税金基礎知識ブログ

M&Aの専門家に支払う報酬額について解説

M&Aの専門家に支払う報酬額について解説

「M&Aを専門家に依頼する場合、どのくらい報酬が必要?」

このような疑問を抱えている人は少なくありません。

結論から言いますと、M&Aを専門家に依頼する場合は、様々なタイミングで報酬が発生します。

専門家によっては成功報酬以外かからないケースもありますが、相談時からお金が発生する可能性もあります。

一般的にどのタイミングで報酬が発生するのか、相場はどのくらいなのかと把握しておくことが、今後M&Aを専門家に依頼する際の参考になるでしょう。

M&Aにおける専門家報酬について

M&Aを行う場合、多くの場合がM&Aの専門家とアドバイサリー契約を結び進めていきます。

専門家と契約を結ぶ際には、もちろん一定の専門家報酬が必要となりますが、実際にはどの程度の報酬が必要となるのでしょうか。

専門家報酬が発生するケースは以下の場合です。

  • 相談時
  • 着手時
  • 中間金支払い
  • 成功報酬
  • リテイナーフィー
  • デューデリジェンス
  • 業務遂行費用

それぞれについて詳しく説明していきます。

相談時

相談料とは、アドバイサリー契約を結ぶ前にM&Aについて専門家に相談をする場合に発生する報酬となります。

一般的にはほとんどの専門家が相談時の報酬を無料にしていますが、一部の業者では1回の相談につき5,000円~10,000円程の相談料がかかる場合もあります。

相談前には一度相談時手数料が必要なのか、メールや電話で確認することも大切です。

着手時

M&Aを実際に着手する際に着手金として専門家報酬が発生するケースがあります。一般的な相場は50万円~200万円と幅が大きく設定されています。

この着手金はM&A時の調査や企業判定等に利用されることから、途中で契約を破棄したとしても、基本的に一度払って着手金は戻ってこないので注意が必要です。

尚、着手時の報酬が必要ない専門家も存在しますので、相談時に費用については確認しておくようにしましょう。

中間金支払い

中間金とは、M&Aにおける「基本合意契約」を締結した際に支払う手数料のことです。

中間金の一般的な相場は50万円~200万円または成功報酬の10%~25%程度に設定されています。専門家によって報酬が前後するケースや、企業の規模によっても報酬が大きく変わります。

また、中間金が発生しない専門家も一定数おりますので、こちらも事前に確認しておくと良いでしょう。

尚、「基本合意」はM&Aを基本的に合意するという意味で締結されることから、ほとんどの場合M&Aが成立します。

しかし、企業調査の結果においては「買収を取り下げる」という結果になる場合もあります。その際に中間金で支払った分は帰ってきませんので注意が必要です。

成功報酬

M&Aが成功、つまり最終契約を結んだ際に支払う手数料が「成功報酬」とよばれます。

成功報酬はM&Aが成約にならない限りかからない費用となります。

成功報酬はM&Aをした企業の規模にもよりますが、一般的に100万円~500万円と言われています。

リテイナーフィー

リテイナーフィーとは、M&A会社に月次で支払う手数料のことを言い、月額報酬と呼ばれることもあります。

リテイナーフィーは、一定期間の継続的な業務に対して支払われる資金ですので、M&A専門家にアドバイサリー契約を結んでいる間は必要になります。

リテイナーフィーの相場は30万円~200万円程度と言われていますが、M&Aが長期化すればするほど資金も多額になってくるので、抑えたいのであればリテイナーフィーを避けることも検討する必要があります。

デューデリジェンス

デューデリジェンスとは、M&Aをする際の企業調査のことを言います。一般的な相場は10万円~70万円程度となっています。

デューデリジェンスの費用は、着手金や成功報酬に既に組み込まれていることが多いため、別で必要になるケースは多くありません。

もし不安があるのでしたら依頼検討している専門家に一度問い合わせすることをおすすめします。

業務遂行費用

業務遂行に掛かる費用も専門家費用として請求されることがあります。

例えば、自社の評価額を上げるために行われる工場視察や店舗視察などの出張費用が、実費で請求される可能性があります。

一般的に着手金や成功報酬に組み込まれていることが多いため、一度確認することをおすすめします。

報酬一覧

今まで紹介した専門家報酬についてまとめましたので、参考にしてみて下さい。

<報酬一覧>

報酬発生時 参考報酬金額
相談時 5,000円~10,000円
着手時 500,000円~2,000,000円
中間金支払い 500,000円~2,000,000円
成功報酬 1,000,000円~5,000,000円
リテイナーフィー 300,000円~2,000,000円
デューデリジェンス 100,000円~700,000円
業務遂行費用 出張等のケースによる

まとめ

  • M&A業務の様々なポイントで報酬が発生する
  • 相談時や着手時に報酬が発生しない専門家も多い
  • 成功報酬のみの専門家もいる

M&Aの報酬は決して安いものではありません。確実なM&Aをしたいけれど、極力お金はかけたくないという人も多いでしょう。

成功報酬のみの専門家であれば、M&Aが成立するまで費用が掛かることがないので安心ですが、成功報酬が他の専門家より高い場合もあり、様々な視点で専門家を探さなければいけません。

ただし、基本的には「この人は信頼できる」という専門家に依頼するのが一番間違いのない方法です。

いくら報酬が安くても手続きが雑であったり、評判が悪かったりする場合などはお勧めできません。

M&Aにおいては何人かの専門家に相談して、安心できる人とアドバイサリー契約を結ぶのが良いでしょう。

専門家にも適不適がありますので、適当に決めるのではなく、しっかり見極めることも大切です。

M&A相談は税理士など専門家にすることをおすすめします。

注目記事 最新記事
  1. 通勤手当を廃止して実費精算にした場合の給与計算
  2. 制度開始目前のインボイス登録
  3. 決算で減価償却費を利用した利益調整を行う方法
  4. 決算において減価償却しないことは認められている?
  5. 社会保険の「年収130万円の壁」注意点や例外
  1. 年の中途に退職した人の年末調整
  2. 保険料控除証明書の到着は必要な保険か否かを見直す好機です
  3. 採用と健康状態の調査
  4. 見落としがちな「逆パワハラ」
  5. 不法就労助長とリスク

税務知識ブログカテゴリー

PAGE TOP