税務知識記事一覧

未支給年金の課税関係

未支給年金の課税関係

被相続人が死亡するまでの間に受けるべきであった年金で支給されていなかったもの(未支給年金といいます)には相続税が課されません。

相続税法の非課税財産と規定されているわけでもないのに、課税されないのは何故でしょうか。

国税庁のサイトには、遺族の未支給年金請求権に相続税を課さない理由を次のように解説しています。

最高裁が未支給年金の相続性を否定

国民年金や厚生年金等の公的年金では、年金受給者が死亡した場合、被相続人と生計を一にしていた3親等内の親族の中から、配偶者、子、父母、孫、祖父母、兄弟姉妹、それ以外の者の順に未支給年金の受取人を定めています。

未支給年金の請求について、最高裁は、その相続性を否定し、民法の相続とは別に遺族の生活保障を目的とした立場から遺族に未支給年金の支給の請求を認め、その請求権は相続の対象とはならないと判示したため、国税庁も本来の相続財産として相続税の課税対象とならないと解しています。

定期金を受給する権利に該当しない

個人年金や退職年金の受給権については、継続受取人に対し、みなし相続財産として相続税が課されます。

年金で受給するか一時金で受給するかは、年金受取人の選択で決めることができ、課税上は年金も一時金も同様に、みなし相続財産となります。

これに対し、国民年金や厚生年金等の未支給年金は、法律で受給権者と受給する順位が定められ、一方的に付与されるものであり、最初から一時金のみを支給するため、みなし相続財産に該当しません。

なお、未支給年金の受取人には一時所得として所得税が課されます。

遺族への年金には相続税を課さない

国民年金、厚生年金等の公的年金で支給される遺族年金には、相続税も所得税も課さず、未支給年金にも相続税を課さないことが、それぞれの法律で規定されています。

相続税では、通達で遺族年金は課税しない旨が示され、未支給年金は質疑応答事例により、課税しない旨が示されています。

個人年金や退職年金は、公的年金に上乗せして老後の生活を補てんするので遺産分割の対象となり、相続税が課されるのに対し、遺族年金や未支給年金は、遺族の生活保障のために支給されるので遺産分割の対象とならず、相続税を課さないと考えると理解しやすいかもしれません。

インボイス制度関連記事

  1. インボイス制度 事業者登録が遅れたら?
  2. インボイス不登録免税業者との取引での損失額
  3. 通勤手当の税と社会保険
  4. 制度開始目前のインボイス登録
  5. 消費税の基本的な仕組み
注目記事 最新記事
  1. 扶養控除とは何か?適用要件や控除額について徹底解説!
  2. 学生も社会保険に加入の義務あり?
  3. 途中入社の方の住民税の特別徴収への切替手続きは済んでいますか?
  4. 相続税の納税資金として融資を受けることは出来るのか?
  5. 事業再構築補助金交付決定者必見! 産業雇用安定助成金
  1. 「定額」ではないケース 住民税の定額減税
  2. 中小企業での逆求人活動
  3. 賞与の支給日在籍要件
  4. 換地と保留地
    換地と保留地

    2024.07.17

  5. 就労にブランクのある人の活用

税務知識ブログカテゴリー

PAGE TOP