいため、資金に余裕がある人は沢山掛けておきたいと考える事もあるでしょう。
しかしiDeCoには毎月掛けられる上限があります。
例えば自営業者の場合は68,000円まで、会社員や公務員であれば月額23,000円(企業年金が無い場合)、もしくは月額20,000円(企業型確定拠出年金がある場合)となっています。
資金に余裕がある人は、iDeCoのみの資産形成では少々投資額が少ないと感じるかもしれません。
元本割れリスクがある
iDeCoは掛け金をおいておくだけでは無く、自分自身で運用先を決めなければいけません。
運用先としては
【元本確定商品】
- 定期預金
- 満期付き生命保険
【リスク商品】
- 投資信託
等があります。
特に投資信託を選択する場合は、利回りが元本確定商品に比べ良い代わりに元本割れのリスクがあることに注意して下さい。
ただし、投資信託は長期で投資することで一般的にリスクは薄まっていくので、60歳の出勤時に掛金よりも少なくなっているというリスクをそこまで深く気にする必要もありません。
※ただし、外債等為替リスクのある商品を考慮していません。
元本割れのリスクが嫌であれば、保険や定期預金の運用をおすすめしますが、iDeCoを運用する上で手数料がかかるので、定期預金等の利回りでは運用益で手数料を賄えないというデメリットも理解する必要があります。
金融機関を自分で選ぶ
iDeCoに加入するには、自分で金融機関を選ぶ必要があります。
また金融機関によって運用できる商品に違いがあったり、手数料率が違ったりと違いがあるため、確認しておくことが望ましいです。
基本的には自分のメインバンクでiDeCoの取扱いがあるのであれば、そこで行うことが望ましいでしょう。
口座振替となるため、新たに口座を開設してiDeCoを始めるのが面倒でなければ、自分の好きな金融機関を選ぶのも良いかもしれません。
尚、iDeCo口座は原則1つの金融機関でしか出来ませんので注意が必要です。
手数料がかかる
iDeCoに加入すると、維持手数料等の手数料がかかります。
まず、口座を開設する際の加入時手数料が2,777円、iDeCoを管理する国民年金基金連合の他、金融機関に支払う手数料が少なくとも毎月167円の手数料が必要です。
金融機関によっては以上の手数料に独自に手数料を上乗せしている事もあります。また、逆に金融機関が手数料を負担して、顧客は手数料負担がかからないという場合もあります。
加入する金融機関の条件については一度確認する必要があります。
尚、手数料に関しては60歳までかかり続けます。つまり
- 専業主婦(夫)になった人
- 子供が出来て働けなくなった女性(休職時)
も関係なく手数料が引かれます。
掛け金に関しては口座振替にならなければ落ちることはありません(信用情報が傷つくこともありません)が、手数料に関してはかかり続けるので注意が必要です。
加入制限がある
iDeCoには加入制限があります。
- 60歳以上の人
- 海外在住の人
- 農業者年金に加入している人
- 国民年金保険料を払っていない人
- 企業型確定拠出年金の規約でiDeCoの加入が認められていない人
等はiDeCoに加入することは出来ません。
以上の条件に途中で該当してしまった場合は、中途で脱退手続きとなります。
受取方法によっては税金がかかる
iDeCoは受取時に
- 退職所得控除
- 公的年金等控除
の適用を受けることが出来ますが、例えば「会社の退職金支払い時期と被ってiDeCoを退職金として受け取った」場合等は、退職金控除の枠を超える可能性があるため、税金がかかる可能性があります。
【退職所得控除】
勤続年数 | 退職所得控除額 |
---|---|
20年以下 | 40万円×勤続年数 (80万円に満たない場合は80万円) |
20年超 | 800万円+70万円×(勤続年数-20年) |
以上の計算式に当てはめて、控除を超える場合は税金がかかりますので注意が必要です。
まとめ
- iDeCoは60歳まで解約出来ない
- iDeCoは加入時、運営時手数料がかかる
- iDeCoは元本割れのリスクがある
iDeCoには3つの大きなメリットがある反面7つのデメリットがあることについて理解出来ましたでしょうか。
基本的にデメリットを全て勘案してもiDeCoをやるメリットは大きいものと考えられますが、例えば「60歳間近の人」や「専業主婦」の人がiDeCoをやるとメリットよりもデメリットの方が大きくなります。
自分の所得や今後の仕事・キャリアを考えながらiDeCoの加入については検討してみる必要があります。