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コロナ対策の重荷で雇用保険料引き上げ

コロナ対策の重荷で雇用保険料引き上げ

2023年4月から0.2%引き上げ

厚生労働省の労働政策審議会は雇用保険料を2023年4月から0.2%引き上げることとし、労使が負担する保険料率は賃金の1.35から1.55に上げることを了承しました。

労働者の料率は0.5%から0.6%に、事業主は0.85%から0.95%と0.1%ずつ上がります。

新型コロナ禍の雇用下支えが長期化し財源の枯渇を招いたのです。

財源の正常化遅れる

雇用保険制度は保険料を事業主と労働者が負担する「失業等給付」と「育児休業給付」、事業主のみが負担する「雇用保険2事業」の3つの区分があり、改定は失業給付向けの保険料だけを改定します。

コロナ禍で膨大な資金を使ったためで、従業員の休業時などに支給する雇用調整助成金は支給要件を大幅に緩和したこともあり、2022年12月初旬で6兆2千億円を超えて支給しました。

雇調金は2事業の積立金から支払うことになっていますが、不足したため失業給付積立金から借り入れる事態となったのです。

もともと失業給付の積立金は潤沢であったので保険料率を法定の原則より下げた状態が続きましたが、今回の引き上げ改定で原則に戻ることになります。

会社の支出が増えるほか手取りも減るので経営者が賃上げしても労働者に実感してもらいにくい状況ではあります。

雇調金で失業抑制の一方で

世界の主要国はすでにコロナ禍で特例的に実施した雇用の下支えは終了していますが、日本は2023年3月に終了を予定しています。

労働政策研究機構によると英米はコロナ禍直後に集中的に下支えを実施、21年度中に終了したところもあり、世界的に雇用下支えの縮小、終了となってきています。

厚労省は雇用調整助成金で失業率を抑制できた、100万人規模の雇用を守ったと試算しています。

一方で雇用調整助成金は、企業が過剰労働力を抱えているのに労働市場に出る求職者を減らす面があります。

雇用を守り失業を防ぐ半面、新規労働市場に出る求職者が減ってしまうということがあります。

足元では人手不足にも対処しなくてはなりません。

成長分野への労働移動を阻害しないように努める必要もあります。

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