「友人から無利息でお金を借りたけど税金がかかるって本当?」
「お金を貸して利息収入を得たけれど申告って必要?」
このような疑問や不安を抱えている人は少なくありません。
結論から言いますと、一般的に金銭の授受に税金は関係ありません。
しかし、貸した場合や借りた場合の「金利」に関して注意しなければ、貸主・借主両方に税金が発生する可能性があります。
今回は、お金を貸した際に関係してくる税金について説明します。
【目次】
友人に貸したお金に税金がかかる?
結論から言いますと、お金を借りる事自体には税金はかかりません。
これは、車や住宅ローンを借りた時に税金が関係していないことからも分かると思います。
しかしここで注意したいのが「金利」についてです。
お金を貸す場合や借りる場合の金利設定によっては、金銭の貸し借りには税金が関係してくる可能性があります。
お金の貸し借りでは
- 贈与税
- 所得税
以上の税金が関係してきます。
贈与税は、お金を借りる側、所得税はお金を貸す側に関係してくる税金です。
それぞれの立場でどのように税金が絡んでくるのか紹介していきます。
お金を借りる側は贈与税に注意
お金を借りる場合は「金利」として借りるための対価を支払います。
簡単に言うと、100万円を年間10%で1年間借入した場合、10万円の利息がかかります。
この10万円の利息が、100万円借りた場合の対価です。
例えば、友人がお金を貸す際の条件を
「利息は要らないから100万円ちゃんと返すように」とした場合、この100万円を貸すという行為に対して利息という対価を支払っていないことになります。
対価を支払わないでお金を借入出来た人は、本来払うべきものを払わなかったとして、その利息部分に関しては「贈与」を受けたことになります。
つまり、本来10万円支払う必要があるのに、10万円の支払いを免除されているため、10万円に対して贈与税を納税する必要がありということです。
【ポイント!】
無利息でお金を借りた場合は、本来払うはずだった利息分の贈与を受けたこととみなされる。
贈与税がかからないためには
贈与税がかからないようにするためには、以下の点に注意して下さい。
- 年1.0%以上の金利を付ける(金利が低いと実質贈与とみなされる可能性もあります)
- 借入額は常識的な範囲で行う
- 返済は月1回で、毎月定期的に行う
- 金銭消費貸借契約証書を作成の上借入する
簡単に言うと、贈与ではなく借入であるという証明が出来れば問題ありません。
そのためにも金利を設け、返済が可能な常識的な範囲で借入を行い、確実に返済を行う必要があります。
お金を借りる際には、「貸主」「借主」「借入金額」「返済回数」「金利」「最終期限日」「延滞損害金」等を記載した金銭消費契約証書を作成しておくようにしましょう。
決して口約束だけで行わないようにして下さい。
お金を貸す場合は所得税に注意
借りる側は贈与税の対象になる可能性がありますが、実は貸す側は、貸した際の利息収入が所得税の対象になる可能性があります。
ここで勘違いしやすいのが、貸付金の所得は「利子所得」にはならないということです。
利息なのに利子所得では無いのか?という疑問を持つ人も多いですが、貸付金の利息は「雑所得」として計上されます。
利子所得に関しては源泉分離課税となっているため、一般的には確定申告が不要になります。
身近な例で言えば、銀行預金の利息は「利子所得」として計上されますが、銀行預金利息を確定申告することはありません。
しかし、雑所得となれば、源泉分離課税にはならないため、自ら確定申告する必要があります。
また、総合課税となるため他の所得と合算した総所得に税率をかけて納税額が決定します。
【ポイント!】
貸付金の利息は雑所得として計上される。
所得区分は間違えないように注意しましょう。
所得区分を間違えると、納税額自体を間違えてしまい、税金の未払いや過払いが発生する可能性があります。
友人にお金を貸した際の利息収入を隠しても良い?
結論から言いますと、利息で得た雑所得は正直に申告するようにしましょう。
実際は税務署にバレるかどうかは分かりません。
しかし、バレた時には「延滞税」や「無申告加算税」等のペナルティを受けるリスクがあり、おすすめ出来る方法とは言えません。
普段から確定申告している人はまとめて申告するようにして下さい。
今まで確定申告したことが無くて全く分からないという人は、税理士の無料相談会等を利用して、確実に申告するようにしましょう。
まとめ
- お金を借りる事自体に税金はかからない
- お金を無金利で借りたら、本来払うはずの金利部分が贈与税の対象になる
- お金を貸して収入を得たら、雑所得として納税の義務が発生する
友人とのお金の貸し借りとはいえ、金利が絡む以上税金も関係してくることを覚えておく必要があります。
特に確定申告する必要があるケースは、自分で全部行うのが不安な人も多いでしょう。
贈与税や所得税が発生する可能性がある人は、お近くの税理士に相談することをおすすめします。
特に今まで確定申告したことが無い人は、確実に納税出来るように一度相談しておくことが望ましいです。
後々税務署に指摘されることが無いよう、税理士への相談を検討してみてはいかがでしょうか。