棚卸資産とは
販売を目的として購入した資産で決算日や月末に売れ残った資産です。
業種業態で勘定科目は様々ですが、販売業では「商品」が一般的です。
製造業では「原材料」「仕掛品」「製品」と3つあります。
建築業では「仕掛工事(原価)」、不動産業では「棚卸不動産」などがあります。
以上は貸借対照表の勘定科目です。
損益科目もあります
損益計算書にも棚卸資産は登場します。
販売業の例でいうと「期首商品棚卸」と「期末商品棚卸」です。
期首商品棚卸+商品仕入-期末商品棚卸=売上原価
となります。
製造業・不動産業も基本的には同じ考えですが、建築業は違います。
そもそも建築業は売上の計上の仕方で損益の計算の仕方が工事進行基準と工事完成基準の2つあります。
工事進行基準では工事の進捗に合わせて売上を計上しますから「仕掛工事」自体がありません。
工事完成基準では工事が完成するまでは掛かった費用は全て「仕掛工事」として処理され、完成した工事分だけが「完成工事原価」という損益科目に振り替えられます。
在庫処分の正しい処理
経理業務の本来の目的は現場にいない人に現場の取引を正しく報告することです。
現場で在庫処分があったことを正しく伝えるためには、以下の処理が必要です。
決算時に在庫を棚卸します。
1,000の金額の棚卸があったとします。
そのうち200がもう売れそうもないので廃棄処分した場合の処理は以下となります。
(期首商品棚卸)/(商品)
この金額はB/Sの商品の金額です。
(商品)1,000/(期末商品棚卸)1,000
(棚卸廃棄損)200/(商品)200
廃棄処分した200は無いのだから在庫は800でよいと思いがちですが、以下の処理だと在庫処分したかどうかがわかりません。
(商品)800/(期末商品棚卸)800
これでも利益の結果は同じになります。