改めて人事評価の基本を
リモートワークが推進される中、決算期を迎える企業では、人事評価の時期が近づいてきていると思います。
部下の姿が見えない中で、どのように評価を行えばよいのか、とまどっている管理職も多いと思われます。
一方で、部下の姿が見えないからこそ、仕事の成果や組織への貢献そのものに着眼して評価を行える状況ともいえます。
これを機会に、管理職に対して、改めて評価基準や適正な評価方法を徹底しましょう。
一般にいわれる陥りやすい評価エラーとしては、ハロー効果(ある部分だけを見て全体を評価してしまう)や、近接誤差(評価時期に近い出来事を過大に評価してしまう)などがありますが、リモートワーク下において特に気を付けるべきは、以下の2つと考えられます。
<中心化傾向>
複数人に対して評価を行った際、優劣の差がつけられず標準評価によってしまうこと。評価対象の部下についてよく理解していない場合に起こりやすい。
<論理的誤差>
「後輩の面倒見がよい人間は、リーダーシップもとれている(だろう)」など、関連がありそうな項目について、類似した評価をしてしまうこと。具体的な事実やデータを重視せず、評価者の頭の中だけで考えてしまうと起こりやすい。
評価エラーを回避するために
前述の2つの評価エラーは、部下が仕事をしているプロセスが見えにくいことによって発生しやすいと考えられます。
これらを回避するために、まずは評価基準に照らして、評価すべき具体的な事実や対象を見定めましょう。
オンラインの利点は、メールなど文字での記録が残るため、あとから事実確認をしやすいということがあります。
やはり、部下とのコミュニケーションも大切です。
結果だけではなく、そのプロセスを確認しましょう。
どのようなことを考え、工夫したか。
誰と協働して、どういった困難があったか。
評価は、能力開発の機会でもあります。面談を制度化していない場合には、ぜひ対話の時間をとって、今後期待することも話してみてください。