税金基礎知識ブログ

令和5年度税制改正大綱『個人所得課税編』

令和5年度税制改正大綱『個人所得課税編』

個人所得課税では、「資産所得倍増プラン」をもとに、NISA制度やスタートアップ支援制度を中心に見直しが行われます。

NISAは投資枠の拡充と制度を恒久化

新たなNISA制度では、投資枠が「つみたて投資枠」として、年120万円(これまで年40万円)、「成長投資枠」として年240万円(これまで年120万円)、併用を可能にして、合計で年360万円、累計1,800万円(うち成長投資枠の累計は1,200万円)まで大幅に拡充されます。

非課税となる保有期間は、無期限とし、制度の恒久化が図られます。令和6年1月から適用されます。

摘要 つみたて投資枠 成長投資枠
投資上限額 年120万円(従前は年40万円) 年240万円(従前は年120万円)
非課税期間 無期限(従前は最長20年) 無期限(従前は最長5年)

スタートアップへの再投資に非課税措置

スタートアップへの資金供給を強化するため、保有株式の譲渡益を元手にして、創業者が創業した場合やエンジェル投資家がプレシード・シード期のスタートアップに再投資を行った場合、20億円を上限に株式譲渡益に課税しない制度が創設されます。

また、ストックオプション税制の権利行使期間の上限を15年(現行10年)に延長し、スタートアップの事業を後押しします。

高所得者の税負担を適正化

税負担の公平化の観点から、極めて高い水準の所得者に対して、基準所得金額から3.3億円を控除した金額に22.5%の税率を乗じた金額が、基準所得税額を超過する場合には、その超過した差額について追加的に申告納税を求めます。

令和7年分以降の所得税から適用されます。

相続空き家の特例は適用要件を改正

相続空き家の特例は、建物譲渡の翌年2月15日までに耐震基準に適合させるか、取壊し等を行えば適用できるようになります。

また、建物、敷地の相続人が3人以上の場合、特別控除額は2,000万円とされます。

令和6年1月1日からの譲渡に適用されます。

特定非常災害損失の繰越控除期間を5年に

特定非常災害により生じた損失について、雑損失や純損失の繰越期間を例外的に5年(現行3年)に延長します。

注目記事 最新記事
  1. 海外在住で日本企業にリモート勤務の所得税と社会保険
  2. 社会保険の「二以上勤務届」と給与計算
  3. 税務調査における追徴課税の平均額はいくら?こんなケースには注意する!
  4. 事業再構築補助金交付決定者必見! 産業雇用安定助成金
  5. 交際費と社内飲食費
  1. 年の中途に退職した人の年末調整
  2. 保険料控除証明書の到着は必要な保険か否かを見直す好機です
  3. 採用と健康状態の調査
  4. 見落としがちな「逆パワハラ」
  5. 不法就労助長とリスク

税務知識ブログカテゴリー

PAGE TOP