従業員の年齢で必要な社会保険手続きは?
企業の定年年齢の引き上げや年金支給開始年齢の繰り下げ年齢延長等で高齢者の雇用の機会が増えています。
高年齢者社会保険の年齢による手続きを解説します。
年齢については「年齢計算に関する法律」という法律で決まっています。
法律上は「誕生日の前日」に年齢を1つ重ねるものとされています。
社会保険の手続きにおいても年齢到達日は「誕生日の前日」と定められています(例外75歳到達時は誕生日当日)。
60歳に到達した時の社会保険手続き
定年後引き続き再雇用する場合、雇用条件の見直しや給与の低下があるケースが多いでしょう。
社会保険と雇用保険の手続きが必要になります。
- 健康保険・厚生年金保険
定年後引き続き雇用されていても給与が低下するなど変更があれば普通なら3か月後に月額変更を提出しますが、定年後再雇用は4カ月後を待たず定年退職日で資格喪失をして再雇用された日で資格取得をする「同日得喪」手続きにより社会保険料がすぐに改定されます。
- 雇用保険
60歳に到達し定年後再雇用されると条件により「高年齢雇用継続給付」が支給されます。低下した給与の減額分を雇用保険で補填する仕組みです。
条件は- 60歳以上65歳未満
- 60歳時点と比較して賃金が75%未満に下がった
- 雇用保険の被保険者期間が5年以上
人事担当者は賃金が下がったかどうかでなく、60歳になったら「60歳到達時等賃金証明書」をハローワークに提出しておきましょう。
また、65歳になった時は給与から介護保険料は徴収せず本人が自治体に支払います。
70歳・75歳に達した時の社会保険手続き
被保険者が70歳に達した時は厚生年金の「資格喪失」手続きが必要です。
年金受給は原則65歳からですが、保険料の支払いは70歳までです。
70歳以上の方を新たに雇用した時は「健康保険資格取得届」の70歳以上被用者該当に印をつけます。
75歳に到達した時は「健康保険資格喪失届」を出します。
75歳から健保は「後期高齢者医療制度」の対象者となり、保険料の徴収や窓口業務は自治体で行います。