顧客や取引先の著しい迷惑行為
厚生労働省ではカスタマーハラスメントについて「顧客や取引先のクレームや言動のうち、要求の妥当性を欠いたり態度が社会通念上ふさわしくなかったりして労働環境が害されるもの」をカスハラと定義しています。
昨年12月に公表された連合の調査によるとカスハラで一番多いのは「暴言」55.3%、次に「説教など権威的な態度」46.7%だそうです。
カスハラは増えているが取り組みは遅い
同調査は最近5年間で発生件数が増えたと回答した人は36.9%あり、人手不足によるサービスの変化や低下、中でも「コロナで発生件数が増えた」と答えたのは22年11月では23.1%ありました。
コロナ禍のストレスで怒りの沸点の低下が挙げられます。
カスハラが発生するきっかけは、勘違い、嫌がらせ、商品・サービスへの不満もありますが「制度上の不備」との回答も16.3%あり、それは「不備な体制や制度の放置」でもあり、会社の責任もあるということを言っているようです。
20年10月の厚労省の調査では約6千社のうちカスハラの取り組みを「特にしていない」企業は57.3%で「顧客の理不尽な要望への対応も優れたサービスへの一環として我慢して見逃してる企業も多い」とのことです。
カスハラの取り組みが進まない要因は、多頻度、長時間などのクレーム等、どこからがカスハラなのか難しく対策の立て方にもわかりにくい面があることです。
日常にある出来事として体制整備
カスハラを受けた人は「心身に不調をきたした」26.7%、「仕事を辞めた・変えた」10.5%などの回答もあります。
カスハラにより従業員のストレスが高まって心身に不調を来たし、業務が行えなくなる様子などを見た他の従業員が辞めてしまう、そのような情報が広まり採用難になるといった悪循環に陥らないようにしたいものです。
カスハラを放置せず発生した場合の相談窓口、カスハラの判断基準、社内規定、対策マニュアル整備等を進めると同時にクレームに1人で対処せず初期対応の重要性を指摘し会社と情報を共有することが大事です。