どんな会社も記帳はしています
企業には必ず経理担当者や経理部門があります。
経理担当者がいない零細な企業でも、社長自身や奥様など誰かが必ず現金・預金の出納帳や、取引の記録を記帳しています。
記帳といっても現在ではパソコンへの入力です。
現在の制度会計(法律で定められた会計方法)では、複式簿記という方法で記帳することとされております。
経理ソフトに入力された科目や摘要や金額は、自動的にこの複式簿記の方法で集計され結果として決算書(貸借対照表と損益計算書)に集約されます。
複式簿記とは
複式簿記のそもそもの起源は、諸説ありますが、13世紀末から14世紀のイタリアルネサンス時代に発明され、15世紀から17世紀の大航海時代に普及したという説が有力です。
大航海時代、商人は船を仕立てて積み荷や食料や船員を雇い入れ、遠くアフリカやインドへ出向き、香辛料や宝石を安く仕入れ、それをヨーロッパで換金し儲けたわけです。
大変な危険を伴い、命を落としかねないリスクのある航海です。リスクが高い分儲けも多かったのだと思います。
しかし儲けようと思った商人達は、決してそんな危険な航海には行きません。
航海に出て行ったのは、命知らずの何処の馬の骨とも知らない荒くれ者です。
そんな荒くれ者ですから、取引した商品を隠し持ってはいないか? 積み荷をごまかしてはいないか?
商人たちは、全く彼らを信用していませんでした。
彼らを監視しごまかしようのない管理方法として考えだされたのが、複式簿記による記帳=帳簿作成だといわれています。
経理の本質は
要は取引現場にいない者が、取引が正しく行われたか否かを管理し監視するシステムが経理なのです。
つまり経理業務は取引現場に居ない人のために、取引がどのように行われたかを報告する行為です。
取引現場にいない人とは大企業であれば管理職や役員や株主です。零細企業の場合は社長自らが取引現場にいるため、経理業務が重視されず、おろそかになりがちです。
一番重宝しているのは税務署です。