「2020年はコロナの影響で税務調査件数が減ったって本当?」
「2021年もコロナの収束が見えないし、調査件数が減る可能性がある?」
このような疑問を抱えている人は少なくありません。
結論から言いますと、コロナの収束が見えない2021年ですが、今年は税務調査の件数が増えると言われています。
昨年できなかった分がありますので、2021年に追加されて税務調査が行われる可能性が高いです。
今回はコロナにより税務調査の件数が減るのか?について解説しています。
【目次】
コロナの影響で税務調査件数が激減
2020年の税務調査件数は、新型コロナウイルス感染症拡大の影響により例年の調査件数と比較して減少する結果となりました。
2019年の調査件数と比較すると、法人税で約20%、所得税で約30%、消費税で約20%件数が減少しています。
原因の主な理由としては緊急事態宣言により外出自粛措置となったことが挙げられます。
まだまだコロナの収束が見えない状況ですが2021年も2020年同様に税務調査件数が少なくなることはないのでしょうか。
2021年の税務調査件数は増える可能性が高い
実は2021年の税務調査件数は増える可能性が高いです。
コロナの収束が見えない中ではありますが、20201年は2020年に行えなかった税務調査の分も追加して行われる事から、例年並みか例年より税務調査件数が増えるとされています。
脱税の刑事事件摘発も進行がだいぶ遅れており、2021年は本格的に脱税指摘に動き出す可能性が高いです。
税務官のノルマも関係してくる
尚、税務調査を行う税務調査官にはノルマがあることを皆さんはご存じでしょうか。
税務調査官は税務調査を行った件数や、どれだけ多くの脱税を回収できたからどうか自分自身の評価が変わってくるので、基本的に税務調査を減らすという選択肢はありません。
昨年できなかった分を今年取り戻す動きが起きる可能性が高く「コロナだから調査はない」と考えている人は注意が必要です。
税務調査が行われる時期
税務調査は基本的に一年中行われていることから、いつどこで調査に入られるかは分かりません。
ただし、年末調整や確定申告で多忙になる1月~3月、多くの企業が決算を迎える3月末~6月は、税務署職員が多忙になることから税務調査が行われることは少ないです。
つまり、税務調査は一般的に秋口~冬のはじめに行われることが多いです。
万が一に備え、その時期までにある程度税務調査の対策を講じておくようにしましょう。
税務調査には事前通知が行われる
税務調査には
- 任意調査
- 強制調査
の二種類の調査があり、その内任意調査の場合は事前に税務調査に入るという通知が行われることから、ある程度対策を講じることが可能になります。
任意調査
任意調査で事前通知が来たら、税理士と顧問契約している場合はまず税理士に相談してみましょう。
自分で決算をしている人は、税理士が立会をすることは難しいかもしれませんが、税務調査の傾向と対策を教えてもらうことが出来るため、同様にお近くの税理士事務所に相談するのが良いでしょう。
強制調査
強制調査の場合は、ほぼ間違い無く脱税しているという確証があり、かつ悪質の場合に行われる調査で、事前通知が行われません。
事前通知することで脱税を隠ぺいされる可能性がある先についても強制調査が行われます。
尚、強制調査の場合は裁判所からの令状を持参して行われます。
一般的な個人事業主や中小零細企業の場合強制調査に入られる可能性はほとんど無いため、税務調査の対策をすることが可能です。
2021年の税務調査は個人も警戒が必要
2020年に満足の行く調査が出来なかったことから、2021年は大幅に調査件数が増えることが予想されます。
2021年の調査では法人だけではなく、個人事業主、一般個人の調査も増える予想であることから要注意です。
- 相続で多額の資産を受け取った
- 贈与で現金を受け取った
等の出来事があった人は、特に今年の税務調査には注意が必要です。
基本的に法人や事業主への調査が多いですが、多額の資金が動いたケースでは一般個人も調査に入られる可能性があります。
税務調査では
「会計処理の方法を知らなかった」
「間違った数字を算出していた」
「悪意は無かった」
という場合でも脱税としてみなされます。
延滞税や加算税が科せられるため、申告時点で確実で間違いのない申告を心がける必要があるという事です。
まとめ
- 2021年はコロナ禍にあっても税務調査は増加すると考えられている
- 税務調査にはノルマがあり、減少するのは考えにくい
- 税務調査は秋口に多く行われることから事前に対策を講じておく
税務調査の対策方法が良く分からないという人は、お近くの税理士事務所に相談してみるのが良いでしょう。
無料相談会等も実施している場合があります。
2021年は税務調査件数が増える見込なので、事前に税理士に依頼しておくことで対策を講じることが可能です。